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東北山スキー

秋田駒ヶ岳 横岳 山スキー 強風で稜線撤退

東北

2022年12月31日(金) 5時間50分
県道国見温泉線 入口 (5:40) – 荒沢橋 (6:10) – ●808m (7:40) – (10:10) 稜線 (10:30) – ●808m (10:50) – 荒沢橋 (11:20) – 県道国見温泉線 入口 (11:30)
※国道46号は交通量が多いので横断時注意。

メンバー : 2人(Waka, Kさん)
天気 : 晴れ・強風

気象庁 過去の天気図
Powder Search

本日は岩手・秋田の県境に位置する名峰、秋田駒ヶ岳を目指す。秋田駒ヶ岳はシーズン関係なくいつか行ってみたかった憧れの山だ。強風予報ではあるが「晴れ」なので、ピークを狙うまたとないチャンスだ。

地形図を眺めてみると、西側からなら田沢湖スキー場がありピークハントするなら最も無難なルートに見受けられたが、スキー場からのハイクアップが苦手なので悩んでしまう。静かな森歩きを楽しみたかったので東側からのアプローチを検討することにした。

国見温泉へ向かう途中の荒沢橋から登るのはどうか。最高峰の男女岳おなめだけは遠くなってしまうが横岳を目指そうではないか。山仲間のKさんと登高ルートを話し合い、そして決定!

道路沿いに駐車スペースがあるか心配だったが、県道入口向かいに広々とした場所があった。車をとめて身支度を整える。

5:40登山開始。除雪されていない県道をラッセルして進んでゆく。深さは足首〜脛くらい。そこまで重さは感じないので問題なし。30分ほど進むと、闇夜に荒沢橋が現れた。

荒沢橋

橋を横断したところから、いよいよ山肌に取り付く。ここから台地に乗り上げるまでが核心部だ。

最初の話し合いでは、あと少し林道を進んで、顕著な尾根から痩せ尾根に乗り上げて台地へ向かう予定だった。周辺で最も傾斜が緩そうだが全体的に尾根が細く意外と侮れない気がした。これから向かう先、湿地の先にある一見分かりづらい急な尾根を登った方が幅も広そうだし結果的に登りやすいのではないかと思った。
多少急でも広い尾根なら楽に登れるということは先日登った大戸沢岳の取り付き部分で学んだ。
果たして今日は私たちの読み通りに進むだろうか、ドキドキしながら足を進める。

まだ1月だからか、雪がモコモコしていることもあり地形が複雑だが、なんとかなりそうだ。キックターンを交えながら順調に高度を稼いでゆく。

モコモコだけど良い感じに登れる!

湿地帯を通過していよいよ尾根の取り付きへ。見上げて、これは行けるぞ!と思った。
予想通り広くて歩きやすい尾根が続いていた。ちょうど日が登ってきて、森が赤く照らされる。

ブナの森に迷い込む
日が登ってきた

話し合ったり、悩みながら進んでいるので、登るまでになんとなく時間がかかってしまうが、それでも自分達で考えたルートを歩けているとワクワクするので楽しい。次回歩けばもう少しスムーズに行けるかな?
いよいよ上方に台地の末端が見えてきた。

後少しで台地へ!

乗り上げの部分は小さな雪庇になっていた。キックターンの出来ない狭さで急斜面なので、あと2mの詰めでは板を脱ぎ、カモシカのトレースをお借りして這い上がる。

雪庇を越える
ひょっこり

登った先には穏やかな台地が広がっていた。ふと木々についたピンクテープを発見したので少し驚く。まぁこんなに良さそうな尾根なので当然かもしれない。記録を出してないだけで地元の方々にとっては有名ルートなのかも。
しかしこのピンクテープはどこへ降りているのだろうか?帰ったら調べてみよう。

目的の秋田駒ヶ岳はここからはよく見えない。しかし自分達は今、確かに秋田駒の山腹に乗っかっている。そのうち見えてくるであろう山頂を楽しみに緩やかな森をハイクアップしてゆく。

穏やかな森を進んでゆく

時折ポツポツと現れるピンクテープは私たちの進みたい方向を示してくれる。ありがたく使わせていただきながら順調に進んでゆく。

次第に疎林になってゆき、ついに木々の向こうに真っ白な稜線が姿を現した。その美しさに胸が高鳴る。同時に風も強くなり始めたので、防寒着を着込む。

真っ白な雪稜が見える

美しいダケカンバの森を越えるといよいよ森林限界は近い。相変わらず風も強い…。

ダケカンバの森

森林限界を越えると、突風攻撃が続くようになる。
Kさんが何回か強風に煽られてコテンと転ぶようになった。近づくと、悲しそうな表情を私に向けてくる…。とりあえず稜線まで頑張ってみる?と声を掛けたら同意してくれたので引き続き進むことにする。

