2024年5月、名古屋コーチンのリボンが亡くなりました。
家に来た時は1歳、それから約半年後の出来事でした。
リボンの思い出を残します。
お家にやってきた
2023年9月、5羽のニワトリを施設から譲っていただきました。
リボンはそのうちの1羽で最初に名前をつけたニワトリです。
家に来たばかりのニワトリたちは警戒心が強く、抱っこしてもバタバタ暴れ、私たちから逃げ回ります。リボンはとても大人しくて、私が抱っこしても暴れませんでした。
今思えば、リボンは5羽の中でもっともストレスを感じやすく、疲れ切って動けなかっただけなのかもしれません…。
いじめられっ子
ニワトリたちは施設のケージで暮らしており、ストレスから最初は羽が抜けていました。
ニワトリ内でイジメ問題もありました。
リボンは臆病で、5羽の中で一番弱かったので、黄斑プリマスロックのモモによく虐められていました。
うちに来て数日の間はいじめが激しく、大量の羽を毟られてしまいました。
見かねた私たちはリボンのみ隔離して対策しました。
リボンは遊ぶのが大好きです。草刈りした雑草を庭の片隅に置いておいたら、その中が気に入ってしまったのか、丸1日藪の隙間に入り込んで出てきませんでした。
豪雨の日に外で遊んでびしょ濡れになっていた時は驚きました。夫がびしょ濡れのリボンを心配してドライヤーで乾かしたら、虚無の表情になってしまったと言っていました。
私が外出している時の話です。リボンは相当ストレスに感じたことでしょう。好きで濡れたんだから、乾かさなくて良いと厳重注意しました。
リボンは弱いけれど、キリッと鋭い目つきのニワトリです。
リボンはトサカがひときわ小さいです。トサカが小さいニワトリはいじめられやすいそうです。
時間が経っても、いじめれるので、トサカにテープを巻いて大きく見せてみましたが、効果はなかったです。
でも、そのうちにみんなに馴染んでいってよかったです。
たまご
施設から引き取ってから、モモ以外のニワトリはあまり卵を産みませんでした。
夫が色々調べたり、施設の人にアドバイスを貰って、環境を改善していくと、リボンも卵を産むようになりました!
頻繁に産んでくれておいしくいただきました。
雪
住んでいる南魚沼市は豪雪地帯です。
初冬にはもう雪が積りましたが、ちょっとくらいなら上を歩いていました。
数センチ積もるとさすがに歩かないので、ニワトリ用に庭を少し除雪したり…。
ミミズ
リボンやドリル、モモはミミズが大好きです。
スコップで庭の穴を掘ると寄ってきて、ミミズを狙います。
でも、リボンは弱いのでモモ達に奪われることが多かったです。
他のニワトリはミミズをすぐに飲み込みますが、リボンは、ミミズを何度もクチバシで突いて弱らせてから食べています。ハンターとしての本能なのか…。
リボンはスコップが石を叩いた時の金切り音が大嫌いで、よく警戒の鳴き声を発していました。
それにつられてみんなで合唱しているのが響き渡っていました。
コケーッ!コッコッコッコッ!コケーッ!コッコッコッコッ!コケーッ!コッコッコッコッ!
