久々のニワトリブログ更新!
2024年4月29日、人生で初めて、可愛がっていた鶏の1羽を絞めて解体し、調理して食べました。
複雑な気持ちです。
もやもやした気持ちを整頓するために
私たちの血肉となるために、私たちに殺された鶏の人生をブログに綴ります。
あくまでも心情の面での備忘録です。(締め方は参考になりません。)
追記:2024年12月16日 再びニワトリを絞めました。2回目はやり方を変更しましたが、こちらの方がスムーズだったと思います。鶏は変わらず美味しくいただきました。
※目次「いよいよ絞める」からセンシティブな文章、写真を使います。
ヒヨコ誕生
2023年9月、オンドリ1羽、メンドリ4羽が家族になりました。
もっと鶏を増やしたくて、オンドリのプリンスに交尾をさせて、有精卵を採取、孵化させるつもりでしたが
プリンスは軟弱な性格で、一向にメンドリたちと交尾する気配がありません…。
諦めた私たちはネット通販で有精卵を10個買って、孵卵器を利用した孵化を試みます。
品種は、産卵に特化したボリスブラウンを選びました。
2023年11月17日、2羽のヒヨコが誕生。
10個中、8個の卵は孵ることはありませんでした。内1個は卵を割るところまで出てきましたが、途中で力尽きてしまったようです。
【動画】
「生まれる」行為は大きなエネルギーが必要だと知りました。
2羽のヒヨコは命懸けの行為を乗り越えたヒヨコたちなのです。
生まれてすぐは性別の見分けが難しく、この時点では分かりません。(ひよこ鑑定士という専門の職業があるほどです。)
ひよこは、自分で温度調整ができず水が飲めないので
生後2週間は、ゲージ内の温度約40度、湿度約60〜70%に維持する必要があります。
泊まりの山へ行く余裕はなく、つきっきりでお世話をしました。
生後4日目には、わんぱくな2羽になりました。
【動画】
2023年12月、孵化から2週間後にはだいぶ大きくなりました。
【動画】
生まれた時は特徴が全く一緒でしたが
ここまで来ると、それぞれ2羽の違いが出てきます。
夫が、私が名付けて良いよ、と言ったので
尻尾が生えていて、身体の小さな子は「おこめ」
尻尾が生えていなくて、丸々してる子は「せんべい」と名付けました。
すくすく育つヒヨコたち
卵の頃から一緒だった2羽はいつも仲良し。
おこめだけ外に出すと、せんべいがおこめを探して「ピーピー!」と大きな声で鳴きます。
鶏の5羽はケージ飼いの施設から引き取ったので、飛んだりしませんし、おとなしいです。
おこめとせんべいは小さな頃から駆け回っているため、運動能力がかなり高いです。
少しでもケージの蓋が空いていると、外へ飛び出します。
生まれて3週間後には、トサカが少しだけ成長してきました。
夫が面白がって、室内で放すので大変です。あちこち駆け回り、時にはウンコを…。
私が「ウンコマンはこっち!」とヒヨコをケージに戻すと
夫が「ウンコマンじゃないよ、おこめとせんべいって立派な名前があるよ。」と言ってきます。
薄々感じていましたが、2羽ともメスではなくてオスかもしれません。
卵を産ませたくて孵らせたのに、なんということでしょう!(笑)
12月は、私が外出してばかりであまり帰宅しませんでした。
たまに夫が2羽の写真を送ってくれますが、見るたびグンと成長しているので驚きます。
思わず「もうこんなに大きくなったの!!」と言葉が出ます。もはや親戚のおばさん。
夫「そろそろ重くなってきたな〜。」
すっかり大きくなって、ケージから頭が飛び出すようになったのでニワトリ部屋に引っ越しです。
ヒヨコの頃はせんべいの方が大きかったのに、逆転しておこめの方が大きくなりました。
名古屋コーチンのリボンは、おこめとせんべいが近付くと突っつきます。
いじめられっ子のリボンなのに、若いものには、まるでお局様のようですw
オス同士の喧嘩
この日初めて2羽が大げんかをしました。
襟首をブワッと逆立てて、まるでエリマキトカゲのよう…。
【動画】
トサカが傷だらけに…。
心配でしたが、数時間後にはいつもの寝床で寄り添っていましたw
上下関係を決めるため本能で喧嘩したのかもしれません。どちらが勝ったか分かりませんが、仲直りしたようで良かったです。
自由奔放な2羽
すっかり成長し、あちらこちらを縦横無尽に駆け回ります。
夫が家の玄関を開けっぱなしにしていると、室内にまで侵入するように…。
自宅の玄関は2階にあるので階段を昇り降りしなければいけませんが、おこめ、せんべいにとっては容易いことのようです。他の鶏5羽は階段を上がれないので玄関に来たことは1度もありません。この2羽は特別わんぱくです。
一度だけ、おこめが台所にいたのには驚きました。料理をしていたら、すぐ後ろから「こけこっこー!」と鳴き声が。
名前のとおり「おこめ」は真っ白な鶏に。
「せんべい」は茶色っぽい鶏に成長しました!
