2024/6/22(土)(晴れ) 只見沢出合(7:00)~(7:45)岡沢出合(8:00)~(8:10)白沢出合(8:25)~20m大滝(10:00)~尾根(11:25)~岡沢Co650二俣(13:10)〜(13:50)岡沢出合(14:30)〜白沢出合(14:40)〜岡沢出合(15:15)〜只見沢出合(16:15)
※青字はカヌーまたはパックラフトでの移動
メンバー : 3人(Waka , mt-sam , rika )
装備 : ラバー、 30mロープ×2
山行記録
冬に高倉山で山スキーをご一緒したsamさん、rikaさんから、「村杉半島の白沢へ行きませんか。」とお誘いがあった。白沢は、今から3年前に1人で途中まで入渓している。いつかは遡行したいと思っており、今回またとない機会なので快諾した。samさんもrikaさんも同じ山域で活動する数少ない仲間だ。
いつもの山仲間Kさん以外に、まさか私に村杉へ行こうと誘ってくれる人がいるなんて、初めてのことで嬉しかった。
カヌーで出発
朝の5時に道の駅いりひろせに集合し、全員で田子倉湖無料休憩所に移動する。今回はsamさんのカヌー3艇、rikaさんのパックラフト、私のパックラフト、計5艇を用意した。
初めてのカヌー、まずは持ち上げて湖岸まで下ろすところから始まるが、結構重くて一苦労だった。パックラフトは折り畳んだままで、samさんのカヌー3艇にそれぞれ乗り込み、いざ出発!
今日は午後遅くから雨が降る予報だが、今はすっきりと気持ち良い天気。浅草岳が「行ってらっしゃい。」と私たちを見送ってくれた。
漕ぎ始めると、パックラフトとは比べ物にならない推進力に驚いた。すごいスピードで進んでゆく!まずは下山場所の岡沢出合を目指す。湖岸から眺める景色が美しい。
出発から45分で岡沢出合へ到着。3年前はほぼ同じ距離にある白沢出合までパックラフトで片道1時間40分かかっている。カヌーを使うことにより、半分未満の時間で到着してしまった。さすが、カヌーの推進力すごい!!
岡沢の出合は倒木が詰まっており、奥は見通せない。無事にここまで下山できることを祈りながら、パックラフト2艇をデポする。
再びカヌー3艇に乗り込み、白沢出合へ向かった。
只見川 白沢
白沢出合到着。3年ぶりの再訪に胸が高鳴る。当時よりかなり渇水しており、出合の滝が見えないくらい手前で着陸することができた。カヌーを陸に上げ、準備を済ませ、いざ遡行開始。
カーブの先に現れた出合の滝。水が少ない分3年前よりも滝が大きく見えるが、あの時より水量が少ないようで威圧感はない。滝下まで歩いて見上げる。今日の滝は直登できそうだ!
samさんとrikaさんが先に登って良いよ。と言うので僭越ながら先に行かせていただく。5m滝は朝イチ一発目には少し緊張する。少しヌメるので慎重に…。
その後の4mほどの滝もよじのぼると、目前には南会津らしい穏やかな渓相が広がった。
進んでゆくと、短い距離の中に美しい滝が連続し、楽しませてくれる。
直登が大変そうな6m滝は左岸から巻いた。両側は穏やかな森なので高巻きは容易にこなせる。
もしアプローチが楽だったら入渓者が多そうな沢である。白沢へ入渓している人は過去にいるかもしれないが、ネットや書籍で記録を見つけたことはない。
白沢は、ダム湖という人工物により長年隔絶され守られ続けている。まさにつくられた秘境だ。
3年前に引き返したと思われる滝はあっさり突破した。ここから先は私にとって未知の領域だ。
ヌメる4m滝を越えると、目前に15mはありそうな3段の滝が現れた。
この滝は3年前にGoogle Earthで確認していて、実物を見上げたいと思っていた。今日見ることができて本当に嬉しい。
