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沢登り中央アルプス

中小川仙涯沢左俣右沢 〜 中小川登山道 中央アルプス

沢登り

2022年7月23日(土)
7:00 ゲート – 8:30 中小川なかこがわ登山道入口 – 12:20 相生あいおいの滝 – 13:15 飛竜の滝 – 13:35 仙涯沢出合 – 14:45 幕営地

2022年7月24日(日)
7:00 幕営地 – 7:10 仙涯沢出合 – 8:10 二俣 – 11:05 稜線 – 12:00 越百山 – 14:20 カモシカ落とし – 15:15 相生の滝 – 16:30 中小川登山道入口 – 17:40 ゲート

メンバー : 2人(Waka, Kさん)

天気 : 両日共に晴れ

昨年のゴールデンウィークに安平路山から念丈岳まで縦走した時、アプローチの林道を流れる沢床がとても綺麗だったのが印象深かった。いつか中央アルプスへ沢登りでも訪れたいたなぁと思っていた。

私やKさんは新潟や福島の山が最も好きなので、晴れたらそちらへ行ってしまい中央アルプスへ行く機会は意外と少ない。今回は日本海側が天気が悪く中央アルプスの天気は良さそうで、まさに中央アルプスへ行くしかない天候に恵まれた。

仙涯沢の遡行記録はインターネットで2つほどヒットした。2008年9月の記録と2013年10月の記録を参考にさせていただいた。

朝7:00ゲート前の広いスペースに駐車し、いざ登山開始。中小川と並走するように付けられた中小川登山道はとうの昔に廃道化している。まずは登山口まで約3.6kmの林道歩き。右手に見下ろす中小川の流れはなんだか水量が多いように見える・・・。そして花崗岩の沢床はやはり美しく早く入渓したい気持ちにさせられた。
中小川避難小屋を過ぎたところで対岸に猿の群れを見かけた。中央アルプスの猿は凶暴で私も過去に威嚇されたことがある。良い思い出はないが、彼らは遠く離れた位置にいたため、幸いにも襲われることはなかった。

中小川を眺めながら
モンキー集団

橋を渡り、まだ続く林道を辿ってゆくと8:30ようやく中小川登山道入口へ到着した。入口は藪っぽくて「え?本当にここ?」と声が出てしまうほど鬱蒼とした雰囲気が満載である。登山口と分岐して林道がまっすぐ伸びている。そちらが歩ける可能性を期待しながら偵察に行ってみると、林道はパッタリと途絶えて奥には藪が広がっていた。

登山道は右側
案内看板

仕方ないので引き返し、藪っぽい登山道を進む。Kさんと「帰りもここ歩くの?やだな〜」と話ながら進む。登山道から標高差60m程上がったところで支流に橋が渡っている場所がありそこから沢へ入渓。支流を下降していよいよ中小川本流へ入る。

今日は飛竜の滝を越えた場所にある仙涯沢出合で幕営予定だ。距離が短いのでのんびり遡行することにする。基本的にゴーロで悪場はない。魚影が見えたので適当な所で竿を投げたところ1匹ヒット!塩焼きには良いサイズで満足。その場で締めて内臓を取り出していたら胃袋から巨大な青虫が出てきて思わず悲鳴をあげる。ワーム系は見るのも触るのも苦手だ・・・。
以前楢戸沢でカエルを咥えて逃げるイワナを目撃したが、もし釣り上げたイワナのお腹からカエルが出てきた時は驚きそうだなぁと思った。

イワナのお腹から出てきた。かなりびっくりした・・・!

そのうちに相生の滝下部ゴルジュに至る。1つ目の滝は巻けたが、その先にも滝が続きなかなか悪そうだったので廃道より巻くことにする。このゴルジュの突破記録はインターネット上では見ていない。「メンバーやガチャをしっかりと揃えて挑めば充実する気がする。」とKさんが言っていた。

相生の滝下部ゴルジュの始まり

中小川左岸にある廃道をたどり相生の滝まで巻いてゆく。途中で乙女の滝を横断する。その後から道は悪路となってゆく。岩壁や急斜面部にかけられたであろう木の梯子はとうの昔に朽ちており、崖っぽいところはそのまま直登。踏み跡はところにより非常に不明瞭になり、一度だけ笹藪の急斜面をトラバースする羽目となった。足を滑らせれば深いゴルジュまで落ちてしまうのでなかなか怖い。帰りにまた歩かなければいけないのが憂鬱だ。

カエル先生捕獲!
相生の滝に到着。

12:20相生の滝へ。ここからは沢を遡行してゆく。基本的にゴーロ滝が多く遡行は快適。1ヶ所、8m程の滝は右岸より巻き。なんと岩盤に鎖の残骸が残っており、まさかこの巻道が一般登山道だったのかと驚く。いやいやそんなことないよね。流石に危ないもの。帰りに廃道を辿ってここに行き当たったら本気で嫌だと思った。そうしたら私は一人で大きく高巻くよ、とKさんに伝えた。

渓にはサンショウウオが生息しているようで、道中何度か見かけた。可愛くてついついほっこり。

白い岩盤が美しい
コンニチワ!

