日 時 2021年3月6日(土) 〜 7日(日)
山 域 南会津
目 的 山スキー
行 程
2021年3月6日(土)
8:50 駐車地点 – 11:15 標高点1,308m – 12:25 標高点1,699m – 12:55 三岩岳避難小屋 (合計時間 : 4h05m)
2021年3月7日(日)
5:50 三岩岳避難小屋 – 6:50 三岩岳(約1h休憩) 7:45 – 8:45 標高点1,739m – 9:45 窓明山(約1h休憩) 10:55 – 11:10 標高点1,436m – 11:55 家向山(いえむきやま) 12:00 – 12:30 巽沢山(たつみさわやま) – 13:05 下山 (合計時間 : 7h15m)
※2日目は休憩時間長めです。
人 数 2人
天 気 初日は風雨のホワイトアウト。(標高1,400m上よりみぞれ雪に) 2日目は日の出前後は雲海が広がるが次第に晴れる。弱風、気温高め。
雪 の 状 態
初日は冷えたザラメ。吹き溜りは軽く締まった雪。
2日目早朝〜午前中はカリカリ(分厚いモナカ)。昼あたりよりザラメ雪。標高を落としていくとグサグサ雪に。
G P S ロ グ
距離 : 14.6km 累計高度(+) : 1,646m 累計高度(-) : 1,649m
一泊二日で、南会津の三岩岳〜窓明山の周回を行った。
本来の計画では大戸沢岳東尾根から入る予定だったが、翌日の朝あまりにも眠くて少し寝坊。
よって一番の目標である三岩岳へ直接向かうことにした。
朝8時過ぎに、三岩岳の登山口へ到着。
どんよりとした空からはポツポツと小雨が降っている。
雨予報は想定内だったが、いざ目の当たりにするとやはり良い気分ではない。
あまりに酷くなるようだったら途中で引き返し、翌日同ルートを日帰りで行く事にした。
8:50、登山開始。
最初の急登をジグを切りハイクアップしていく。
私は寝不足のせいなのかまるで気分があがらず、ぼんやりとKさんの後をついていく。
集中力皆無、何度かコケる。
普段から亀ペースだが、今回はひときわ亀に拍車がかかっていたことだろう。
尾根へ乗り上げると多少傾斜が落ち着いた。
ここの尾根は昨年の8月にも歩いたことがある。
その時はミチギノ沢へ下降、御神楽沢を遡行して会津駒ヶ岳へと詰めた。(当時の山行記録はこちら)
山仲間のSさんが、かなり汗だくになりながらこの尾根を登っていた姿が懐かしい。
標高を上げる程に天候は悪化してゆく。
標高1,400m付近から雨の中に雪が混じるようになった。
樹林がまばらになると今度は風が強く吹き付けるようなる。
本来の計画、大戸沢岳から歩かなくて良かったかもしれない。
この天候で稜線歩きはなかなかしんどいだろう。
朝の強烈な睡魔は、きっと山の神様が「無理するな」と私たちに伝えたかったのかもしれない。
今回の山行で「雨ガッパ」を持って行こうか迷っていたが結局持って来なかった。
やはりこの時期、この天候なら、持ってきた方が良かったかなと少し後悔。
時折雨は本降りになるが、今のところ冬山ジャケットの浸透もそこまで酷くない。
幸いにも身体もそこまで冷えておらず避難小屋まで問題無く辿りつけそうだ。
しかしバラクラバの隙間から地肌に当たる風はかなり冷たく、ヒリヒリ痺れる。
うっかり凍傷とかにならないように気をつけなければ。
降雨(降雪)は一向におさまらず、ブナの木々がガスの中にぼんやりと見える他、展望は何も無い。
GPSやコンパスで方向確認しつつハイクアップをしていく。
いつの間にか降雨から降雪に完全に変わっていた。
12:55三岩岳避難小屋に到着。
夏歩いた時は、全てが見えていた避難小屋も、今はすっかり雪の中。
屋根近くまで埋没していたが、2階の出入り口は容易く掘り返すことが出来た。
もし避難小屋が使えなかった場合は雪洞でも掘ろうかと考えていたが、寒くて気が進まなかったので小屋が使えてよかった。
