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尾瀬・南会津山スキー

奥只見の春 ブナの森を歩く

尾瀬・南会津

日 時 2021年3月27日(土)

山 域 奥只見 村杉半島

目 的 山スキ

行 程
2021年3月27日(土)
7:00 奥只見丸山スキー場 – 9:10 橋 – 11:40 引き返し – 12:50 橋 – 15:15 奥只見丸山スキー場 (合計時間 : 8h15m)

人 数 2人

天 気 晴れ

気象庁過去の天気図 3/27 9:00

雪 の 状 態
林道デブリは落ちきっておらず。ザラメ。

先日、ようやくシルバーラインが開通し奥只見ダムまで入れるようになった。
山仲間のKさんと相談して、村杉半島を歩いてみることにした。

村杉半島は、奥只見の田子倉湖に囲まれ、半島のように孤立した場所である。
先行するイメージでは、人が寄りつかず、薄暗くおどろおどろしさを感じていた。
村杉半島の先端部分には送電線がはしっている。それは同時に人が資材等を搬入して、立ち入ったということでもある。意外と人臭い場所なのかもしれない。

そんな印象を抱きながら初めて歩いた訳だが、実際に端っこを歩いてみてそのイメージは払拭された。

そこには、ダムに囲まれているからこそ守られている大自然が広がっていた。

雪壁を越えて林道へ

奥只見丸山スキー場から雪の斜面をシートラーゲンで降り、林道に降り立つ。

歩く

おそらく普通のスキーヤーならばここは滑降して、林道でシールをセットする流れだろうが、私もKさんもいつも自宅でシールを板に貼り付けてしまう。
ここだけの為にシールオフするのも億劫なのでスキーヤーではあるが、せっかくの斜面を歩いて降った。

林道に降り立つ

朝一番カリカリの林道、デブリの片斜面トラバースを危惧して私は早々にクトーを装着したが、しばらく歩いて特に必要な場面もなくすぐに外した。

いったん林道から河原へ降りる

それでも残雪期の今は、あちこちにデブリ。

斜面の雪崩は完全に落ちきっておらず、見上げた雪面に走るクラックに恐怖を感じながらそそくさと通過する。

時折河原に降りたり、ルーファイして歩きやすい場所を見極めながら進んでいく。

河原が歩けないので再び林道へ
堰堤の突破
スコップで階段を作る
ポモカが壊れた
ひとまずテーピングで応急処置をした

突然、Kさんのポモカが破損。まだ使用2回目だというのに。
後から別の山仲間に話を聞いたところ、ポモカは軽量で薄い分、トップとテールが壊れやすいそうだ。色々と対策が必要らしい。
テールも枝に引っかかっただけで千切れる時があるとかなんとか・・・。
とりあえずテーピングで応急処置を施し先へ進む。

歩きやすくなった

河原には無数の動物のトレース。
人間が雪山登山でトレースを刻んでいくように、何度も往来を重ねた動物たちの足跡は雪の上にくっきりと道路を作り出していた。

橋を渡る

いまだかつてみたことのない足跡の多さに感激しながら、只見川にかかる橋を渡り村杉半島の付け根に到着する。

只見川にかかる橋にも動物のトレースが無数に刻まれている。

最近、山歩きをしていて気づいたのは、人間が山に残したものが、意外とそこで暮らす生き物たちにとっても大事なインフラとなっていることだ。

ただ純粋にそこに暮らす動物達と同じ道を歩けていることが私は嬉しかったりする。
彼らも私と同じで、藪漕ぎや渡渉は面倒に思っていて、やっぱり快適な道が一番好きなのかなと想像を膨らませると、ついついクスッとなってしまう。

対岸へ渡ると毛猛山が見えた。
穏やかなブナ林が広がる

村杉半島取り付きまではデブリやなんやでスキーよりも歩いた方が早そうだったが、付け根まで来るとようやく穏やかなブナ林が広がった。

いよいよ山スキーも活躍しそうだ。

ダムに囲まれた静かな場所

村杉のブナは、他の山域とはまた違う雰囲気を持っている。
樹間が広く、そして天高く真っ直ぐ上に伸びている。

ブナの木々が私たちを見下ろしている
未丈ヶ岳をバックに

まるで自分が小人になったような気分。

気持ちの良い場所だ

ブナの木々の間をちょこまかと、歩いて高度を稼ぐ。
今日は、ピークハントはせずに、のんびりと村杉の自然を堪能するプランだ。

未丈ヶ岳

振り返ると、未丈ヶ岳が私たちを見守っている。

大鳥岳
向かって左が桧岳。右が毛猛山。

その隣には大鳥岳、毛猛山、桧岳が見える。
未丈ヶ岳はどっしりと幅広く一見穏やかな山容をしているが、よくよく見るとその山腹にはいくつもの沢筋が刻まれ、ゴツゴツと厳ついオーラを放っている。続く毛猛連山は山自体も鋭利で険しい形をしている。

雪のついた山々は実に格好良く、いつかは登りたい気持ちにさせられた。

ブナを感じる
暖かい

山々の良く見える場所でのんびりと休憩し、ブナと触れ合う。
そのうち昼も近くなったので滑降準備に取り掛かる。

スキーは早い

あれほど時間をかけて登った斜面はあっという間に降ってしまった。

林道を引き返す

途中から再びシールをつけて、のんびりと林道を引き返す。

デブリを越えて

林道脇のクラック斜面はやはり怖い。
1箇所、いつ崩れてもおかしくないような場所もあった。
心臓をドキドキさせ、無事に通過。

只見川を見下ろす。左上に続くのは袖沢。会津駒ヶ岳へと続いている。
高幽山が見えた

駐車場に向けて急登をハイクアップし、無事下山。

越後駒ヶ岳(クリックして拡大)

帰りがけ、シルバーライン途中から越後駒ヶ岳を眺めた。

越後駒ヶ岳ズーム(クリックして拡大)

山頂から右に伸びる真っ白い尾根、その手前、黒々とした岩壁を抱えた同じく右に伸びる尾根が郡界尾根。郡界尾根の奥に隠れているがオツルミズ沢が山頂へ伸びている。手前の郡界尾根に向かって伸びているのは佐梨川流域の沢たち。どす黒い絶壁の金山沢奥壁も見える。

越後駒ヶ岳も登ったことがないので早急に登りたい

初めて歩いた村杉半島は、予想以上に素晴らしい場所だった。
本心から「何回も通ってみたい」と思った場所だ。
春夏秋冬 、色々なシーズンに赴いて、その時々の自然を楽しめたらどんなに素敵だろうか。
今回は村杉の端っこしか歩けなかったので、ちょっぴり名残惜しくなった。
次はのんびりと泊まりに行きたい。

今回の山行をきっかけにこんな本を購入してみた。

「哺乳類のフィールドサイン観察ガイド」
雪面に残される足跡の他、糞の特徴や山中に残された痕跡をもとに野生動物を特定していく為の本だ。
動物の写真も可愛く、癒し要素もあり読んでいて楽しかった。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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