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沢登り南アルプス

信濃俣河内 本流 南アルプス

沢登り

2023年9月27日(水) 晴れ
ダム底(7:40) – アシ沢出合 (9:15) – 小沢出合 (10:15) – 第二ゴルジュ先の河原 (14:50) / 行動7h10m

2023年9月28日(木) 曇り 稜線はガス強風
第二ゴルジュ先の河原(7:00) – Co1650二俣 (9:20) – 登山道合流 (12:50) – 茶臼岳 (14:00) – (14:20) 茶臼小屋 (14:50) – 横窪沢小屋 (16:15) – ウソッコ沢小屋 (17:10) – 畑薙大吊橋 (18:15) – 沼平 (18:55) / 行動11h55m

メンバー : 4人(Waka , Kさん , tuffさん , 加々見さん )

装備 : 全員ラバー靴
フローティングロープ25m 、 ロープ8mm×30m (いずれも未使用)

貉ヶ森山以来のtuffさんと、今回初めましての加々見さんと、Kさんと3人で沢登りへ。
2泊3日で新潟の沢に行く予定だったが天気がよろしくないので急遽南アルプスの信濃俣河内へ転身となった。
前日まで尾瀬で研修だった私は山中にて明日の行き先を確認した。帰宅後そっこうで沢支度を整えてとんぼ返りで静岡へ向かう。
元々静岡県出身だった私は、以前はよく南アルプス南部へ足を運んでおり、信濃俣河内も過去2回入山したことがある。ところが新潟県に引っ越した今は、出発地の畑薙まで片道6時間30分。

めちゃめちゃ遠いよ…。
正直、Kさんと私の2人だけだったら今日までで5日連続登山の疲れも相まって「明日はのんびり休もう」となっていたところだが、tuffさん、加々見さんも来るとなれば、そう簡単にドタキャンも出来まい…。
行くまでに気力を奮い起こすのは大変だったが、信濃俣河内は素敵な沢で、結果的には「行ってよかった!」と思えた。tuffさん、加々見さん、私を外に連れ出してくれてありがとう。笑

仕事で山、遊びで山、は毎度毎度休まる暇が無いが、やっぱり山は行くと楽しい。やはり遊びの山は無理矢理にでも行くべきであろう。

1日目:畑薙〜第2ゴルジュ先

朝6:30に畑薙ダムへ集合し、のそのそと支度をする。

今回は2泊3日の予定で信濃俣河内遡行。下山は2通り考えていて、仁田岳南東尾根を下るか、茶臼岳経由で一般登山道を下るか。
加々見さんが「茶臼岳に行ってみたい」と言っていたので、一般登山道で下山することに決定。
車1台を下山口に近い沼平にデポして、もう1台の車で信濃俣河内の入渓点へ向かう。

最近は全国的に降雨が少なく、北アルプスの各地では水場が涸れているほど。事前に降水量を確認していたが、案の定バックウォーターはカラカラ。林道終点から直接ダム底に降り立つことができた。

水が何もない

はるか昔に遡行した記憶では、水深が膝上で水圧も強くてやや大変だったが、今回は渇水のためか、ところにより深い部分はあれどスクラム組んで渡渉するほどではなかった。

アシ沢出合着。むかーし、「この滝は絶対登れないね!」と仲間同士で言い合ったものだ。

出合の滝を見上げるtuffさんが「これはイケそうですね。」と言った。
まぁ私からしちゃ直登は無理だが頑張れば奥へは入れそうだ。数年前はここは完全に極悪で遡行不可と思っていた自分だったが、今はなんとなく突破口をアレコレ考えられる。これも沢登りの経験を積んだ証なのか。昔の自分より成長したのかな。

アシ沢出合の滝を見上げるtuffさん

小沢出合を経て、いよいよ信濃俣河内本流に入ってゆく。しばらく歩きの遡行が続くが、いよいよ第1ゴルジュの開幕を伝える、釜を抱えた2mの滝が現れる。

最初の2m滝。続々と登る。

黒々としたゴルジュではあるが、見上げれば穏やかな森が広がっているので威圧感はあまり無い。お天気が良くて水量が少ないのも影響しているだろう。

ゴルジュ内を進んでゆく
泳ぎもあり。ちょっと寒い笑

現れた2条3m滝は左側の水流を直登する。ツッパリでザ・沢屋ムーブ。笑
ツルツルした岩肌だが、ラバーソールはちゃんと効いてくれている。

2条3mの滝
つっぱりで直登!

