2025年4月19日(土) 晴れ
野中(5:30)-尾根取り付き(7:20)-大兜山(9:55/10:20)-タキ沢(11:45)-野中(12:50)/合計7時間20分
メンバー : 4人(Waka,山忍者氏,さゆらもっこ氏,Kさん)
距離 : 12.0km 累積標高差 : 1,130m
山行記録
越後のスーパー山ヤ、山忍者氏とさゆらもっこ氏からお誘いを受けて大兜山へ。本当はよっしーも一緒に4名の予定だったが、よっしーが前日に中耳炎になってしまい泣く泣く離脱。
そして、逆にKさんが急遽参加できることになった。Kさんのお母様がありがたいことに生後2ヶ月間近の我が子の面倒を1日見てくれるそうで、送り出してくれたのだ。山忍者氏・さゆらもっこ氏との初山行に加えて夫婦揃って山へ行くのも久々なので、色々と楽しみな山行になりそうだ。
朝、野中の給水塔より林道を歩いて出発。Kさんはスキー装備で、他の3名は徒歩だ。以前同時期に登ったときは雪が溶けていて、車はもっと奥に入れた。今年は残雪が多い。林道のところどころにはデブリによる片斜面が形成されており、これもこの時期はじめて見る光景だった。
産後で体力のない私だったが、山忍者氏もさゆらもっこ氏もペースを合わせてのんびり歩いてくれた。本当はスーパー健脚の2人なのに、ありがたい。
ここ数日、暖かい日が続き、さらに大量の積雪ということもあって、町を流れる川のどこも増水していた。薄々と予感していたが、渡渉予定の滝沢も増水していた。
以前来たときに飛び石で渡渉したジロト沢と滝沢の出合いは、とても渡る気にはなれない。念の為沢靴を持ってきていたが、それでも渡りたくない様相だ。
タキ沢の左岸を歩いていって、スノーブリッジを探す。
渡れそうなポイントが見当たらず、Co485m、タキ沢出合いから距離にして250m程の場所にて右岸の沢地形からのデブリによって形成されたスノーブリッジをついに発見した。
ところがここで渡ったとしても、周辺が急な地形で藪漕ぎがしんどそうなので、パスしてさらに奥へ進む。

更に奥にある二俣にも全く雪がなかった。本当はここで渡渉して、標高点819mに伸びる尾根に取り付きたかったが無理そうだ。
タキ沢の上流を見やると、さらに奥にデブリがありそうな予感がする。山忍者氏が先行して偵察に行ってくれた。沢沿いの雪付きが悪く、山忍者氏が巨岩をよじ登ったり藪を漕いだりする様子が伺える⋯。
その後、山忍者氏から大きなマルのジェスチャー。
残る3名も続く。なんというか、想定よりも泥くさいことをやっている。雪山登山ならぬ沢登り?おニューの白い服を着てきたが、さっそく泥がついてひどく後悔することとなった。それでもかなり久々のプチアドベンチャーでちょっとワクワクした。
山忍者氏の元には立派なスノーブリッジがあった。というか、それより上流は雪が詰まっていて、どこでも渡り放題でなんか悔しくなった。どうせなら、少し下流の二俣までしっかり雪がついていて欲しかった。
左岸から右岸に渡渉して、アイゼンを装着した。(Kさんのみノーアイゼン)
サクサクと右岸をトラバースして、二俣分岐まで戻る。右俣に少し入ったところから、もともと予定していた尾根に無事に取り付くことが出来た。
たまーに藪漕ぎがあったり、イワウチワが足元に咲き誇っている場所にお邪魔したりしたけど、おおむね雪付きがよく、難なく尾根に乗り上げた。
登りになると、私は体力不足のためペースダウン。他の3名に申し訳ないと思いつつ、感謝感謝。
尾根上はしっかり雪がつながっていて、難所も無さそうなので、ようやくのんびり歩けそうだ。
シートラーゲンをしていたKさんも、ようやくシール歩行を始めようとしていた。
が、尾根が意外と急である。歩きだと楽勝だけど、スキーだとちょっと手こずりそうだ。Kさん大丈夫かな?と振り返ったら、「ぎゃー!」という悲鳴が聞こえて、5mほど滑り落ちるKさんが見えた。さゆらもっこ氏が「Kさん大丈夫?」と言っていたが「まぁ追いついてくるでしょう。」と返した。
まだ先にも、スキーには難しそうな尾根が続いている。Kさんがんばれと心の中で念じて、歩き組は進むことにする。

