2024/6/24(月)〜6/26(水)
リクエストを頂き、北岳へキタダケソウを見にいくツアーを実施しました。
実は前日に大雨が降った影響で林道が倒木で塞がってしまい、ツアー当日の早朝まで路線バスが運休になっていたようです。ラッキーなことに私たちの集合時間までに復旧され無事に北岳の登山口へ向かうことができました。
今回の参加者は3名。+ガイドWakaで出発です。
1日目
昼前に出発地の広河原へ到着。一昨年リニューアルした広河原山荘でまずは昼食タイム。ここではカツカレー、ラーメン、山菜そばなどの軽食をいただくことができます。コーヒーもいただけるので、登山前後のちょっとしたひとときにうってつけです。
準備運動ののち12:00いよいよ広河原山荘出発です。
予報では降雨予報でしたが、なんと見上げれば青空が広がっており、とっても気持ち良いです。
「今日中に山頂まで登りたくなりますね〜!」なんて言いながら進んでゆきます。
今日の宿泊場所は白根御池小屋。コースタイムは短いのでのんびり進んでゆきます。
しばらく大樺沢の左岸登山道を進んでゆき、まもなく大樺沢と白根御池小屋との分岐に到着。
ここから標高差約600mの登りが始まります。今日一番の頑張りどころです!
参加者の皆さんは元気いっぱいで、登りはさくさく快調。休憩適地の第一ベンチはスルーし、あっという間に第二ベンチまで。
おしゃべりしていると、大変な急登もあっという間でした。
15:00前に、白根御池小屋に到着。
終始お天気は持っていてくれて、白根御池からは明日登る八本歯のコルまでしっかり見えました。
17:00からの夕飯まで時間があるので、のんびりお茶会。白根御池小屋のダブルアイスクリームに舌鼓!マンゴー味とココナッツ味でした。
2日目
翌朝、4:30から朝食をいただき、5:00出発。
5:40大樺沢二俣に到着。目前にはびっしりと張り付いた雪渓。ここでアイゼン、ピッケルを用意して再出発です。
2人はピッケルを持つのは初めてだったので、基本的な使い方をレクチャーしました。
スプーンカットでボコボコしている雪面の中でより平な場所を探しながら登ってゆきます。
取り付きでは雪渓の割れ目の下でごうごう水が流れていましたが、登ってゆくと水流が細くなったようで、雪渓の下には地面が垣間見えるように。
休憩適地が全くありませんでしたが、ちょうど良いクラックがあったので少しだけ小休止。登っている時は歩きに全集中だった皆さんもこのタイミングでお写真タイム。
そのうち左岸に登山道が続くように見えたので、アイゼンを外して登山道を辿ることにしました。登山道は意外とアップダウンが多くて疲れます。雪渓の方が怖いけれど、ひたすら登れば良いだけなので楽かもしれません(笑)
道中、支流の雪渓をトラバースする箇所があったので、皆さんにはピッケルを出していただき、私がステップを作って横断。
いよいよ上流まで登ってきました。最後は雪こそないものの、ガラガラと浮石地獄。八本歯のコルへ向かう尾根に取り付くまで、慎重に登ってゆきます。
浮石地獄が終われば次はハシゴ地獄。一気に標高を稼いでゆきます。右手にはカッコ良い北岳バットレス。見下ろせば、登ってきた雪渓がよく見えます。
9:00、八本歯のコル到着。
午後から強風&悪天予報です。稜線に出ると、確かに風が強くなってきました。間ノ岳の勇姿を眺めながら小休止し、いよいよ北岳山荘へ向かいます。
次第に風が強くなっていき、北岳山荘へ向かうトラバースに差し掛かる頃にはかなりの強風に。
しかし、ここからが今山行のハイライトです。
北岳にしか咲かない固有種の花「キタダケソウ」を探しながら歩きます。
強風で揺れているのでカメラのピントを合わせるのが大変です(笑)
険しい岩壁に花開くキタダケソウにみんな釘付け。強風であることも忘れてゆっくり楽しみます。
キタダケソウの他にも、ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、ミヤマムラサキなど、可憐な花々が私たちを出迎えてくれます。さすが北岳、花の名山です。
ゆっくり花を楽しみながら歩き、11:00過ぎに北岳山荘へ到着しました。
当初はここから間ノ岳へ往復する予定でしたが、なかなかの悪天候。希望者を募り、中白根山まで雷鳥を探しに行くプランに変更。
中白根山で雷鳥を見つけることはできず、山頂で記念撮影後、早々に退散。13:20に北岳山荘へ戻りました。
のんびり山荘で過ごしていると、次第に青空が見えてきました。16:30頃に外へ出てみたら、素晴らしい北岳と間ノ岳の展望。
かなり強風で寒かったですが、良い展望を眺めることができました。
17:30から夕食をいただき、就寝。
3日目
今日は天候の回復が予報よりも遅いようです。8:00過ぎから徐々に晴れてくるようですが、どれくらい時間がかかるか分かりません。あまり待ちすぎてもバスの時間があるので、5:00に登山を開始しました。
暴風雨の中進んでゆきます。登山道脇に可憐なハクサンイチゲが咲いていますが、愛でる余裕はなし(笑)
今はまだ6月下旬。私にとっても今シーズン初の、標高3,000mの暴風雨でした。
6:30北岳登頂!
登頂のタイミングで、心なしか風が弱くなった気がします。北岳が歓迎してくれたのでしょうか。
肩の小屋で中休止をして、下山に取り掛かります。
次第に、下界の方から天候が回復してきました。北岳山頂はまだガスの中ですが、カッパを脱いで快適に降ってゆきます。
9:20白根御池まで降りてきました。山頂での雨が嘘のような天気です。
快適に下山し、11:40広河原着。
雪渓、花、展望、山小屋で過ごす時間、暴風雨…。標高3,000m級の山の魅力、厳しさを味わうことができたのではないかと思います。
参加の皆様、お疲れ様でした!