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山スキー上信越

布引山 イグルー女子会

上信越

2022年2月26日(土)
6:25 宝川温泉 – 9:00 板幽沢出合 – 14:05 布引山

2022年2月27日(日)
6:35 布引山 – 7:35 布引沢出合 – 9:00 初沢出合 – 10:15 宝川温泉

メンバー : 3人(Waka , おはる , テラ)

天気 : 1日目:晴れ 2日目:晴れ、次第に雲量増えて10時過ぎより降雪

気象庁 過去の天気図

雪の状態 : 初日は湿雪、重い雪。朝日岳南の東側急斜面にて面発生雪崩の跡を2つ確認。点発生雪崩の跡多数。
2日目の朝はモナカのような雪。下山中、宝川林道の南側急斜面にて26日の昼以降に発生したと思われる新しい点発生雪崩の跡を多数目撃。

powder search

今日は女子3人でイグルー山行。
当初は宝川から朝日岳を越えて上越国境を横断する計画だったが、計画縮小して布引山でのんびりイグルー泊となった。

全知全能の山ガール「おはる」と、おはるのパートナーの「テラ」の3人。テラはスプリットボーダーでボーダーと山をご一緒するのは初めてなので楽しみだ。

宝川温泉手前の広い路肩に車を停める。

支度を始めて、速攻、テラのザックの小ささに驚いた。
30ℓに1泊2日の装備を納めている。持ってみたら軽くて、私の普段の日帰り山スキーと同じくらいじゃないか?って思う。
軽量化、私も多少は気にしていたつもりだったが、客観的に見ればまるで出来ていなかったようだ。ここまで大きな違いが出るとは思ってもいなかった。とっても衝撃を受けた!

大きな違いはザックのサイズ、そして写真写り。(左テラ、右Waka)
おはる愛用のゴム手袋。

支度を済ませて6時半頃に登山開始。
スタートする頃に、単独の男性が駐車してきた。どこ行くか尋ねられたので「朝日岳です。」と答えた。どうやら男性の目的地も同じらしい。私たちはお先に出発する。

林道に上がるとトレースはない。テラがトップで進んでゆく。
歩くには退屈な林道だが、周囲の景色を楽しみながらワイワイ歩いてゆく。

マカロン!ではしゃぐテラ

そのうちトンネルに到着。入口と思わしき場所は、ただの雪山となっていて、よく分からない。様子を見に行ったおはるが、スコップでトンネルの入口が現れるまで雪を掘り始めた。
ポッカリと出てきた「穴」に滑り込んで、内部の偵察へ行ってくれた。向こう側が明るいから通れそうと声が聞こえてきたので、我々は後に続く。

穴に吸い込まれるおはる。

雪の滑り台はなかなか面白かったが、それでも全長3m強くらいはあったし、初見は結構怖いと思う。笑
先陣きって滑り込んだおはるは、さすが全知全能の山ガール師匠だ。

ムーミンのニョロニョロみたい

トンネルの前で後続の男性に追いつかれたが、その後一向に男性が来る気配はなく、どうやら穴に入らず引き返してしまったようだった。

トンネルを無事に突破すると、再び単調な林道が始まる。

ここら辺で、私は暑いなぁと思って、ニット帽から帽子に変えた。それをテラは見逃さなかった。「帽子はいらない!」との事だったw
軽量化オバサンは口うるさいのである。
テラはヘアバンドorヘルメット、おはるはヘルメットのみだった。帽子は服のフードで代用するとのこと。
私はヘルメット、帽子、ニット、バラクラバと、色々持ってきた。笑

テラが、Wakaのザックから次は何が出てくるか楽しみだなぁとほくそ笑んでいた。いやいや、もう無いよ。残念だけどね!

みんなで交代でラッセルしていくが、テラやおはるが結構前を歩いてくれて、なんやかんや私はあまり前を歩かなかった。2人とも普通に強いし、私が最近調子悪いのを気遣ってくれた?のかもしれん。とにかく2人とも、頼りになります・・・!

