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山歩き雪山登山下田・川内

下田山塊 白根山〜粟ヶ岳

山歩き

2024年3月10日(日) 曇りのち雪
白根山登山口除雪終了点(9:30) – Co575m (12:00) – 白根山 (15:00) – 標高点810m手前 (15:30) / 行動6h

2024年3月11日(月) 晴れ
標高点810m手前 (5:00) – 標高点977m (9:10) – 粟ヶ岳 (12:00) – 北五百川きたいもがわ登山口 (15:50) – 白根山登山口除雪終了点 (17:10) / 行動12h10m

メンバー : 2人(Waka , Kさん )

装備 : ワカン、アイゼン(Kさん…アルミ10本爪、Waka…クロモリ12本爪)、テント

山行記録

1泊2日で下田山塊へ。

標高が低いものの、豪雪に削られた山肌は急峻で、痩せ尾根が目立つ山域だ。この山域をスキーで自由に駆け回りたい…と思ったが、まだまだ冬の経験値が浅くてイメージが湧かず、スキーがどこまで通用するか分からなかったので今回は歩きで入山することにした。

1日目

朝、忘れ物をして家に引き返したりてんやわんやで登山開始は9:30。

昨日の降雪が30cm程。越後特有の湿雪で、1歩が重い。

最初は林道をひたすら歩いてゆく。降雪後の入山者は誰1人居ないようで、スネ程度のラッセルが続く。白根山登山口に到着し、いよいよ本格的な登りに入った。

取り付きの急斜面を登ると、ワカンで歩きやすい斜面が続くようになる。

白根山登山口

やがて膝程度のラッセルが続くようになり、急になると太もも〜腰まで沈み込む。遅々として進まず、スキーの偉大さを痛感した。雪山登山って、こんなに大変だったけかな。

山ノ神にご挨拶
ひたすら腿上げ体操☆

杉林を抜けて、あたりは気持ちの良いブナの森に変わった。12:00前、稜線に着。雪がちらつくようになってきた。

本当はこの時間に白根山に到着している予定だったが、大幅に行程遅延である。当初の計画を遂行するのはもう無理かもしれない。とりあえず歩みを進めることにする。

時折風雪が強くなりホワイトアウト状態。気温は高く、あまり寒くはない。

ここから標高差は少なくなるので安心
ラッセルは続く

展望はないものの、痩せ尾根にうねうねと発達した雪庇が続く様は見事。例年ならもっと大きく見応えあるのだろうか。

少し細い稜線が続く

この辺りはアップダウンが多く、スキーでは不向きだ。ようやくワカンが活躍してくれそうだ。

Kさんと交代でラッセルしながら足を進める。午前中よりも天候が悪くなり風雪が長く続くようになってきたが、際どい登山道でもないので問題なし。

15:00白根山到着。

白い世界
白根山山頂

ピークから北に下ってゆくと、二重稜線になった。ぼやぼやしていたら雪庇が発達して尾根から降りられなくなり、少し遠回りして沢筋まで降りる羽目に。うーん、ルーファイ難しい!

周りが広くて良い感じの樹林帯だったので、この辺りで今日の行動を終えることにする。
Kさんの選定してくれた幕営地は窪地で、風上に雪庇がある場所。良い感じに風が遮られて、ベストチョイスだった。

今日の幕営地

2日目

朝5:00、出発。昨晩の降雪は大して多くなく15cm程だったが、積雪は大して沈降しておらず、今日も朝イチラッセルスタート。野うさぎのトレースを追いながら、私たちも歩みを進める

Kさんと今日の予定を話し合うが、計画のコースだと、今日はおろか、明日中にも下山できるか怪しいので、粟ヶ岳を目指して今日中に下山することにした。

暗闇スタート
野うさぎのトレースを辿る

しばらく進むと、再び下りで二重稜線になる。先頭を歩いていたKさんが、「またこれか!」と言いながら、雪庇の方向に歩いてゆき、そして消えた。「えっ?!」と思って、恐る恐る覗き込むと、下に無事に着地しているKさん。それにしてもなかなか急な斜度だな…。
「野うさぎのトレース辿った方が良いかも!」と、言われた。辺りを見渡すと、Kさんの降りたポイントの少し離れた右側に、野うさぎが同じように雪庇を崩して移動した足跡が残っていた。そこから下を覗きこむと、なるほど確かに周辺の中で最も斜度が緩く降りやすそうな場所だった。おかげさまで私も転げることなく無事に着地。