せんべいは、おこめに付いていくのですが
おこめは1羽でも活発に歩き回ります。おこめだけ不法侵入することがしばしば…。
交尾をするおこめ
おこめは、お姉様と積極的に交尾をするようになりました。
鶏の交尾、初めて見たのですが、意外と無理矢理やっている感じがあります。
家にいるメンドリはドリル、モモ、ミサキ、リボンですが
手当たり次第追っかけ回して襲っている感じ…。(苦笑)
個体によっては交尾が乱暴すぎてメンドリを死においやってしまうこともあるとか。
いつかにテレビで見た「らっこの交尾」も同様に乱暴だった記憶があります。
いずれも、オスが体位を安定させるためにメスに噛み付くのが原因です。
生物の繁殖も命懸けなんだなぁと思いました…。
おこめも、乱暴ではありますが、メンドリが死ぬほど痛そうな感じでもないので、交尾に関しては止めたりせず見守ることにしました。
エスカレートする交尾
しかし、最近になって問題が発生…。
名古屋コーチンのリボンがストレス性なのか、病気になってしまいました。
食事がろくに食べられず、夫婦でリボンを看病します。基本的に部屋でお世話してますが、たまに庭に連れ出します。
すると、おこめがすごい勢いで走ってきて、リボンと交尾しようとするのです。
リボンは一度転んだら立ち上がれないほど痩せてしまっているので、体重のあるおこめに乗られると深刻です。
また、普段は乱暴しないせんべいまでもが、リボンと交尾するため猛烈な勢いで襲いにかかります。
2羽のオンドリをリボンから引き剥がしますが、かなりの勢いに圧倒されます。
この辺りから、おこめが少しばかり乱暴になってきたと感じるようになりました。
また、他のメンドリがおこめに襲われた時に、メンドリがメンドリを助ける行為が見られるようになりました。メンドリの中で最も強い鶏のドリルは特に顕著で
他のメンドリが襲われるたび、ダダダっと駆け寄っておこめに飛び蹴りキックをかまして引き剥がそうとしていました。
【動画】扉越しにリボンを狙うおこめ。安全圏なので私たちは笑ってますが、実際襲われたらシャレになりません。おこめが猛獣のようです…。
おこめを絞めることを決意
よく玄関に来て、自由奔放で、面倒だけど可愛げのあるおこめ。
夫と相談して絞めていただくことにしました。
理由は以下の通りです。
・弱いメンドリを襲う
・オス3羽に対しメス4羽の比率があまり良くない(オス1羽にメス10羽が基本)
・オンドリなので餌を食べるのみで卵を産まない
元々、ニワトリを飼育したらいつか絞めることも経験しなければ、という気持ちがありました。
スーパーで売っているお肉も、全て誰かが殺した生き物の肉です。
当然今までも感謝しながら食べていたお肉ですが、より命を食べていることを理解するために、いつか一度は自分達の手で屠殺するべきだと思っていました。
その日がついに来ました。
冷蔵庫にひき肉や豚コマ肉が残っていたので、それらを全て平らげて、いよいよ肉が尽きたら実施しようと決めました。
いよいよ絞める
※センシティブな文章、写真を使います。
2024年4月29日、いよいよおこめを手にかけます。
夫が「おこめ絞めるか」と言います。私はまだ怖くて「まだ午前中だし、午後でいいんじゃない?」「今日は休日だから近所の小学生に見られちゃうよ。」とあれこれ言いますが
後回し後回しではきっといつまでもできません。
意を決して、おこめのもとへ向かいます。
この日の為に、鶏の絞め方の動画やブログを参考にしてきました。
他の農場では逃げる鶏を網で捕まえるそうですが、おこめは私たちから全力で逃げることはありません。いつも家の中に不法侵入するたび「だめでしょ!」と叱りながら私がおこめを抱いて鶏小屋まで戻しています。どれだけ戻しても、また玄関まで来てコッコッコッと鳴いています。
いたずらっ子のおこめは抱っこされるのが好きなのかもしれません。今日もいつものように大人しく、腕の中に収まりました。
屠殺は、ご近所の目があるので倉庫部屋で実施することにしました。