巨大キノコはっけーん☆

いやーそれにしてもカンカン照りで暑いなぁ、とジャケットを1枚脱いだ。
そしたら、なんと不運なことに軽量化のオニの目にとまってしまったようだ!

冬山でYシャツ着なくて良い!だって。これはまさか言われるとは思わなかったぞ。
私の服も一応山用だと反論しておいた。笑
テラが着てるのはfine trackの「メリノスピンサーモフーディ」ってやつ。フードがバラクラバ代わりにもなるし、快適らしい。
(帰って私のシャツの重さを測ったら282g +バラク52gだった。メリノスピンは205g。約130gも軽かった。これは確かにアリや。私も今度真似して買うことにした。笑)

ちなみにこのYシャツの下にも、2枚くらい着ていたが、今回脱ぐタイミングは無かったのでテラにバレることはなかった。

このYシャツは重いからダメらしい。

板幽沢出合を渡った辺りから林道を外れて、いよいよ尾根へと取り付く。

傾斜はさほどなく、快適なハイクアップだったが、好天のためか雪が湿っていて重かった。

高度を上げていくと次第に展望が開ていく。素晴らしい好天。左を向けば上州武尊山。振り返れば、私が先週歩いた笠ヶ岳を始め、燧ヶ岳や至仏山、平ヶ岳、日光白根が立ち並ぶ。

うしろに上州武尊山と日光白根山。
目前に朝日岳も見えてきた。

とっても気持ちが良い!

宝川を挟んで見える朝日岳がキラキラと眩しい。真っ白な雪に覆われた東面がとても魅力的でテラが「滑りたい!」と言っていた。

朝日岳バックに

時間がだいぶ押してしまったので、色々と打ち合わせをして当初の計画は諦めて布引山を目指すことにした。

素晴らしい稜線歩き、ここ最近悪天の冬壁ばかり登っているおはるが気持ちよさそうに歩いている。

平ヶ岳、至仏山、燧ヶ岳、笠ヶ岳をバックに
遥かなる稜線。奥に上越国境稜線の下津川山が見えてきた。
真っ白な雪にトレースを刻む

雪が良い今日のうちに樹林帯まで滑り降りてイグルー泊する予定だったが、ついつい稜線が気持ち良くて、稜線で泊まることに決定。

布引山の山頂で荷を下ろして今日の行動を終える。

イグルー作りに慣れているおはるリーダーのもと、せっせとイグルー作り。

イグルーからおはるを引っこ抜く。

私はブロック切り出し担当、テラが運んで、おはるがブロックを積み上げ、イグルーが形になってきた。

おはるが嬉しそう

最後の仕上げでテラが隙間風を防ぐべく、雪を塗りたくり補強をしていたが、最終的にイグルーというか雪の塊になってしまった。
かっこいいイグルーを完成させたかったおはるが悲しそうな表情をしていた・・・。

最後の仕上げでコンクリ補強工事を行うテラ

次第に日が暮れて、周囲の山々が赤く染まる。
明日は昼頃から荒天予報。素晴らしい山景色を今のうちに目に焼き付けた。

巻機山、下津川山など上越国境稜線の山がずらり。奥に八海山も見える
平ヶ岳、至仏山、燧ヶ岳、笠ヶ岳も赤く染まる。

晩ご飯は豪華に鍋パーティー。たらふく食べて幸せいっぱい。
イグルーはどれだけ火を起こしても結露しない。寒くもないし、とっても快適。

軽量化のオニは、アルファ米の袋を食器として使う。
イグルー快適!

夜は足が寒くて一回起きたけどそれ以降は快適に眠ることができた。

翌朝は4時過ぎに起床、6:30出発。

イグルーになんか住みついていた。

山頂から奥布引沢へドロップ。

硬い雪面だったが、2人は気持ちよさそうに滑降してゆく。
私からしたら、これはモナカ雪で、楽しむ余裕はありません。とりあえず転ばないように頑張った。笑
おはるのスキー滑降能力もずば抜けている。私1人だけド下手や!

朝日を背負っておはる滑降
テラの滑降!