改めて上を見上げる。野うさぎは下から上に、雪庇を崩して登っていったようだ。山で生きる野生動物の賢さに感心させられる。合理的で安全なルートをしっかり熟知しているのだ。

例え雪庇があっても、ウサギは最も安全に移動できるラインを知っている。

やがて夜が明け、周囲の山々が光に照らされる。山の頭にはガスがかかっているが、素晴らしい山深い景色が広がる。

進行方向に、真っ白な粟ヶ岳が見えてきた。

下田の山々
前方の粟ヶ岳

雪庇の発達した広大な稜線を進んでゆく。

広大な稜線を進む。

標高点924mを越えると、隠れクラックが目立ってきた。誤って落ちないように、雪面の変化に注意を払いながら進む。

違和感ある場所をストックで叩くとクラックが現れる。

8:30を過ぎてくると、次第に雲がとれてきて、背後に輝く山々が現れた!
素晴らしい展望に私もKさんもテンションUPだ。

新潟の山々は本当に美しい。

矢筈岳が見えてきた
美しい世界

のんびり歩いていると、いよいよ一本岳が眼前に控える。
同時に見えるのは粟ヶ岳〜一本岳に挟まれる、素晴らしくメロウな駒出川源頭部…。この時ばかりはスキーを持っていないことを後悔した。

さて、ここからのルート取りだが
もっと稜線を上がったところからトラバースするのが合理的…、ではあるが、私もKさんも駒出川源頭部を全身で体感したくなったので、若干余計な登りが増えてしまうが今いる標高点977mから斜面を下って駒出川へ着地してしまうことにした。

標高差50m程下り、待ち受けていたのはParadise…。稜線で吹いていた風はぴたりとおさまり、じわじわと降り注ぐ陽光が暑いくらいだ。

樹氷がキラキラ光る小尾根で小休止。景色を存分に楽しむ。
辺り一面が、真っ白い雪に囲まれている。この場所が標高1,000mだとはにわかに信じがたい。
残雪期の立山ですかって感じ。(おおげさかな?笑)

光を吸収した雪は途端に重くなり、ラッセルの足が疲れる。

こんな広大な雪原をワカンで歩いているのがアンバランスだ。ここだけ切り取ればロケーションは山スキーだ。笑

白い世界。
ひたすら登ります。
振り返ると絶景。

疲れて牛歩だが、じっくり景色を堪能する。
粟ヶ岳サイコー!!

一本岳と粟ヶ岳の稜線は雪が固そうだったので手前でアイゼンに履き替えた。上がった瞬間、強風になった。

振り返ると、急峻な一本岳の稜線。尖ってますけど…。Kさんが「登る?」と尋ねてきたので、「また今度!」とお断りした。

一本岳の向こうに御神楽岳と青里岳が増える。

強風の中、粟ヶ岳へ向かうビクトリーロード。と思いきや、1箇所リッジがあって足が震えた。笑
突風で身体を揺らすのマジでやめてほしかった。落ちても仙見川へ転がるだけなんだけど…、足場が狭くて高度感のあるとこ苦手です!
Kさんに、「怖かった!」と素直な気持ちを伝えたら「え、どこが?」とそっけなく返されてしまった。

ビクトリーロード!!
ピロピロにストック刺すと、突然崩れるのやめてほしい。

振り返る山々が本当に美しい。川内山塊、まさに魔境である。
2021年に行った五剣谷岳をはじめとして、1200m級の山域の盟主である青里岳や矢筈岳が凛々しく聳える。標高が低いものの地形は急峻で迫力がある。

川内山塊の山々

ラストの急登、最後は雪庇越え。

急登&プチ雪庇
飯豊連峰が美しい

12:00粟ヶ岳着。

到着!

人はおらず、北峰方面へ伸びるトレースが1つだけあった。
風が強い中、景色をたっぷり堪能し、名残惜しいが下山に取り掛かる。

この辺りも素晴らしい絶景。1200m級の山だとは思えない。

広大です
牛の背

粟ヶ岳から、誰かのトレースを期待していたが、残念ながらトレース皆無。
ウサギトレースを追いかけながら、重い雪に足跡を残す。

16:00前、北五百川登山口到着。ながーい道路歩きをこなし、17:10周回完了。

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