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東北沢登り

東北 南八幡平 葛根田川 〜 明通沢下降

東北

日 時 2020年9月21日(月)〜22日(火)
山 域 東北 南八幡平
目 的 沢登り
コース 1日目:6:40滝ノ上駐車場
7:15入渓〜8:55お函〜10:10沼ノ沢出合〜10:50葛根田大滝〜12:00滝ノ又沢出合〜12:30大滝15m〜14:50Co930幕営地
2日目:7:00出発〜8:35二俣〜10:15湿原〜12:20明通沢出合〜13:25林道合流〜14:50滝ノ上駐車場
人 数 4人
天 気 曇り時々雨(1日目の午前中、時折降雨あり)

2020年9月 過去の天気図 気象庁

2020年9月 岩手県の過去の天気 tenki.jp

葛根田 2020年9月 降水量 気象庁

※葛根田本流部分、大きくログが飛んでいます。実際はしっかり水線上を遡行しています。

東北の山歩き3日目。1泊2日で南八幡平の葛根田川〜明通沢を遡行。

前日

前日の夜のうちに、起点となる岩手県雫石町の「滝ノ上駐車場」に移動。
ここは、乳頭山や三ツ石山の登山口でもある。
トイレあり、無料開放の休憩スペースありで、非常に快適な場所だった。

1日目

朝一番の空気はキリッと冷え込んでいる。
もう夏の気配はとうになくなり、いつの間にか秋の空気に包まれている。

準備を済ませ、6:40出発。葛根田地熱発電所脇の車道を歩いていく。

車道の終点あたりで葛根田川に入渓。
傾斜の緩い場所が中々見当たらず、急な土斜面を草を掴みつつ慎重にクライムダウン。

本流の水深は深くても膝くらいだが、河原いっぱいに流れが広がっているので、どこを歩いても、水流に逆らって歩く必要がある。
勢いのある水圧で積雪期にラッセルしているかのような気持ちになってくる。

堰堤の端っこを乗り越え、河原を順調に遡行していく。

空はどんよりと重たい曇り空。時折、雨がパラつく。

7:45、明通沢出合まであと少しのところで、雨が勢いを増して降り出した。
15分程、休憩がてら雨が弱まるまで待機。

8:05、明通沢出合。連なるナメ・釜を抱える素晴らしい出合だった。

出合を過ぎてからは、水量も落ち着き、ナメ床も増えたので歩きやすくなる。
水は透き通っており、沢底までくっきりと見える。

ちょこちょこ脇に現れる支流は1つ1つが立派な滝になっており、どれも美しい。
高い場所からよどみなく水を流し続けるナメ滝は圧巻。

程なくして、河原の様相は影を潜め、滝が現れる。
おそらく、ここら一帯が葛根田川の見所である「お函」だろう。
岩の間を轟々と勢い良く流れる水流。右岸のバンドを歩いて進む。

水流によって削られた岩盤が迫力のある渓相を作り出している。
Sさんが「大渓谷だ!」と言った。
素晴らしい景観に全員が興奮する。

お函を過ぎると、再び穏やかな渓相になる。
ナメをゆったりと水が流れている。

そしてやはり支流の沢が1つ1つ大きくて圧巻だった。

大石沢出合
沼ノ沢出合
葛根田大滝

中ノ又沢出合を過ぎると、葛根田大滝が現れる。

前衛2m滝を左岸より上がる。
2段目も左岸からよじ登る。泥つきで少し怖い。先行したMちゃんが上のテラスからお助けロープを出してくれた。
その先も浮石多数で気は抜けない。やや右側にトラバースすると、残置ロープを発見した。
上部に踏み跡があり、あっさりと高巻く事が出来た。

葛根田大滝を越えると、しばらくは平凡な渓相が続く。

12:00滝ノ又沢出合を越えて、その先の二俣を右俣へ入る。

15m滝

12:30、すぐ15m滝が現れる。
水線直登は厳しそうなので、右岸の尾根地形より高巻き。
ほぼ直登気味に高度を稼ぐ。上部は藪がうるさい。笹や灌木を掴みながら下降。

降り立った先には、早速次の滝が現れる。
倒木を携えた4m滝。
先ほど、まとめて高巻くかどうかの話し合いがあったが、こちらの滝は直登突破する事となった。

倒木の4m滝

Kさんがリード、ザックを荷揚げ後に、後続が登る。

記録を読むと、倒木をよじ登ったり、高巻きしたり、ノーザイルで登ったりと、滝の突破方法も十人十色のようだ。
人によってルート取りは様々。そんな、沢登りの自由なところが私は好きだ。