15m大滝は右岸から高巻いた。巻きは簡単で、獣道のようなものまであり歩きやすかった。もしかしたらこの沢は森の獣たちの登路になっているのかもしれない。
大滝を越えると、すぐに二俣分岐。左は綺麗だが、右はかなり藪っぽい。しかし地形図の水線は右俣に伸びている。左へ進みたい気持ちを堪えながら右へ進む。一度水は伏流し、藪をかき分けると再び沢床が見えた。どうやら右俣の出合は土砂崩れで埋まっていたようだ。
やがて滝が少なくなってゆき、8割ゴーロの詰めに差し掛かる。今日は横山まで行く予定はないので、岡沢へ下降しやすい左岸尾根めがけて藪を漕ぐ。ブナの森で藪は少なく、比較的快適に尾根まで詰め上げることができた。
岡沢
しばし休憩をして、岡沢へ下降開始。岡沢は白沢よりも等高線が詰まっている。難しい滝が多い可能性がある。
2人が、Wakaさん先歩いて良いよというので先行させていただく。打ち合わせでは、とりあえず岡沢の奥の右俣を下降してみようかという話だったが、謎の力が作動し、結局左俣に吸い込まれてしまった。今日は結構気をつけていたつもりで、確かに右俣の沢筋に着地したはずなのに…。
沢下降の難しさを改めて認識した。
U字状に抉れた沢床にゴーロが堆積している。両岸を見上げると、土崖となっており、長い年月をかけて沢が埋まっていってしまったのかもしれない。地形図の通り渓全体が急峻で、はるか下まで続いている様子が見下ろせる。
おそらく連瀑帯だったであろう場所はゴーロで埋まり点在する小滝と化していた。1ヶ所脆い3m滝以外は、簡単にクライムダウンすることができた。
やがて奥の二俣へ到着。右俣を覗き込むと、滝が連続する様子が見えた。
「こっち降ってきて良かったね。ナイス!」
rikaさんにそう言われた。確かに左俣で良かったかもしれない。謎の力に感謝!
この辺りは南会津らしい花崗岩の白い渓相より、毛猛山塊らしい黒々とした渓相が目立つ。白沢と岡沢は隣り合っているのに、まるで渓相が異なるのが面白い。
と、足元にある、周辺唯一?の花崗岩の巨岩を見つけた。よく見れば、穴という穴に小さな水晶がびっしりと張り付いているではないか。すごいすごい。こんなの初めてみた。どこから転がってきたのだろう。まさかの発見に3人で歓喜した。
水晶の岩を見送ると、前方の展望が開けた。予感は的中し、滝の落ち口に出くわした。30mロープを2本連結させて懸垂下降。滝は20mほどだろうか。スムーズに着地。
しばらく歩くと、再び10m滝に出合ったので、こちらも懸垂下降。
やがて渓は穏やかになり、岡沢出合が近づいてきた。
下部の巨岩帯は花崗岩が目立つ。最後の最後で怪我をしないよう、気をぬかずに。
今朝、降り立ったバックウォーターが見えてきた。デポしたパックラフトが無事にあった。
13:50岡沢出合着。白沢遡行〜岡沢下降、念願のルートを無事に辿ることができた。
カヌーで帰還
しばし休憩をして、パックラフトを2艇膨らませる。rikaさんは岡沢出合で待機し、私とsamさんで白沢出合のカヌーを取りに行く。
パックラフトに乗ると、朝のカヌーより全然進まないことを思い知らされる。そして座る場所が低過ぎるので、パドルを漕ぐ腕が高い位置にあり非常に疲れることが分かった。
今まで、パックラフトしか乗っていなかったのでそれが当たり前だと思っていたが、カヌーへ乗ることで2つの乗り物を比較できるようになった。今度パックラフトへ乗るときはなるべく高い位置に腰を下ろせるよう工夫したいと思った。
白沢でカヌーに乗り換える。samさんはrikaさんの分のカヌーを引っ張ってゆく。
岡沢出合でrikaさんと合流し、いよいよ帰還だ。穏やかな湖面を只見沢へと向かう。
16:15無事下山!
夜は3人でちょっとしたプチ宴会。
大充実の1日だった。