快適?な斜面は源流部のみ。その後はひたすら右岸を斜滑降気味にトラバースしてゆく。

トラバースはスノーボードには大変なようで、テラが苦戦していた。
痺れを切らしたテラがスノーボードをスキーモードに変更。スプリットボードはハイクモードの状態でかかとを固定して、なんちゃってスキーみたいに出来るらしい。

テラはなんちゃってスキーでひたすらトラバース。普通のスキー板よりよっぽど扱いづらいだろうにカリカリ斜面も安定して進んでゆく。すごい技術と体幹だ・・・!

公式ではスプリットボードでスキーみたいに滑降するのは破損する危険性があるため推奨してないらしい。その使い方が公式でも確立されれば、スプリットボードはもっと使いやすくなりそうなのに。

滑降はほとんどおはるがルーファイしてくれた。なんと頼りになることか・・・。

地形図眺めながら順調に滑降
なんちゃってスキーでひたすら斜滑降するテラ

地形図上で懸念していたゴルジュ帯は埋まっており、引き続き斜滑降して順調に突破。

布引沢出合付近で右岸から左岸へ渡り、標高点1,198m周辺の、沢を挟んで東にある緩やかな斜面を林道に向かって滑り降りる。

テラはなんちゃってスキーで怒涛の八の字滑降。もはやスキーヤーである。
てかやっぱり技術力すごい。笑
私は最後尾で一生懸命みんなについていく。

登り返しでちょいラッセル
林道に合流

林道に合流し、昨日歩いてきた道を引き返す。昨日の時点ではなかった新たな点発生雪崩がそこかしこにあった。

カモシーがいた

スッキリと晴れていた空は次第に曇っていき10時過ぎにとうとう雪が降り出した。

10:15、宝川温泉付近の駐車地点に無事帰着。

2人ともありがとう!

・・・

私は2019年の夏にちょろっと北アルプスの薬師沢小屋でアルバイトをしていた。その時に、ある方から数年前に若い女の子たちが増水した上ノ廊下を遡行してきて、すごく印象に残っているという話を聞いた。みんな凛とした佇まいで、カッコ良くて、こんなに自立した女の子の山屋は珍しいと。Wakaもこんな山屋になりなさい。みたいなことを言われた記憶がある。
当時は、私が知らないだけで、世の中には強い女子がたくさんいるんだなぁと思った。

そして、今になって気づいたのが、その女子パーティーのリーダーが他でもないおはるの事だったのだ。
うん、やっぱり世間は狭いのかもしれない。笑

おはるは当時の記録を2015年の岳人No818に投稿している。
持っている人はぜひ読んでみてください。

「山では女は男よりも弱い。」
以前の私もそれで悩んでいた時期があった。というより、ほとんどの山女子が一度は悩むテーマかもしれない。笑

でも、今となっては実際にはそうでもないことを私ははっきりと知っている。
(また、こういうのは女子本人の心で悩むべきテーマでもある。もし、周囲に差別的に、そういう扱いや言葉を向けてくるメンズがいて、不快に思うなら即刻距離を置くべきだ。)

おはる、テラと一緒に山へ行けて良かった。
2人とも、強くてカッコ良い、頼りになる女子です。

今回、テラの軽量化能力にもとても驚いた。
私は、「担げて体力があるのが一番」だと思っていた。確かにそれがベストかもしれないが、だからと言って、無駄な荷物を無駄に持っていくのが良い訳ではない。

洗練された2人の装備を間近に眺めて、自分の無駄の多さに気づくことができた。

自分の装備も出来る範囲から少しづつ見直していこうと思った。
山は体力だけではない。いろいろな創意工夫が強さをつくると思った。

とっても楽しく、刺激的な2日間でした。またよろしくね!

【宣伝】
テラのインスタグラム→@terako2580

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コメント ☆お気軽にコメントください☆

  1. 今回も面白く読ませていただきました。
    山スキーの魅力、伝わってきます!

    • ありがとうございます。
      山スキー楽しいですよ〜!(*^◯^*)

  2. 山用ワイシャツは山屋っぽくて好き

    • ありがとうございますw

登山ガイドWaka
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