2024年5月19日(金) 晴れ
駐車地点(9:15)-横沢-支流出合(12:40)-稜線(13:45)-九十谷地沢(14:20)-林道(16:00)-駐車地点(16:30) / 行動7h15m
メンバー : 2人(Waka , Kさん )
◎奥只見集成図によると、九十谷地沢の読みは「クドヤチ沢」
テンカラ釣りを始め、渓流釣りにお熱なKさんと黒又川支流へ。
最近は、朝はのんびり8時とかに起きて、のんびり近所の沢に行って、10時くらいに遡行開始して、小さな沢を行って往復して帰ってくるルーチンになっている。私は、正直釣りは大して熱心になれる訳でもないので、大体2時間も釣りをしていると飽きてしまう。
もう5月中旬を過ぎた。今年は雪が少ないので、そろそろ新潟で沢登りしても良いんじゃ無いかと思っていた。Kさんに、歩くだけの沢でも良いから今回は「沢登り」がしたいと伝えた。
行ってみたのは黒又川支流。
私は最近、「山を選ぶ」行為に疲れてしまった。色々と情報を調べて、行く山を悩んで決めるのが面倒臭い。シンプルに現地で山を眺めたり地形図を見て、適当に行きたいところに行くのが良い。
アクセスの林道は舗装されているものの、折れた枝や落石が随所に転がっておりパンクに気をつけながら進む。
車で行ける限界まで進み、終点と思われる広いスペースに駐車して遡行開始。
藪を漕ぎ降り立った横沢は河原で穏やかな渓相。
2人で竿を振るには少し狭いので代わりばんこに先頭を代わりながら歩くことにした。
小さなゴルジュ帯が出てきたりして、なかなか良い渓相だ。滝は1つも無い。



魚影はまずまず、だが水深が浅くクリアなので警戒心が強い。もう少し滝が多い方が釣りやすそうだと思った。道中、ヒットしたイワナが良いサイズだったので、2人でありがたくいただくことにした。
Kさんがテンカラで釣り上げた岩魚の中では、食べるのはこの個体が初。とっても美味しかった。
のんびり昼食を食べて、午後になったので、下山する。
Kさんが横沢を引き返すか、乗っこして九十谷地沢を下降するか、たずねてきたので、周回コースをお願いした。
乗っ越しに利用した支流は細く、ボサい。上部は急で泥っぽいので灌木を掴みながら慎重に。

ちょっとした緊張感が、足ならしには程よい。何にもないけど、楽しい。やっぱり私は「山を登る」行為が好きなんだろう。
詰めに差し掛かった頃、Kさんが、「Waka見て、後ろ良い景色だよ。」と言った。振り向けば、木々の向こうにもりもりと緑の山々。素晴らしい藪山の展望。いつも沢登りで眺めている新潟の展望。久々の高揚感。

藪の稜線で小休止し、尾根の反対側へくだる。
詰めた支流より傾斜は緩く、大きな滝もなく快適。やがて水の音が聞こえ、支流と合流し、間も無く九十谷地沢と合流した。降り立つとヒンヤリ空気が冷たい。上流を仰ぎ見ると、沢を埋め尽くす大きな雪渓が見えた。適当に降り立ったけれど、雪渓より下流に出ることができてラッキーだったかもしれない。

歩き始めると、足元で魚影が目立つ。Kさんが竿出す?と聞いてきたが時刻は14:30。のんびりせずに下山を急いだ方が良い気がする。
Kさんが「19時まで明るいから大丈夫だよ!」という。確かにそうだけれど、家に帰って放し飼いのニワトリを小屋に入れなければいけない。「帰りが遅くなってコッコたちが獣に襲われたらどうするの?」と返したら、そうだね。と納得してくれた。
九十谷地沢は横沢よりも勾配のある沢だが、地形図上で屈曲が少なく、何もない沢だと思っていた。
…が、両岸が高くなりゴルジュ地形になってゆく。小滝がポツポツ現れる。予想に反して険しい沢だ。
先行していたKさんが「雪渓がある!!」と叫んだ。沢のど真ん中に鎮座する雪渓。

上流の雪渓を見つけた時に、雪渓より下流に出られてラッキーだと思ったが、間違いだった。
この調子では、これから進む下流にも雪渓が潜んでいそうだ。
思った通り、雪渓はポコポコ現れる。さらにゴルジュや5m以上はありそうな滝のおまけ付き。
お気楽散歩のつもりだったのに、読みが外れてしまった。側壁は急で足場が悪いので、灌木様様。


こういう想定外のアクシデントはなかなか楽しい。Kさんも生き生きとした表情をしていた。
ゆる沢だと思っていたのに、完全に騙された。笑

九十谷地沢は沢幅が狭い。つまり雪渓が詰まりやすいということか。沢に屈曲はないものの勾配が急なので滝があるということだったのかも。それに九十の「谷」って、名前が怪しい。笑
今後に生かせるかも?な反省をしながら下降する。
Kさんは完全にゆる沢想定だったのか、ノーヘルだ。よく「釣り師はヘルメットをしないから危ない!」とブーブー言っているけど、それあんたや!と思う。笑


こんな小さな沢だけれど、れっきとした越後の沢で、毛猛の端っこなだけある。足を滑らしたら普通に危険なので油断は出来ない。

雪渓を3つくらい、滝を数回高巻いたら、やや急なゴーロ帯が続くようになる。やがて地形図上に表記のない堰堤まで降りてきた。伏流しており一面河原が広がっている。

ここまで来たらもう難所はない雰囲気だ。
下流には、昔の水路の残骸?が転がっていた。地形図上だとここらに滝マークがあるが、滝は存在せずゴーロが続いていた。

16:00、林道合流。
Kさんが「駐車場まで横沢遡行して帰る?19:00まで明るいから…。」と言ってきた。釣りがしたいのだろうけど、「や、ニワトリ心配だから舗装路から帰る!」と突っぱねた。今日はお腹いっぱいかな。笑
ちょうど昨日はmt-sumさん御一行と山菜BBQを楽しんでいた。今まで採ったことのない山菜をいくつか教えてもらって、ちょうど、林道脇にその子たちを見かけたのでせっかくなので少々いただく。採れる山菜のレパートリーが増えたことが嬉しい。
16:30駐車地点着。
夕暮れ時、ヤブ蚊の猛襲に遭う。急いで着替え、逃げるように駐車場を後にした。
小さな沢なのに、昨年歩いた南アルプス信濃又河内や、北アルプスの小倉谷より要所要所での巻きが悪く感じた。やっぱり入渓者が少ない、踏み跡が無いことで沢の難度はちっと上がるのだと思う。
わざわざ遠出しなくとも新潟には手頃で良い沢がいっぱいある。少なくとも私にとっては充分かもしれない。改めて、恵まれた環境に感謝。引っ越してきてよかった。
昨年は全然沢登りに行けなかった。今年は仕事を少なくした(つもり)なので代わりに個人山行を充実させていきたい!