滝を越えると、穏やかなナメ床に。

男性陣は幕営地を探すために先行、私とMちゃんは釣り上がる事とした。

水深は浅いものの、あちらこちらで魚影が見える。
すぐにかかったものの、残念ながら2回離してしまった。
(集中力が足りなかった・・・。)
結果的に今晩の食事はMちゃんの釣り上げたイワナ2匹をいただいた。

少し上流へ歩くと、イワナが4匹連なって泳いでいたり、岩陰にピュンピュンと5匹程飛び込んでいく姿が見えた。
どれも小さいイワナだが、どうやらここら辺には沢山暮らしているようだ。

竿をふろうかと思ったが、倒木が多く、両サイドの藪も近くて中々難しい。
おまけに毛針を3つも無くしてしまい、テンションだだ下がり。
こういう場所でも上手く釣れるようになりたいものだ。

14:50、CO930の幕営地到着。
少し休憩して、下流へ再び釣りに行くも、先ほどとうって変わって全く魚影が見られなくなってしまった。
おまけに、辺りが急激に冷え込んできてかなり寒い。
やる気のかけらも湧き上がらなくなってしまったので、そうそうに諦めて私は薪集めに徹した。
(ちょっと申し訳なかったので、いつもよりも頑張って薪を集めた。)

Kさんが、安定の焚き火起こし。
火はやっぱり良い。冷えた身体がほっこり温まった。

夜は22時頃まで山の話で盛り上がった。

イワナの塩焼きはもちろん、美味しかった。

2日目

7:00幕営地出発。

支流の30mナメ滝

出発してすぐは倒木などでやや荒れた渓相だが、またまた支流の見事な30mナメ滝に驚かされる。

その後、10m3段ナメ滝。左岸を浮石に気をつけながら直登。

15m滝

7:35、15m滝。

Kさんが右岸をリードで登る。中段でハーケン1枚使用。

次第に沢幅は狭くなり源流の様相に。
上部も良いナメが続く。ハスラーなら走行出来そうだ。
ゆるゆると高度を上げていく。

9:25、CO1,200m辺りから藪藪しくなってくる。
程なくして本格的な笹こぎに。
しばらくは沢筋を忠実に辿っていくが、しばらくして、途絶える。

コンパスを合わせて、ただひたすらに進む。
笹をガッツリ漕ぎながら湿原を目指すも中々現れない。

10:10、CO1,235m先行しているSさんが、「見えた!」と喜びの声を上げる。
猛烈な藪を漕いで約30分、ついに八幡平の湿原に到着した。

photo by Mちゃん

激藪から突如として現れた、湿原。
その空間はまるで別世界から切り取られたかのよう。非常に穏やかだ
私たち以外には誰一人として居ない。
まさに「秘境」と呼べる空間だった。

photo by Mちゃん

足元を見ると、オヤマリンドウが花を咲かせていた。

八幡平の山々

しばらく休憩をはさみ、明通沢へ向けて下降を開始する。

こちらでもコンパス を合わせて、ひたすら進んでいく。
上部の藪は非常に強烈で、降りだから良かったものの、もし登りで利用するならかなりキツいと思う。

しばらく下降を続けると、小さな沢型に合流。
程なくして、水が流れ始める。

11:20、CO1,120mで二俣合流。

数メートル進むとナメ床になり、最初の滝。
左岸側を懸垂下降。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
photo by Mちゃん

下降するにつれ、美しいナメの渓相が増えていく。

その後、3回懸垂下降で降る。
懸垂を終えロープをしまったら、早速次の滝が現れる事があったので、先に降った人が先を偵察しながら進んでいく。

15m滝の懸垂

ラストの懸垂下降は15m滝。
40mロープを使用したが、長さはギリギリくらい。

明通沢出合

12:20、明通沢出合。
私たちの下降した支流は青い沢床。合流した本流は赤みを帯びた沢床。
色の調和が見事だった。

13:25目前に橋が現れる。林道合流。
当初は、沢を下降する予定だったが、時間が押していたので林道より下山する事に。

部分的に草がボウボウ、泥々の箇所があるものの、全体を通して歩きやすく、非常に快適だった。(真夏に歩く場合は害虫に注意が必要かもしれないが。)

14:50滝ノ上駐車場、無事帰着。

↓前日の記録

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