先頭を歩く山忍者氏のルート取りは秀逸で、急登が急登に感じないような歩き方かつ効率の良いライン取りに思えた。優しいルート取りに感謝感謝。健脚な人は、決して体力に任せて登っているのではなく、ルート取りも非常に洗練されていることを知った。
標高点819m近く、キゾウ平の末端に到着。意外とここまで早く感じた。グッと大兜山が近づいた気がする。
Kさんも遅れて無事に到着。あの後もまた滑り落ちたらしい。残雪期の雪山、大変である。
小休止ののち、キゾウ平を横断して、大兜山の東尾根を目指す。

キゾウ平はだだっ広い雪原で、なんと気持ちの良い場所か。大兜山の北面が目前に聳え、反対方向には越後三山、ネコブ山が見える。
のんびりテント泊してみたいなぁと思ったのは一瞬。よくよく見渡せば、周囲の木々が同じ方向に向かってへし折れているではないか。おそらく、今シーズンのどこかで大きな雪崩があったのだろう。
その時、大兜山北面からゴオオと音が聞こえてきて、見れば全層雪崩が発生していた。雪の塊が勢いよくキゾウ平を転がってゆく。これは恐ろしい。ロケーションは素晴らしいがのんびり滞在する場所ではなさそうだ。
キゾウ平から、大兜山の東尾根に乗り上げると、目前には上越国境の山々の素晴らしい展望が広がった。立っている尾根も一面が雪に覆われている美しい場所だ。
日が昇ってきて、まるで夏のように暑いが、この展望を味わわずにはいられない。
しばし景色を楽しみ、大兜山までラストスパート。雪がぐずぐずになってきた。もし私が先頭を歩くならばワカンを履きたいところだが、今日は心強いメンバーである。トレースをそっくりそのまま辿って、遠慮なく楽させてもった。
最後に雪壁を登り、すこし歩いて大兜山に到着。

360度の大展望。まさに上越国境の展望台である。
産後で体力が無い中、まさかここまで来れるとは思わなかった。心強いサポートをしてくれたメンバーに感謝である。
なんと、おつな事に、山忍者さんが忍者ビールを持参。(ノンアルコール)私とKさんにもご馳走してくれた。素晴らしい展望を眺めながら、頑張った後の一杯は、爽快なものだった。
景色を楽しみ、名残惜しいが下山に取り掛かる。
帰りは、登りに利用したスノーブリッジを避け、最初に見つけたCo485mのスノーブリッジ目掛けて下ることにした。
ジロト沢を眺めながら、標高点862mを経由する尾根をくだる。スキーで滑るKさんは、気持ちよさそうだった。
下りやすそうな支尾根を選択して標高を落としていく。途中で野ウサギに遭遇。冬毛と夏毛の入り混じったまだら模様で可愛らしい。あっという間に、すごい勢いで走り去っていった。今年、狩猟免許を取った私だが、あんな素早いウサギを捕らえるのはかなり難易度が高そうで、自信をなくした。笑
次第に雪がなくなり、藪漕ぎになった。スキー滑降をしていたKさんは仕方なくシートラーゲンに換装。
藪漕ぎは結構密度が高く、歩き組3名は気にならなかったが、Kさんは板が引っかかるのが不快なのか、しきりに別のラインを提案してきた。
尾根は次第に細くなってゆき、やがて左手の沢筋にぽっかり雪が途切れている場所があって、滝が現れた。滝を巻き下ったあとに雪の詰まった沢筋に着地。ドンピシャで今朝見たスノーブリッジに降り立ち、難なく渡渉成功。
ふと見上げれば、朝よりもブナの新芽が開いていてびっくりした。ほんの数時間の間に季節がぐっと進んだようだ。

帰りの林道では今年はじめての桜まであった。横を流れる川は雪どけがさらに進み、ひときわ濁流となっていた。集落が近づいてきたころ、ソリを引く方々と挨拶を交わした。ソリの上には、何やら緑の葉っぱがたくさん入っている。 フキノトウだろうか。すっかり冬は終わり、もう山菜のシーズンでもあるのだ。
12:50、無事下山。
山忍者氏、さゆらもっこ氏、Kさんと楽しい山行だった。私の遅いペースに合わせてもらい、感謝です。またよろしくお願いします!




