景色は素敵だけど強風
コテンと倒れるKさん

美しい。実に美しい斜面だが、風が強い。突風攻撃は方向関係なくランダムに吹き付ける。高度を上げるほどに時間が長くなり、耐風姿勢をとる時間が続いた。まるで捗らないハイクアップだ。
稜線はさらに風が強そうなのでトラバースして山頂に近づく作戦も出てきたが、この突風の中トラバースしてゆくのは滑落リスクが高い。大人しく稜線へ登るほかないと思った。

真っ白な大斜面!

10:10稜線到着。ちょうど風がおさまったタイミングで乗り上げた。Kさんとどうするか相談する。Kさんはどことなく帰りたそうだったが、諦めのつかない私は、耐風姿勢をとりながら、とりあえず行けるとこまで行ってみるのはどうかと提案した。心優しいKさんは私の希望を聞き入れてくれた。
風がおさまっている今がチャンス!とガシガシと距離を稼ぐ。その次の瞬間、猛烈な突風が襲い掛かる。この突風はしばらく続き、ついに私もしゃがみ込んでしまう。まるで身動きが取れなくなってしまった。振り返るとKさんがストックをバッテンに掲げているのが見えた。
私もついに決心がついた。こんな調子じゃ山頂に到着するまでに日が暮れてしまいそうだ。Kさんの元へ戻るまでも強風に煽られて少し大変だった。

横岳山頂は近くて遠かった

稜線から少し降りたところでシールオフし滑降準備。
横岳に「また来るよ」と伝えていざドロップ!

吹きさらしの斜面はパック気味だが、この時期では致し方ないだろう。

強風の中滑降準備
オープンバーン!

強風のオープンバーンを慎重に滑降しダケカンバの森まで戻ってきた。これより先は快適なパウダーが続く。

ダケカンバの森は大好き!
快適滑降が続く

次第に傾斜が緩くなってくるので、行きのトレースに乗って滑降してゆく。てっきり停止してしまうかもと懸念していたが、思いのほか板が良く滑り順調だ。
あっという間に台地へ乗り上げた場所まで戻ってきた。

よじ登った雪庇は横滑り&斜滑降で突破。

ちょっと緊張

気づけば頭上には青空が広がっていた。森の中は非常に穏やかで先ほどまでの強風が嘘みたいだ。

青空と白い雪を背負って

湿地帯にてカニ歩きにて若干の登り返し。 11:20荒沢橋着地。
手漕ぎを交えて林道を滑る。11:30無事下山。

県道へ着地

今回、残念ながらピークは踏めなかったものの、今回のルートは板もよく走り山スキー向きだと思った。何度行っても楽しそう。また機会があればリトライしたいです!

参考

田沢湖スキー場〜荒沢橋(国見温泉入口)の横断ルートが紹介されていた。↓
ピンクテープはこのルートに沿ってつけられていたのかもしれない。

ヤマレコの記録も少ないながらもしっかりありました!

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※ルート選定ではこちらも参考にしてます(ジオグラフィカのアプリで閲覧できます)

地理院地図 / GSI Maps|国土地理院
地形図、写真、標高、地形分類、災害情報など、日本の国土の様子を発信するウェブ地図です。地形図や写真の3D表示も可能。

立ち寄り

道の駅 雫石あねっこ※ 2022/12/31は食事・入浴共に15:00まで営業してました
〒020-0582 岩手県岩手郡雫石町橋場坂本118番地10 (Google Map)

年末ということもありどこも休業、今日は風呂ナシ&コンビニ飯を覚悟していたが道の駅が営業しており時間いっぱいまでありがたく利用させてもらった。

①お食事処「こまくさ」(平日11:00〜16:00 土日祝日〜20:00 / LO 30分前)
出来立の美味しい天ぷらをいただきました。稲庭うどんもgood。個人的に温うどんなのに天ぷらが別の盛られているのがありがたかった。道の駅なのであまり期待していなかったが美味しかったです!!
Kさんの食べていたわさび冷麺もプリプリしてて美味しかったです。

稲庭うどん食べました

②橋場温泉 新はしばの湯(9:00〜20:00 / 受付19:30まで)大人520円
のんびりできる休憩スペースも併設されているのでのんびり過ごせます。

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登山ガイドWaka
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