沢登りで使っている捨て縄用のロープ、7m程残っていたのを天井に渡る鉄骨にボーラインで結びます。夫がおこめの両足をクローブヒッチで結びますが末端が短く解けてしまったので、私がクローブヒッチを作り直し、今度こそキュッと足を結びました。
つい「おこめ、ごめんね。」と声が出てしまいますが、自分で殺すのにそれは無いよなと思って「おこめ、ありがとうね。」と言い直します。手を合わせずにはいられませんでした。この瞬間、とてつもなく悲しくて怖い気持ちになりました。
おこめだって、ミミズやミルワームを殺して食べているんだ、同じことだと自分に言い聞かせます。
夫が抱っこしていたおこめをゆっくり下ろします。
逆さ吊りになった途端、おこめはびっくりして腹筋運動のように頭を上げようとしましたが、その後おとなしくなりました。
ここから約20分、頭に血をのぼらせてボーッとさせてから殺します。
今回実際に手をかけるのは夫の役目。
夫がおこめの様子を見ている間に私は色々と用意します。
まずはお湯を沸かし、とどめを刺すための刃物。カッターだったりナイフだったり包丁だったり、どれが良いか分からないのでとりあえず全部持っていきました。そして、血が飛び散る可能性があるので夫に着せる雨ガッパを用意します。
全ての準備を終えておこめの元へ。
おこめの真下にバケツを置いて、まず失神させる為にハンマーで頭を殴ります。
夫が1発かなり強く殴るとトサカから血が流れ、今まで聞いたことのない高くて辛そうな声で叫びました。ポタポタ血を流す中、パチパチと瞬きしているおこめと目が合う…。もう1発、殴る。
隣の部屋にはせんべいが居て、おこめの異常な声を聞いているかもしれません。
てっきり強く殴れば失神するかと思っていました。しかしおこめは失神しません。
瞬間的に鶏の生命力の強さを感じました。とても丈夫なおこめ。
夫もすぐにおこめが失神しないと気付きます。これ以上叩くのは逆に可哀想だと判断し、首元の頸動脈をナイフで切りにかかります。
しかし頸動脈も、初めての私たちには切れたか切れていないか分からないので、最も確実な「首を落とす」ことにします。
首が硬くて、夫が大変そうな様子でしたが、ポイントが当たったのかナイフが入り首を落とすことが出来ました。その後、5秒か、もっと長い時間か、首が落ちたおこめが逆さ吊りになったままバタバタと暴れまわり、血が飛び散ります。
人によっては目を背けたくなる光景かもしれません。
そして、パタンと静かになりました。
(首を落としても暴れているのは、脊髄にわずかに残っている酸素がきっかけの反射運動のようです。)
首から流れる血はバケツに落ちていきますが、想像より流血は少なくポタポタ垂れる程度でした。
終始、おこめから目を離さず見守っていました。意外と冷静な自分に自分で驚きました。覚悟が出来ていたからなのか、首を切ったのが夫だからなのか。
5年前、初めて岩魚をいただく時は、悲しくて泣いてしまいました。結局私が絞められなくて、先輩に代わりにやってもらいました。当時、食べるために生き物を殺せない自分がとてつもなく情けなく感じたことを覚えています。
その後、おこめを数十秒お湯につけます。
毛穴が開くため、羽がむしりやすくなります。手羽先は少し力が入りますが、せっせと羽を抜いていきます。
おこめが暴れた時に床に血がついてしまったので、私は同時進行で床を掃除することにしました。ホースで水を撒きブラシで擦ります。乾いた血は落としづらいです。
外へ出るとちょうどご近所さんがいたので、ニワトリを絞めていると話しました。
噂を聞きつけた他のご近所さんたちが様子を見にきました。
「あら、室内でやっているの!」
「思ったより血が飛び散りました。」と伝えたら「そうだよね、けっこう飛び散るよね。」と。
昔は、冬は雪の上で絞めていたと教えてくれました。血飛沫は目立つけど掃除する手間がかからないそうです。
掃除が大変なので次回は外でやって良いかと尋ねたら全然大丈夫!との返事。