13:15飛竜の滝へ到着。

飛竜の滝

左岸より高巻いて13:35立派な滝を抱える仙涯沢出合に到着した。出合に幕営適地はなく、中小川本流へ少しだけ入り右岸に良さそうなところがあったのでそこで幕営とした。

二条の滝!

釣り上げたイワナは塩焼きにして美味しくいただく。Kさんが米を炊いてくれた。焚き火を囲みながらのんびりとした夜を過ごした。

本日の幕営地!

翌日は7:00に出発。朝イチで仙涯沢出合の滝を右岸より高巻き沢床へ着地。

仙涯沢出合の滝

その後は快適に登れる滝が続き、順調に高度を稼いでゆく。明るい渓相に思わずテンションが上がる。予想以上に素晴らしい場所だ!

滝が続く
素晴らしい渓相!

8:10二俣到着。どちらにも立派な滝を抱えており、これまた見事な景観。左俣のCS滝を右岸より高巻く。

圧巻の二俣

その後、ボロい滝が現れるが無事に突破。その上流の10m滝もこれまた見事だった。白い花崗岩の滝はフリクションバチ効き。

シャワークライミング!
見事な滝が続く

その上で二俣分岐。越百山へ詰めあげるには左沢を選ぶべきだが、右沢出合にかかるナメ滝が美しくて心惹かれる。Kさんに「右沢も魅力的だね。」と話したら「ワカの行きたい方へ行っていいよ。」と返ってきた。それなら、興味の赴くまま右沢へ入ってみようではないか!

右沢出合の滝。こちらを遡行してみよう!

右沢へ入ってもなお、期待を裏切らない滝が待ち構える。下流からガスが昇ってきて、一時視界が閉ざされてしまったもののその数分後にはまた晴れてくれた。天候にも恵まれて、今日はなんて良い日なんだ。

真っ白な滝!

上流へ向かうほどに花崗岩の風化が目立つようになってきた。どことなく砂っぽい滝を直登すると、二俣分岐。

滝が砂っぽくなってきた
二俣

右へ進むと、いよいよ花崗岩の風化が進行し、最終的にはザレ場の終点となり遡行不可となった。

ザレ場の終点

ここから右岸の尾根に乗り上げ、藪を漕いでゆく。11:05稜線へ。青空の下の稜線歩きはとても気持ちよく2人して「やっぱりアルプスは良いね〜。」とつぶやいた。

南駒ヶ岳、仙涯嶺をバックに
突然ボルダリングを始めた人
目前に越百山

12:00越百山到着。山が好きになって今年で7年目になるだろうか。山を始めた頃から存在は知っており、そのカッコ良い名前に惹かれていつか行きたい!と思っていたピーク。ついに行くことが出来て良かった・・・。
しばし休憩を挟み、中小川登山道から下山に取り掛かる。

藪なんだけど?

非常に不明瞭な踏み跡を辿ってゆく。時折見失いつつもKさんと協力して辿ってゆくが、いよいよ分かりづらくなってきた。なんなら時折合流する廃道が、もはやただ枝沢下っているような感じもあったので「これはもう沢辿った方がいいんじゃない?」となってしまった。うっすい踏み跡をイライラ探すより、よっぽど沢を下降した方が早い。笑
決めたら早い。悩む必要はなく、ゴソゴソ適当に藪を漕げばあっという間に沢床へ着地!沢には穏やかなゴーロが続いている。ようやく藪から解放されてスッキリした。
下流へ行くほどに美しい滝やナメが目立つようになってくる。1度だけ懸垂下降をしたがそれ以外は快適。

懸垂下降
なかなか美しい

沢には登山道から落ちてきたのだろう赤テープが多数散見された。どうやら廃道は今いる沢の右岸や左岸をウロウロしているようだ。時折木にくくりつけられた赤テープがすぐ横の藪の中に見えた。であれば早々に沢へ下ってしまって正解だったかも。途中でナメ滝を左岸から右岸へ横断するポイントがあったが、ここにもなんとトラロープの残骸や黄色テープがあった。まさかここ登山道だったの?もはや歩くとなれば完全なる沢登りで中小川登山道のレベルの高さを思い知った・・・。

