2021年11月20日(土)
4:40 倉手山登山口 – 5:30 飯豊山荘 – 12:00 梶川峰 – 14:00 門内小屋
2021年11月21日(日)
4:20 門内小屋 – 5:50 北股岳 6:30 – 7:20 門内小屋 7:50 – 9:00 地神山 – 13:10 飯豊山荘 – 14:15 倉手山登山口
メンバー : 2人(Waka、Kさん)
天気 : 晴れ(両日共)
稜線の気温:-4〜5度
昨年の秋、初めて飯豊の山を歩いた。当時は体力不足のため目指していたピークまで行けずに途中撤退となってしまった。(昨年の記録)それでも稜線から眺めた景色は素晴らしく印象に残った。
時が流れるのは早い。あれから丸一年経ち、またこの季節がやってきた。
今年も雪の飯豊を歩きたい。
当初は朳差岳と悩んでいたが、稜線歩きを長く楽しみたい気持ちがあり、飯豊連峰中心部に位置する門内岳や北股岳を目指すことにした。
1日目 : 梶川尾根 〜 門内小屋
前日のうちに倉手山登山口に入り仮眠。
翌朝4時前に起床。私たちの他に1台車が止まっていて、支度をしているとそちらの車の人も出てきた。関東の単独男性で、日帰りで梶川尾根から北股岳を往復するそうだ。
4:40、男性よりも一足早く出発。ちょうど昨日が満月だったので、空には”ほぼ”まん丸なお月様が輝いている。ヘッドライトをしまい、月明かりの中歩き出す。
昨年の秋に初めて飯豊を歩いて、今年の春に二度目の飯豊を歩いた。その時は石転び沢から北股岳を目指した。(当時の記録)この林道を歩くのは2回目だ。
ここの林道歩きは案外嫌いではない。
のんびり歩いて5:30、梶川尾根取り付きに到着。
梶川尾根は「急登」らしいが、確かに正解だった。
スタート0秒で、目前に壁ごとき急登が立ちはだかる。夜明け前の薄暗闇の中、一際禍々しさが増している。
うっかり転ばないよう慎重に登ってゆく。早い段階で今朝の単独男性が後ろから追い抜いていった。
そのうちに日が昇り、辺りが明るくなった。
気持ち良い広葉樹の間を歩いてゆく。
道中見つけたナメコをちょこっと拝借。
まさかあると思わなかったのでびっくり。雪山でも調味料は必携装備にするべきか。
今回はたまたまフリーズドライの味噌汁を持ってきていたから、良い具材が収穫出来た。
稜線付近に湧き上がっていたガスが晴れて、主稜線の一部が見えた。
ちょこちょこと雪が現れ、CO1,300m付近から雪が繋がるようになった。
すっかり日が昇り、ちょっと暑いくらい。雪はぐずぐずのザラメ雪。
まるで残雪期のコンディション。
北側の展望が開け、雪を被った朝日連峰が見えた。11月の上旬にはまるで雪が無かったのに。
季節は刻一刻と冬へ向かっている。
急登をひいこら登っていると、男性が下ってきた。今朝の単独の方だった。
梶川峰まで行って引き返してきたのだとか。ワカンを忘れてしまい、この雪のコンディションではキツいので諦めたそうだ。
「お気をつけて。」と言葉を交わし、私たちは再び登り始める。
男性の登頂した梶川峰はてっきりもうすぐだと思っていたが、歩けどまだ近づかない。
雪の踏み抜きが多くなってきたのでワカンを装着した。
時折、男性のトレースが腰まで沈んでいる場所があり、苦労した様子が想像出来た。
樹林帯を抜けて、熊笹地帯へ入ると左右に白く輝く飯豊の山々が広がる。
次第に雪山らしくなってきた。期待に胸が高鳴る。
12:00ようやっと、梶川峰へ到着。素晴らしい大展望が待っていた!!
ここからは、私の大好きな稜線漫歩が始まる。
純白の雪稜にトレースを刻んでゆく。
左手前方に今日の目的地「門内小屋」が見える。
いつか小屋へ着いてしまうのが惜しい。
今この瞬間の、貴重な時間を存分に楽しむ。
景色が美しくて、何度も何度も写真を撮ってしまう。
しばらく、ワカンを履いたまま歩いていたが、目前に急登が見えたのでアイゼンに履き替えた。
稜線はクラストしていてツルツルテカテカ。自分や荷物が滑落しないように要注意。
本当、もう素晴らしすぎる稜線だ。来て良かった。
下ではなめこも採れたし、今日は盛り沢山の一日だ。
14:00門内小屋到着。
一通り荷物を小屋に入れて、Kさんに収穫したナメコ達のゴミ取りをお願い。私は水作り用の雪を集めに外に出る。作業をしていると地神山方面から単独の男性がやってきた。
避難小屋に何人いるか尋ねられ、「私と、私の連れの2人です。」と答えた。あそこから中に入れますよ。とも付け加えた。そうですか、と返事があり、その後どこから登ってきたのかとか、軽く会話を続ける。どうやら男性も私たちと同じ梶川尾根から登ってきたようだ。
最後に「じゃ、僕はちょっと離れたところでテント泊しますので。」と言って、男性は先に進んでいった。
・・・ってえぇ?避難小屋泊まらないのか!