ここの集落の人たちは、昔はニワトリを絞めて食べていたという話を、以前から聞いていました。お祭りの屋台で買ったカラーヒヨコが鶏になったら勝手に父親が絞めてしまった。とか、庭にはいつも鶏の足が転がっていた。とか…。
私たちの屠殺現場を見ても普段と変わらず穏やかなご近所さんたちにちょっと気持ちが落ち着きました。
おこめの羽を全てむしったら、細かい毛を全てバーナーで炙ります。
おこめの首を持って、顔を見たら、まるで寝ているかのような表情をしていました。今までの可愛い仕草が蘇ってきて、ウルっとなってしまいました。
自分達の手でおこめを殺してしまった。もう2度とおこめに会えないし、抱っこすることも出来ない…。
鶏を解体する
ここから解体に入ります。
参考書として服部文祥氏の「アーバンサバイバル入門」を用意しました。
切れ味の良いキッチンバサミを用意し、手順通りに1つ1つこなしてゆきます。
一番のポイントは、内臓を破かないこと。鶏にはカンピロバクターが高確率で付いており特に食べ物を通る腸管に多く生息していると言われています。
解体時に、大腸を破き糞が出ないように…気をつけます。
最初に行う肛門周りの処理は特に繊細で難しいようで、夫が苦戦していました。頑張ったつもりでも糞が出てしまう…。
糞は早急に取り除き、引き続き解体します。
ここからは夫と私で交代に行いました。
内臓をおおむね取り出し、あとは部位ごとに分けていきます。
もも肉は骨盤の軟骨から切りますが、見た目で骨盤かなー?と思ってハサミを入れたら違ったり。実際におこめの肉を触って、軟骨の位置を確かめてからやるとうまくいくようになりました。
調べながら解体してゆくと、鶏の身体の構造がよく分かります。今まで、胸肉とササミの違いも良くわかっていませんでした。
鶏の心臓「ハツ」は、本体を傷つけないように周辺の管などを丁寧に切り外してゆきます。
ハツは正確には「ハツ」「ハツモト」と部位が分かれるようですが、ややこしいので一緒にしました。
大まかな部位を分け終えたので、細かく内臓を分けていきます。
色々とありますが、驚いたのは砂肝。
鶏は食べ物と一緒に砂を食べますが、その砂が食べ物をすり潰す場所が砂肝です。砂肝を開くと、確かに砂が詰まっていました。普段与えていた配合飼料のバーディーが少し混じっていて、ウルっとしてしまいました。
ざっくりと解体したのは以下の部位です。
手羽先、手羽元、胸肉、ササミ、もも肉、ぼんじり、鶏皮、レバー、目肝、ハツ、白子…
あとはおこめの頭からトサカを切り取ります。
海外では頭自体もいただくようですが、私たちは食べずに土に埋めることにしました。
それ以外の骨類は全て「鳥ガラ」です。足は「モミジ」といって、これも出汁として使えるようです。
鶏の肉の部位を調べていると、どうやら骨の近くに、美味しくて希少な部位があるようですが、なかなか全てを丁寧に取り除くことは難しく、「鳥ガラ」として使用した後にこそげ落とすことにしました。
おこめをいただく
全ての処理を終えて、早速いただいたのは手羽、ぼんじりです。
いつも食べている鶏肉より皮が厚く食べ応えがありました。
特にぼんじりはプリプリとっても美味しかったです。
なんだか、どっと疲れた1日、少し食べただけで満腹になりました。
他に作ったものは
・もも肉の唐揚げ
・鶏ガラ卵スープ
・鶏ガララーメン(鶏ガラの肉を削ぎ落としてラーメンの具に)
・鶏皮焼き
・モツ炒め
・砂肝炒飯
・よく分からない部位は焼肉
レバーなどの内臓系は解体した翌々日に食べました。酒に浸けたもののちょっと日が経って大丈夫かな?と恐る恐るでしたが、臭みがほとんどなくかなり美味しかったです。
おこめのトサカは茹でたものをいただきました。そのままの形ではちょっと生々しいので、千切りにしました。初めて食べましたが、コラーゲンな感じでした。次回があるなら焼いてみようと思います。
現時点で鶏胸肉はまだ食べていません。
解体した時はどこが食べれてどこが食べられないのか?なるべく調べて確認していましたが
基本的に食事が通る内臓はカンピロバクターが沢山いて慎重な処理が必要になるので、食べなくて良い部位