Kさんの歩いている所、おそらく登山道だった場所。(右手付近に黄色テープあり)

そのうちに仙涯沢出合近くまで下ってきた。この先には飛竜の滝があるので、廃道を辿ってみることにした。踏み跡はいくらか明瞭になり歩きやすくなった。
道中「飛竜の滝」と書かれた展望台があったがそこから見えたのは仙涯沢出合の滝・・・。これではあの滝を飛竜の滝だと勘違いしてしまいそうだ。

踏み跡がだいぶマシになった
「飛竜の滝」と紹介されてる仙涯沢出合の滝w

踏み跡を辿っていると、比較的丈夫そうな仮設橋が現れた。これにはびっくり。しかし、喜んだのも束の間。次に現れたのは今にも朽ちそうな木製梯子・・・。これ、体重乗っけて大丈夫?これに命を預けなければいけないのが非常に嫌だ。先行して降りていったKさんがこの2日間で最もビビっていたのを見てしまった・・・。笑
私もスリップしないように、梯子が折れないように慎重に足を運び、どうにか核心を終える。続けて、落石にやられたのか、ボコボコ・ブランブランの鉄製パイプ梯子を下ってゆく。これもなかなかデンジャラス。無事に突破した時は心から安堵。怖かった!
なんなら飛竜の滝を左岸から巻いた方が早いし楽だと思ってしまった。
これだから廃道はタチが悪いんじゃ〜。下手に廃道辿ったり探そうとすると怖かったり面倒臭い思いすること、私はあるあるです。4つくらい事例を挙げられます。笑

仮設橋に感謝〜
ボコボコの梯子と、右上にやばい木製梯子

今の区間は通称カモシカ落としと呼ぶらしい。まさにその名の通り、道は断崖絶壁にある。整備されているからこそ通行出来る場所だ。もし1つでも梯子が壊れれば、中小川登山道はいよいよ通行不能になってしまうと思った。

行きで右岸を巻いた8m滝、側壁に鎖の残骸があり「まさか」と思っていたが、その区間は安全な樹林帯を通過して難なく突破できた・・・。良かった。

その後も右岸に廃道は続く。1ヶ所5m程の崖を降りて支流を横断。一応鎖垂れてるけど、いや崖やん。これが昔一般登山道だったとは・・・。さっきから、歩いている場所も、やっていることも、もはや沢登りと変わらないような。ちょいちょい崩落していて「えっ?!」って思う箇所もあったし。
右岸の廃道は時折藪の中に消失する。大人しく河原を歩いていると、そのうち右岸の廃道が再び見つかる。これが数回あり。一体全体、以前はどんな登山道だったのだろうか。一度、昔にワープしてまだ現役の中小川登山道を歩いてみたいと思った。

ようやく相生の滝まで降りてきて、対岸へ渡渉。右岸から沢床へ降りる時も、2.5mくらいの崖をクライムダウン。鎖がついているものの、ほぼ垂直の壁で登山靴ではなかなか怖そうな場所だと思った。

ここからは行きに通った道なので少しは安心できる。だが結局往路でも踏み跡を見失ったので、適当にルーファイして進んでゆく。傾斜が急なのでなかなか緊張した。

乙女の滝を横断して、いよいよ廃道は落ち着いてきた。

乙女の滝

Kさんと「ようやく歩きやすくなったねー。」と話していた。登山口もいよいよ近づいてきた。行く時は「こんな藪の中歩くの?!」と文句ブーブーで歩いていた場所も、上流の廃道があまりに悪くて、今となっては、かなり歩きやすく感じる。笑

ハナホウキタケ

16:30 中小川登山道入口到着。しばし休憩を挟み、ゲートへ向けてチンタラ歩き始める。17:40無事帰着。

【オススメ】

きらく(HP)
長野県駒ヶ根市赤穂3145 / 午前11時~午後9時(午後3時~6時休憩)

ソースカツ丼(1,100円)をオーダー。・・・美味しい!!!肉が分厚く衣が薄いという、私の好みドストライクのソースカツ丼だった。肉は4切れと一見すると少なそうだが、肉が厚いこともあり私の胃袋には十分なボリューム。

どうやら駒ヶ根ソースカツ丼の歴史は「きらく」から始まったらしい。そうなんだ〜。でも確かにここのソースカツ丼は美味しいから納得。値段もカツ丼にしては安いと思うし、また駒ヶ根に訪れたときは利用したいと思った。

きらくのソースカツ丼
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