次なる美滝は釜つき3m滝。男たちが一斉に泳いで壁に取り付いてゆくが、私は泳ぎたくないので早々に左岸巻き。1番のりは水線左側を登ったtuffさん!
見下ろせば、カガミさんは右岸巻きの途中で、Kさんは未だしぶとく右壁を登ろうとしているが水圧に戻されている…。結局敗退したのか左岸から巻いてきた。

私には無理そうなので速攻で巻き。
敗退して戻されてるKさん。笑 みんな待ってるよー。

第1ゴルジュの終わりは4m滝。

左壁から楽々。

第1ゴルジュを突破した時点で11:40。割と順調なのでここからはのんびり釣りをすることにした。カガミさんは渓流釣りを始めたばかりで、また一匹も釣ったことがないそうだ。
Wakaの薬師沢仕込みの知識でよければ…。ということで色々レクチャーする。

なんと嬉しいことに、カガミさんは私と全く同じでテンカラ&返しの付いてない毛鉤スタイルだった。
しかもすごく楽しそうに釣りをしていてなんだか微笑ましかった。

私も何度か竿を振っていたら、見ていたKさんも釣りしてみたくなったようで、私がカガミさんに教えているすきに私の竿を奪って上流へ行ってしまった…。

やばいぞー、竿を折られないか心配すぎる。
慌てて追いかけたら、あーあ、毛鉤ロストしてるし…。
竿は折らないように厳重警告したのち、なんかすごくやりたそうにしてたので引き続き私の竿を貸してあげる。

めちゃめちゃスマイルのカガミさん
Kさんも竿を振ってみた

上流へ行くと、第2ゴルジュが現れた。
Kさんに「ゴルジュだから竿しまう?」と尋ねたが「そのまま行く!」と張り切っている。絶対竿おらないでね。と再び声をかける。
カガミさんは少し下流で釣りに夢中になっているので、tuffさんも交えて3人で第2ゴルジュへ先に入ることにした。カガミさんは爆速なのですぐに追いつくだろう。

第2ゴルジュ 竿を持って突き進むKさん…。

第2ゴルジュは両岸が狭まり、なかなか迫力のある渓相。
楽しみながら遡行するが終わりもすぐだった。

ゴルジュ!
もう終わり!

最後は1m程の小滝だが爆水だったので、左壁より試みる。壁には残置スリングがあった。

流石のKさんももう釣りは楽しめないと思ったのか私に「持っててー」と寄越してきた。えーここでかいな。やっぱゴルジュ入口でしまうべきだった。
と、ここでアクシデント発生。なんと、竿がしまえない!!!!
竿の割と先端部分が伸びすぎたのか畳めなくなった…。こんなこと初めてだぞ。
竿を片付けている間にKさんが空身で登って上からお助け紐で荷上げをしてくれることになったが、60cmくらい伸びてる竿はどうしてもリュックから飛び出してしまう。荷上げ中に折れたらたまらない…
ザックだけ先に引き上げてもらい、竿は手持ちで登ることにした。すぐ隣に心強いtuffさんがいるので、迷わず竿を託す。笑

Kさんが残置使わないスタイルなので、とりあえず私もならうことにする…。お助け紐でビレイしてもらいスタート。プッシュしたら意外とあっさり1段上がれた!上部はスラビーだがスタンスあるので問題なく登れそうだ。tuffさんに「やっぱり自分で持っていきます。」と竿を受け取り、無事にKさんの元へ登ることができた。

tuffさんと、追いついてきたカガミさんも続々登る。第2ゴルジュの先は穏やかな河原が広がっている。

核心部?!
カガミさんが登ってる

ここでもカガミさんが竿を取り出す。私は畳めなくなった竿にもう気持ちが萎えてしまい、釣りはやめた。先端をテーピングでぐるぐる巻き60cm以上飛び出さないようにしてからザックに収納した。

Kさんとtuffさんが釣り待ち中に焚き火を起こし始めて、なんと秒で着火成功。笑
なんとなく、ここで幕営しちゃう?となり、少し早いがここで泊まることとなった。
岩がゴロゴロしている河原だったが、tuffさんの土木工事のおかげで素晴らしい幕営地に様変わり!!
焚き火を起こし、楽しい一夜を過ごした。

夜は焚き火!