それ以外の肉は食べられる、という理解で良いのかなと思います。
鳥の足にあたる「もみじ」は付け根はコラーゲンのようで食べられましたが、足先はとても硬かったので食べられませんでした。
食べなかった部位の行方
おこめの頭部、腸などは土にミミズと共に埋めました。
バケツを洗ったりしたときに落ちてしまった小さな生肉のカケラは、蟻がせっせと運んでいました。翌日見に行ったらすっかり肉片は無くなっていました。
おこめの羽はあまりに多いので廃棄としましたが、残って庭にヒラヒラ落ちているものは、スズメが咥えて持っていきました。巣作りに活用されたようです。おこめの墓にお供えした立派な羽も無くなっていたので同様に持って行かれたようです。
私たちが食べられなかった部位は、他の生き物たちが食べたり使ったりしてくれていて、全て余すことなく誰かの役に立ちました。本当に良かったです。
鶏ガラは砕いて庭に撒きました。肥やしになるようです。
※当ブログを書いていて解体中に「せせり」を取っていないことに気づきました。せせりは首の下の部位です。夫に尋ねたら鶏骨を砕く時に首に肉が残っていたから食べたよ、と言っていました。ちゃんと食べることが出来てホッとしました。
終わりに
おこめがいなくなってから、じわじわと寂しい気持ちに襲われています。
ブログを書いている5月6日、屠殺から1週間経ちようやく落ち着いてきました。
おこめを殺した罪悪感はありませんが、2度と会えない寂しさに囚われています。
せんべいのことを間違えておこめと呼んでしまうことが頻繁にありました。
せんべいはおこめが居なくなったことに気づいていると思います。屠殺した日は普段よりも大人しい気がしました。
せんべいとおこめが2羽でよく遊びに行っていた裏のお家のご近所さんが「相方が居なくて寂しいのかな。なんだか鳴き声がいつもと違うねぇ。」と言っていました。
いつも一緒だったおこめとせんべい。もう2度と、せんべいがおこめと寄り添って眠る日は来ないのです。
自分にとって鶏を殺すことは寂しくて辛いことでした。
「慣れ」かもしれませんが、慣れるまで、毎回このようなストレスに苛まれるのは気持ちが辛いです。
冷静に自分の気持ちを考えてみました。
鶏がミミズを食べる行為、ライオンがシマウマを食べる行為
自分が生きるために、誰かの命をいただくことは生物として必要なことです。
今回私がおこめを食べた行為と何が違うか。
多分、「獲物」を食べるか、「家族」を食べるか
の違いではないかと思います。
私にとって「おこめ」は家族でした。完全に情が湧いてしまっていた中、心に蓋をして絞めた、ということになります。
もし、命をいただく相手が、生い立ちも人生も何も知らない、見ず知らずの生き物だったら…。
次は、肉食獣のように、「獲物」をいただく経験をしたい、と思いました。
今のままでは、「命を頂く行為」に対してもやもやしたままです。
「屠殺」「解体」という行為に関しては「慣れ」だと思います。
鶏が可哀想だから、失神させるべき意見もありますが、一概に言えないかもしれません。
私は失神させずに一発で頸動脈を切ってやった方が楽なのかな、とも思いました。
具体的な屠殺方法に関しては、鶏に目隠しをさせたり、首を折って窒息させたり、メガホン型の筒に入れて絞めた後の羽のバタつきを抑える方法など人によって工夫があり、異なります。
色々と研究していきます。
・・・
おこめを絞めた後、変わったことといえば、必要以上に肉を食べなくなりました。
娯楽としての食事をしない。ということです。
絞めてから、まだスーパーで生肉は購入していませんが、コンビニの揚げどりなど加工食品を数回いただきました。購入する前は、本当に買うべきかどうか結構悩んでしまいます。肉を食べるたびにおこめのことを思い出します。
この肉も確かに生きていて、誰かが殺したんだ、と考えます。
生物の命をいただいている実感はかなり強くなったと思います。
おこめ、ありがとうね。
身体の中にいるおこめと、これからも力強く生きていこうと思います。
↓2024年12月に再び鶏を絞めました。