もしかして私が「連れ」とか言ったせいで、女子2人組だと勘違いして遠慮したのかな?全然そんなことないのに。。。
外の騒ぎを聞きつけたKさんが出てきた頃には、すでに男性は門内岳のピークまで行ってしまっていた。
それにしても、こんな雪山でテント泊を即決できるのがすごいなぁと思った。
私は、、、テント泊より避難小屋泊がいいです。笑
夕暮れの門内岳
せっせと雪から水を作ったあと、夕暮れ時に門内岳へと散歩した。
門内岳より先の稜線、プチ雪庇の下にテントが一張見えた。先ほどの男性だろう。
「日の出」と「日暮れ」は山で過ごす時間の中で最も好きな時間だ。
赤く染まった峰々はとても美しい。
いよいよ日が沈む、山の1日が終わってゆく。
じっくり、のんびりと、その瞬間を堪能した。
まだまだ、今日のお楽しみは終わっていない。
夜ご飯はナメコの味噌汁に舌鼓。
味噌汁はフリーズドライ。セブンプレミアムの「揚げなす」を持ってきていたが、結構美味しいのでおすすめだ。
本当は主食のカレーメシを食べるつもりだったが、すっかり満足してしまったのでナメコ味噌汁だけ食べて就寝。
2日目 : 門内岳 〜 北股岳 〜 丸森尾根
夜の間、びゅうびゅうと猛烈な風の音が絶え間なく続いた。こんなに激しい音は未だかつて聞いたことがない。冬の飯豊の厳しさを垣間見たような気分だ。
まるで嵐のような音に、テントを張らなくて良かった・・・と思うと同時に、あのテント泊の男性のことが心配になってしまった。
翌朝3時過ぎ、起床してからも激しい風の音は続いている。
Kさんも起き出して、風が強い、どうしようかと話し合う。
かなりやばそうな音が続いていてトイレで外に出るのさえ危険な気がする。
それでも窓を開けてみて様子を伺ってみると、あれ?思ったより風が弱いような。
Kさんにちょっと外出てみるよ〜と伝えて外へ。Kさんが「本当に気をつけてね!」と心配している。
ちなみに避難小屋入口付近は結構危ない。地面が凍り気味だし、すぐそこに斜面が広がっているので滑落注意だ。うっかりミスは本当に危険。
外へ出てちょっと歩いてみるが、やっぱり風は吹いているものの、想像していたような生死に関わるようなレベルの爆風ではなかった。
避難小屋の中であんなに音が鳴っていたのはビル風みたいな現象でも起こっていたのだろうか。
朝食を済ませ、4:20北股岳に向けて出発。
山頂でのご来光狙いだったが早く出発しすぎてしまったので、いつも以上にゆっくり歩く。
月が明るいので、ヘッドランプは必要ない。新潟の街の夜景が美しい。
稜線のプチ雪庇の下に、男性のテントが昨日と変わらずあったのが見えてちょっと安心した・・・。
5:50うっすらと明るくなってきた頃、北股岳に到着。
東の空がぼんやりと赤く染まってくる。ようやく日の出が近づいてきた。
一時はおさまっていた風が再び吹き始める。時々シュカブラの陰に避難しつつ、次第に明るくひかってゆく山々を眺める。
30分程景色を堪能して引き返す。往路も、何度も何度も振り返る。
太陽に照らされて輝く山々が美しい。
途中でテント泊の男性とすれ違った。
7:20、門内小屋に無事帰着。30分程で身支度を済ませて、いよいよ下山に取り掛かる。
今日の稜線は賑やかなようで、数人の登山者とすれ違った。
まだ奥胎内の林道が開いており、どうやらみんなそこから入山しているようだ。
その時は気づかなかったが、後からYAMAPのヒマーンさんとすれ違っていたことが判明した。
ヒマーンさんとは今年の9月から数えて3回、同日に同じ山に登っている。
そして今回、ついにスライド。
月イチペースで行く山が被るとは、奇跡すぎる。笑
9:00地神山到着。さらに進み丸森尾根を下降する。
朳差岳、頼母木山も気になるピークだ。いつか必ず行く!
隣には登ってきた梶川尾根が見える。丸森尾根上部は急ですぐに標高を下げてしまうのに対して、梶川尾根上部は梶川峰までなだらかで高い標高を保っているため雪付きにも違いがある。
丸森尾根の下降中も色々な発見があり、楽しみながら歩いた。
順調に下降し14:15倉手山登山口無事帰着。
【食事】
お食事処とよふじ(10:30〜14:00 / 16:00〜19:00)
〒959-3264 新潟県岩船郡関川村上関1205−1
焼肉定食(1,000円)
スーパーの豚バラ肉のパックをそのまま全部つっこんだかのような大ボリュームだった。3人分くらいあるんじゃないかって思う。食べても食べても無限に肉。食べ盛りの私だけど、今回はさすがに超お腹いっぱいになった。笑
お腹が空いている時は、焼肉というよりかは揚げ物系定食に行きがちだけど(私だけ?)
ここでは思い切って焼肉定食をチョイスしてみるのも良いかも。きっと満足出来るはず。
ガッツリ食べたい人はぜひ。ご飯が進みます。