2日目:第2ゴルジュ先〜茶臼岳〜沼平

7:00幕営地出発。少しの間河原が続くが、そのうち若干のゴル感が出てくる。

ヘツリが面倒そうな小滝。倒木の隙間を這い上がる。
巨岩のオブジェが特徴的な2段6m滝。左岸巻き

そのうち、第三ゴルジュに突入!出迎えてくれたのは2条6m滝。
tuffさんが右の滝の右壁を直登。上からお助けロープを寄越してくれたので、そりゃあ巻くよりは滝登ってみたいよねってことで私とカガミさんは同ルートに挑む!下部の1歩が少し怖いけど上部はまぁ大丈夫。

Kさんのみサクッと右岸巻き。みんなが滝登ってるのを「まだかなー。」と見物してた。笑

ラスト・ゴルジュ始まりましたー。

進むと深そーな釜を抱えた小滝が。左岸巻きですね。
途中に謎ワイヤー発見!

寒そうなので巻き
謎のワイヤー

巻道は踏み跡バッチリで2足歩行可。
ワイヤーもあるし、昔は人がよく入っていたのだろう。

7m滝も巻いてる

その後は地味に難しそうな小滝。スラブ好きなKさんが早速のっぺり岩からの突破を試みる。ボルダリーな見た目に惹かれてカガミさんとtuffさんも挑んでいる。
私は挑むまでもなく即座に右岸巻き。笑
のっぺり岩の上に立つと、あれ、奥にもちょい悪そうな小滝が続いてるぞ。後から同じく巻いてきたKさんが、「あー悪そうだな。戻って左岸巻きの方が良いかな?」といった。未だスラブに挑んでいるカガミさんとtuffさんに声をかけようとしていたので、とりあえず私が「様子見てくる!」と挑む!

タワシで磨いて際どいヘツリを無事に突破!見守っていたKさんが「ナイス!」と言ってくれた。
Wakaが行けたのだから、これは他の皆が行けない訳がないよね?
ってなことでメンズ3人も無事に突破。

てか、私が一生懸命磨いたスタンスを誰も使ってくれなかったという。笑

スラブ大好きっ子のKさんもこのスラブには敵わなかったようだ。笑
のっぺり岩の先にも小瀧。際どいヘツリであった。

これにて第3ゴルジュは無事に突破。
再び穏やかな河原が広がる。しばらく進むと、2〜4mくらいの滝が連続するようになりぐんぐん高度を稼ぐ。

次第に沢は開けてきて、目前には荒涼とした景観が広がる。天気はガスガスでちょっと寒くなってきた。

ぐんぐんぐん
沢が開けてきた。荒涼とした景観

CO1945mまるで両門のようだ。左側は10mかな。真ん中のリッジを軽快に登る。

この辺りからサイズのある滝が現れるようになる。次の2段13m滝は右から。ヌメりはナシ。

2段13m1段目
2段目

9m滝は謎にWakaのみ直登。落ち口に上がるところは少し緊張した。右岸からサクッと巻いてきたtuffさんが先回りして超心配そうに上から見守っていた…。
Kさんのみ左岸巻きしてた(正直どこのラインを登れたのか謎。)

最後の9m滝
今山行の核心部となった。

周りは源流の様相になってきた。時刻は11:00。当初は2泊の予定だったが、抜けれそうということで、今日中に下山してしまうことにした。
体力勝負のゴーロを頑張って登る!

いよいよ終わりも近い
ロクショウグサレキンというキノコらしい
美しい南アルプスの森

12:50無事に登山道合流!

無事に合流!

カガミさんの希望通り、茶臼岳経由で下山する。稜線はガスガス強風で寒い…。

茶臼岳到着!
稜線は紅葉が綺麗。だがガスガス

茶臼小屋にて30分ほど小休止したのち、14:50いよいよ下山。今から下山すると日没を迎えてしまいそうなので、健脚なtuffさんとカガミさんに先に降りてもらい車を回収してもらうことにした。

Kさん&Waka沼平18:55着!

しばらく待っていたら車を回収した2人が戻ってきた。静岡市で夕飯食べて解散しましょう!ってことで再び車に乗る。
…ってあれ、私の車のエンジンがつかない!!鍵をもらい忘れていた!ブーンと発進してゆくtuff号を全力で追いかけるが、去ってしまった…。
電波の通じない沼平でなすすべもなく途方に暮れる。これ、遭難じゃね?もしずーっと気づかなかったらどうしようと不安にくれ、とりあえず寝る。

30分ほど経過し、電波を求めてうろうろしたらぎりぎり電波1本立つ場所を発見した!LINEで連絡したら途中で気づいて今戻っているとのこと。よかった!!

最後までアクシデントがあったが、無事に鍵を受け取り、いよいよ今回の山行は幕引きとなった。

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登山ガイドWaka
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