窓から中へ入り、1階へ。
スキーブーツがよく滑る。ここで滑落事故を起こさないように慎重に行動する。
避難小屋内部は快適。
それでも結構寒い。
ついついシュラフにくるまりながら晩ご飯を食べてしまった。
朝はぼんやりと憂鬱な気分だったが、今はすっかり回復。Kさんと会話が弾む。
せっかく山にいるのだから、やっぱり楽しい気分が一番だ。
お腹を満たしたところで就寝。
翌朝4:30起床。5:50避難小屋出発。
次第に暖かな色に変わっていく山々を眺めながら三岩岳を目指す。
やっぱりこの時間が大好きだ。
風雪に磨かれた雪面が光っている。
クトーをつけた板で、ザクザクと雪を踏みながら進んでゆく。
6:50三岩岳の山頂へ。
あれ、よく見たら会津駒ヶ岳の後ろに見えるのは燧ヶ岳ではなかろうか。
目線の先には南会津の盟主たち。
今日は1日好天予報。この後、続々と皆んなが登ってくる事だろう。
賑わう前の静かなひと時。
展望があまりにも美しいので、ついついKさんと「やっぱり会津駒ヶ岳方面に縦走しちゃおうか」と話し合う。
裏越後三山や会津駒ヶ岳を眺めながらの稜線漫歩は魅力的だが、窓明山方面へ歩けば会津朝日岳や飯豊連峰を眺めながら歩ける。こっちだって負けずと魅力的だ。
やっぱり計画通り、窓明方面へ歩くことにした。
会津駒ヶ岳や大戸沢岳はまた今度、機会があるときに歩こう。
三岩岳よりやや南西にあるポコまで歩き展望を楽しみ、いよいよシールを剥がして滑降開始。
本来はミチギノ沢へ降って、窓明山の西尾根を登り返すプランだったが、雪面がカチカチで沢へ滑っても面白くなさそうだったので今回は稜線歩きを楽しむ事にした。
本来このルートは日帰りで間に合うが、今回私たちは1泊2日だ。
時間はたっぷりある。こうなったらとことん満喫して帰ろうではないか。
窓明山へ向かう稜線は東に雪庇が発達しているので、西寄りの樹林帯の中を進んで行く。
風の影響で地面に起伏があり、シール歩行がなかなかテクニカル。
途中までは頑張っていたが、いよいよ歩いた方が早くないか?って事になりシートラーゲンに変更。
朝の雲海も今ではすっかり晴れて、山々の展望が一層ハッキリと見える。
振り返ると、針葉樹の疎林を抱えた三岩岳。3週間前に歩いた会津朝日岳から見えた三岩岳の斜面はかなり魅力的だった。
早速、こちらも歩く事が出来て良かった。
9:45、窓明山へ到着。
Kさんがスコップで雪を掘って腰掛けを作ってくれた。
せっかくの快晴弱風。ノンビリと展望を楽しむ。
奥利根の山々が同定出来ないのが悔しい。そのうちに歩きにいかなければ。
10:55、いよいよ滑降開始。
滑り始めはカチカチだったが、標高を少し下げるといつの間にやら雪も緩み快適なザラメとなっていた。
道中、家向山に寄り道しつつ順調に降る。
巽沢山下部より尾根は細く急になっていった。
途中で隣の沢に逃げて、どうにか無事下山。
三岩岳は、山スキーでいつか歩きたいと思っていた場所の1つだ。
初日は荒天だったものの2日目は素晴らしい天気に恵まれて良かった。
昨年の8月に歩いた道を、今度は冬に歩く。
当時撮影した写真と比べると避難小屋を初め、雰囲気がまるで違うことに驚いた。
やっぱり山は奥が深い。
1つのルートを1度歩いただけでは、その山の1つの側面を知っただけに過ぎない。
山をより深く理解する為にはその山をもっと多面的に見る必要がある。
色々なルートを季節を変えて、たくさん歩かなければいけないと思った。
まだまだ私も力不足だ。どんな山も縦横無尽に歩けるように、少しずつレベルアップしていきたい。
窓明山から続く稜線、丸山岳や火奴山、会津朝日岳。奥只見の未丈ヶ岳や毛猛山。
奥利根の山々、平ヶ岳や下津川山。
歩いた稜線から見えた山々はまだ行ったことのない場所がほとんどだった。
今回改めてその山容を目の当たりにして、やっぱり「いつか行きたいな」と思った。
今度は向こうの山から三岩岳を眺めてみたい。
↓山座同定