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山スキー越後三山

越後逍遥の山旅 中ノ岳〜荒沢岳〜藤原山〜丹後山 前編

北ノ又川へ滑り込む 越後三山

少し早めの長期休暇を3月下旬にいれた。晴れるか晴れないか、ドキドキだったが幸運なことに晴れ続きの天気。昨年の春、越後駒ヶ岳から眺めて行きたかったエリアに足を踏み入れることにした。
計画の時点では明確にルートを決めておらず、地形図に何本か線を引いて、ここら辺行きたいね、滑りたいね、とあやふやなルートを組み立てた。何しろ私たちにとっては未知すぎて、もはやきっちり計画を決めることができない。何日かかりそうかもよく分からない。
とりあえず7日分の装備を詰め込んで出発した。実際の雪の状況を見ながら行動していくうちに、自然とルートは定まっていった。行き当たりばったりなことに変わりはなく、稜線から見えない谷底で面倒な状況になったりしたが、それでも満足のいく逍遥の旅が出来たと思う。

2023年3月29日(水) 6時間30分
三国川ダム管理所 (8:00) – 十字峡 (9:00) – 日向山 (14:30)

2023年3月30日(木) 9時間
日向山 (6:00) – 中ノ岳 (9:50) – 北ノ又川滑降 – シッカイ倉沢出合 (10:55) – 源蔵山 (15:00)

2023年3月31日(金) 10時間40分
源蔵山げんぞうやま (5:50) – 灰ノ又山 (6:40) – 灰吹山はいふきやま (8:00) – 荒沢岳 (9:35) – 灰ノ又沢滑降 – 基準点1268m二俣 (10:55) – 灰ノ又山 (13:45) – (14:20) 源蔵山 (14:40) – 岩魚止沢滑降 – 西沢出合 (15:50) – 支流出合 (16:30)

2023年4月1日(土) 8時間25分
支流出合 (5:35) – 藤原山 (8:40) – 基準点1659m (9:20) – 東小沢左岸尾根滑降 – 利根川 (10:10) – 丹後山 (13:55) – 丹後山避難小屋 (14:00)

2023年4月2日(日) 6時間25分
丹後山避難小屋 (6:30) – 三国川林道 (9:40) – 十字峡 (12:05) – 三国川ダム管理所 (12:55)

距離43.8km 累積標高±4,700m

メンバー : 2人(Waka, Kさん)
天気 : 晴れ

気象庁 過去の天気図
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1日目: 三国川ダム 〜 日向山

日向山へ

三国川ダム管理所まで車を入れて8:00登山開始。先週はここからネコブ山へ行った。わずか1週間の間でも、林道の融雪はかなり進んでいた。先週アイゼンを装着した片斜面のデブリは溶けて道路が露出しており楽々歩くことが出来た。

9:00十字峡着。ここから中ノ岳へ向かう。すっかり雪は溶けており夏道が出ている。鎖場あり、岩混じりの急登で、硬いスキーブーツだと歩きづらいしなんか怖い。厳冬期にここをスキーを履いたままハイクアップした御一行がいるが本当信じられない…。

7日分の装備は肩に堪える。もう少し軽量化をしてくれば良かった。
標高1,000mあたりから雪が繋がるようになってきたのでスキーを履く。

いつかのスキートレースが現れてびっくりした。中ノ岳ってあまりスキー向きの山ではない気がする。トレース主は誰?どこへ向かったのか気になった。

急登の登山道を登る
ようやく山スキー向きの尾根に…

晴れ空は嬉しいが、日差しが強い。ギラギラと太陽が照り付けて暑い。今が3月末だなんて信じられない。もはや5月。

日向山でのんびり

14:30日向山到着。今日はここで幕営することにした。
今回、イグルー泊も検討していたが先週のネコブ山でブロック掘り出し時に分厚い氷板に難儀したのでテント泊にした。目前に中ノ岳や、八海山、阿寺山、ネコブ山が見える。今朝歩いた三国川ダムが下方に見えた。
雨量観測所周辺は雪が溶けてポカポカ。Kさんが気持ちよさそうに昼寝をしていた。

御月山と中ノ岳。Tomahawkさんやセイケさんが滑降した檜倉沢右俣も見えている。
ゴロゴロ

2日目: 日向山 〜 中ノ岳 〜 北ノ又川 〜 源蔵山

中ノ岳へ

翌朝は4:00起床、6:00出発。カチカチ雪面でスキーにクトーを装着して出発するも、次第に傾斜が増してきたのでシートラーゲンに変更。CO1643m付近ですっかり雪の落ちた急登ポコが現れる。(登山道七合目)いつかのスキートレースが左から巻いていたので、引き寄せられるように私たちも左へ…。
なかなか急峻なトラバースを経て、無事にポコ回避。私たちはアイゼン履いていたから良かったが、ここをスキー板履いていくのは怖そう。このトレース主なかなか攻めてる。只者ではない…。
稜線直下は地味に急登で、とにかく頑張るしかなかった。