抱卵
2024年2月、リボンが産卵箱から動かなくなりました。
抱卵のようです。お腹の下には何もありませんが、卵を温めてるつもりになっています。
触るとグゥ!と怒られます。キリッとした眼差しは完全に母の顔…。
我が家には産卵箱が1つしかありません。他のメンドリたちが入れず、卵を産まなくなったので、ちょっと迷惑でした。笑
お局様
おこめとせんべいという2羽のヒヨコが大きくなったので、ニワトリ達と一緒にしました。
するとリボンが新入りの2羽を突っつきます。一番のいじめられっ子でしたが、自分より小さくて弱いコッコには態度が大きいです。笑
【動画】
この2羽はすくすく育ち、オスのニワトリになると、あっという間に立場は逆転して、リボンはまた最弱のニワトリになりました…。
闘病
2024年4月13日あたりからリボンの調子が悪くなります。
成長したおこめやせんべいと交尾したり、持っているミミズを他のニワトリたちに無理やり奪われると、ショックから、まるで放心状態となり「コ…コ…コ…」と抜け殻のような鳴き声を発したまま動かなくなってしまいます。
以前はこんなことありませんでした。
ショック状態の時は自力で立ち上がることすらしないので、私がリボンを立たせてニワトリ小屋へ連れてゆき、数時間、他のニワトリと隔離したりしました。
放心状態が目立つようになってから、元気がなくなり、次第に食欲がなくなってきました。
嘔吐や下痢をするようになったので、家の中で看病するようにしました。
いつものリボンなら、箱から飛び上がって脱走するはずですが、ずっとおとなしくしています。
食欲はゼロに近く、日々痩せていくリボン。
大好きなミミズやミルワームを与えると、目つきが変わって少しの間だけ食いつきが良くなりました。
ネットで一生懸命調べて、症状からそのう炎の可能性があると思いました。
病院に連れていくか迷いました。
ニワトリは、卵を産んでもらうために飼っているのに、動物病院で数千円を払うなら、そのお金でスーパーの卵をたくさん買えます。でも、ずっと一緒に過ごしてきた、大事な家族なので連れて行くことにしました。
以前、プリンスが足を悪くした時に診てもらった病院へ連れて行きました。
結果としては、きちんと診てもらえず、原因が何か分からず、プリンスの時と同じ抗生物質のお薬をもらっただけでした。
プリンスの足は結局治っていません。薄々感じていましたが、その病院では鳥はあまり詳しくないようです。
もらった抗生物質を与えているうちは、食欲は無いもののなんとなく元気が少し戻ったようにも見えます。
しかしもらったお薬はわずか1週間分。薬が尽きたらリボンが死んでしまうのは明白です。
リボンが元気になるためにはもっとたくさんの薬が必要です。
自分たちで調べて、「メガバクテリア」ではないかと疑います。
薬は市販されておらず、個人輸入することにしました。届くまで2週間かかります。
リボンが持ちこたえてくれるかわかりませんが、弱っていくリボンが回復するならと、購入しました。
このお金でスーパーで卵を何個買えるのか…。でもやっぱりリボンが元気になって欲しいです。
薬が尽きてからはヤキモキする毎日です。
時々、リボンを外でお散歩させました。
やっぱりお外が好きなのか、草を突っつくリボンは家の中にいるよりイキイキしていました。
弱っているリボンは魅力的に見えるのか、リボンの姿を見たおこめとせんべいが交尾するために突進してくるようになったので、リボンを散歩させている間は、おこめとせんべいを隔離するようにしました。
次第に痩せていくリボン。ちょっとのことで他のニワトリたちに蹴られると転んでそのまま立ち上がれなくなってしまいます。相当足の筋肉が失われています。絞めて食べるにも、食べる部位はほとんど残っていなそうです。
餌を目の前に出してもなかなか食べなくなってしまいました。
リボンの体調が悪いのをわかっていましたが、5月2日から泊まりで登山に行きました。
保温と餌、水を置いて、出発しました。
でも、途中でリボンの様子が気になってしまい、行程を短くして5月4日の朝に下山しました。
戻ってリボンの様子を見に行くと、出発前と同じ場所から1歩も動かず亡くなっていました。
なにか原因が分かるかもしれないと、夫が解体して、内臓の中身を確認しましたが、真っ黒でわかりませんでした。
数日前に解体したおこめと本当に同じニワトリなのかと思うくらいに痩せていて、「お肉」はまったくなく、立っているのもやっとだったと思います。
庭に穴を掘ってリボンを埋めました。
9月にきて8ヶ月程元気にしていたのに、体調を崩してからあっという間に亡くなりました。
早めに絞めて食べるべきだったのか、もっといろいろな動物病院を回るべきだったのか、何が正解だったのか。
リボンが亡くなって8日後、ようやく購入したお薬が届きました。
もう手遅れで、悲しくなりました。
ただ、ニワトリの病気は基本的に感染に関することが多いようにも感じるので、お薬は今後に備えてしっかり持っていようと思います。