ようやく稜線に到着した時はホッと一安心。

稜線に登った後のワシ
Kさんは元気

稜線は踏み抜き地獄だったので再びスキー板を履く。
中ノ岳へ向かいつつ滑降ポイントの偵察。私の残存体力と荷物の重さでに不安があったので、Kさんになるべく斜度落として滑りたいよ〜。と伝えた。
Kさんは、それなら中ノ岳から東へ伸びる尾根の途中から滑るのはどうかと言ってきた。見れば良い感じの樹林帯の尾根が見えて、なるほどあそこなら私でも滑れると思った。

北ノ又川の右岸流域に目を移す。ここらの沢筋を滑ってみたかったが、どうにも下部が埋まっていない予感…。Kさんも同意見だった。今回の行程では残念だが避けた方が良さそうだ。

奥に見える樹林帯の尾根なら滑れそう。

北ノ又川滑降

9:50中ノ岳登頂。山頂直下はちと急だったので、やや北の板倉沢(地形図だと坂倉沢)源頭、雪庇が途切れている部分から滑降する。

雪庇の弱点からドロップ!

尾根上まで滑って北ノ又川(滝ノ沢 アサズキ嵓沢)を覗くと、おやおや?このまま滑っていけそうだぞ!予定変更して、引き続き沢を落とすことにした。

北ノ又川へ滑り込む
大斜面

スーパーザラメバーン!楽しい!正直ここに来るまでに疲れきってしまい、来た事を後悔したけど。嫌な気持ちは即座に吹き飛んだ。やっぱり来て良かったー!
そのうち別の谷からのデブリが合流して、やや荒れた雪面になるが、ほとんど問題にならない。デブリ地帯を越えると斜度は緩み、綺麗な雪面が再び現れる。途中ちょこちょこ現れるデブリを避けながらも快適で夢のような滑降を楽しんだ。

来てよかったー!
デブリを越えて
荒沢岳を眺めながらの滑降

源蔵山へ登り返し

やがて登り返しポイントのシッカイ倉沢出合に到着。ここより下流は沢が開いていたので丁度よかった。

下流は沢が開いていた

しばし休憩を交えて、源蔵山からおりている尾根を登り返す。出だしは急だったものの、藪皆無で幅広の、実に山スキー向きの尾根だった!

背後に、先ほど滑り降りた中ノ岳がドンと構える。あそこから滑ってきたんだ。と思い返して嬉しくなる。そして私たちの自宅が中ノ岳を越えたちょっと向こうってのが笑える。ヘリコプターなら3分で帰れそう。笑
自宅からちょっと行った裏山に、こんな空間が広がっているなんて贅沢だ。尾根から見渡す景色は実に魅惑的で、早速また行きたい気持ちにさせられた。

滑り降りてきた中ノ岳が背後に構える(滑ったのは赤ライン)
背負って登る
穴に落ちて休憩
知られざる岩峰群
左に灰ノ又山が見える

幕営

15:00源蔵山着。本日はここで幕営することとした。見晴らし良く素敵な場所。
冷え込む夕暮れまで山々の展望を楽しんだ。

今日の幕営地
平ヶ岳と剱ヶ倉山
兎岳から巻倉沢に向けてシュプールがあった!

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コメント ☆お気軽にコメントください☆

  1. お疲れ様でした
    お二人の山行にはいつも驚かされてますが、まさかこんなルートで縦走していたなんて。。

    そのお陰で、何気に歩いてる山々を、まったく別の方角から観ることが出来ました。。本当に有難うございます。
    特に北ノ又川からの景色は、行けないけど行ってみたい!と思わせる素晴らしい処ですね。

    話しは変わりますが「私たちの自宅」って言葉が気になりました。。
    もしや?

    • アサレンさんこんにちは!
      いつもコメントありがとうございます。

      私自身も初めてのエリアなのでとっても新鮮でした!
      北ノ又川、よかったです。スキーでなくてヒップソリでもなんとか行けるかも…?!笑

      実は山仲間のKさんと結婚しまして、一緒に住んでます!
      で、新潟の南魚沼市に家を借りたのです。(まだ東京と行き来する生活ですが)
      八海山や阿寺山の麓です。今回の起点である三国川ダムも自宅から車で20分でした。笑

      • 御結婚おめでとうございます。

        越後での新生活も、とことん楽しんでくださいませ。

        • ありがとうございます。
          早速楽しいです!
          新米の新潟岳人ですがどうぞよろしくお願いします。

登山ガイドWaka
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