スポンサーリンク
山スキー上信越

柄沢山 白銀の峰と嬉しい出会い 山スキー

上信越

2023年1月9日(月) 5時45分
駐車地点 (6:25) – ●906m (7:35) – 尾根取付 (8:30) – 柄沢山 (11:00) – 滑降 (11:30) – ●906m (12:00) – 駐車地点 (12:10)

メンバー : 3人(Waka, Kさん, Mei)
天気 : 晴れ

気象庁 過去の天気図
Powder Search

※今回のルートは途中に開けた斜面もあるため、雪が落ち着いており好条件時の例外ルートです。無難なルートは山スキー百山に掲載されてます。

怪我から復帰したMei氏から山スキーのお誘い。天気の良さそうな上越の柄沢山へ行ってきた。

朝イチで除雪終了点へ行くと、既に1台の車が。なんと!出遅れた。阿寺山に引き続きまたもや先行者がおり、ちょっと残念な気持ちになる。普段の山スキーでは人が居ないことが殆どなので、誰か1名でも入山していると、今日は混んでるなーという気持ちになってしまうのだ。

支度をしていると、さらに車がやってきて3人パーティーが挨拶してきた。

支度を済ませて登山開始。
涸沢川の右岸をハイクアップしてゆくとそのうち橋が現れて、左岸を進んできたと思われる先行者のトレースと合流した。

ここからはトレースを踏みながら進んでゆく。トレースがあると残念な気持ちになるのに、トレースがあれば、使う。我ながら矛盾している行動だなぁと思いつつ、トレースがあれば早く進めるから辿りたくなるのは生き物としての本能だとも思う。
森のカモシカや野うさぎだって、トレースがあればトレースの上を歩いている。私もカモシカと一緒なのです!笑

トレースの深さを見るとスネほどはある。ラッセルするとなると結構大変そう。どうやら先行者は単独のようだ。何時に出発したか分からないが休憩した痕跡が見当たらずとても体力のある人だと思った。さりげなく余計なポコを避けていてルート取りに無駄が無い。結構な上級者かもしれない。

Mei氏、Kさんとのんびりハイクアップしてゆく。お天気が良くて気持ちが良い。

のんびり行きまーす

2人と先行者の話になり、この板の幅はPon2oonではないか?とか、そういえばあの車見覚えがあるような、とか、ストーカーまがいの会話が弾む。もしかしたらこの人「kawazakanaさん?」「マキハタさん?」と人物特定にかかる
いや、数多ある山でピンポイントで人物を当てられる訳がない。世の中の山スキーヤーはごまんといるのだ。トレースが美しい上級者だってなんぼでも居るでしょう。笑

いずれの堰堤も右岸から快適に越えて、地形図上の林道表記は終点となる。引き続き沢床を詰めてゆく。

そのうちCO1050m付近の二俣へ。予定ルートは右俣に進み、傾斜の緩い場所から支尾根に上がり、P1270mの少し東から柄沢山西尾根に上がる計画だった。巨大な雪崩地形となっている柄沢山の中で最もリスクの低いルートだと思った。

しかし、今まで踏んでいたトレースは左俣へ。さらに奥へと続いている。ここで相談タイムを取る。どちらへ進むか、結構悩む。結論としてはトレースを辿ることにした。早く山頂へ着きたいし、この先行者がどんなルート取りをしているのか気になったからだ。

しばらく順調にハイクアップしてゆくと、トレースは急に方向を右に変え、尾根へと上がっていった。

あれ?まさかのそっち?
予想外の方向転換に驚いた。てっきりこのトレースはP1809mへと進むライン取りをするものと思っていた。向かった先の尾根は、ちょっと登るルートとしては傾斜が急な区間が長く不安なラインだった。
ここでまた皆で相談タイム。やっぱり一番の反省は、先ほど計画通りに自分達のルートを進んでおくべきだったということだ。いついかなる時もトレースに惑わされてはいけないのだ。
さっきの二俣まで戻る?と提案するもそれも時間がかかる。じゃあP1809mへ向かう?
…結論はトレースを辿ることとした。ここまで来たら最後までトレースについていってみようではないか。そして早く山頂に行きたい!(ほんとダメダメ…。汗)

尾根のやや急な取り付きを越えると、上部には歩きやすそうなブナ林の尾根が続いていた。あれ、意外とこの尾根が正解だったのかもしれない。

快適にハイクアップしてゆく

トレースのルート取りは相変わらず無駄がなく順調に高度を稼いでゆく。先行者が周り全体をしっかり見て適切なルートを取りをしているのが良く分かる。

気づけば左手に柄沢山が見えてきた。一面べったり雪に覆われた山容がとても美しい。
よーく目を凝らすと、柄沢山直下の沢筋にはいくつもの横筋が入っている。ちょっと雪被ってるけど、あれクラックじゃない?今年はクリスマス頃にドカ雪が降った影響であちこちの山域で奇妙なクラックが目立つ気がする。

柄沢山が近づいてきた!
高いところまで登ってきた。眺望が良い

標高を上げてゆくと次第に疎林になってゆく。傾斜が増してゆき、積雪が増える。斜度があり条件次第では雪崩そうな斜面。残雪期ならまだしも厳冬期にこれを単独で行くのはちょっと怖そう。先行者、すごいな。

上部はけっこう急斜面

Kさんが「カモシカがいるよ!」と声を出す。そしたら直線距離にして500m程離れた対岸の尾根に黒い物体。アレのことかな?しかし待てど暮らせど動く気配がない。最終的には石ではないかと思った。(家に帰って写真をズームしたら確かにカモシカだった!)

Kさんはやたら遠くの登山者や動物に気づく能力がある。山の中に異物があると嫌でも見えるらしい。正直私はそんな遠くまで見えないし、よく分からんです。笑

黒い物体が2つ写っている
ズームしたら、確かにカモシカだった!

柄沢山の西尾根に乗り上げると風が吹き付けるようになる。西尾根の向こう側に白銀の谷川連峰が姿を現した。

柄沢山西尾根に乗り上げた。ピークまであと少し
尾根の向こう側に谷川の山々

西尾根を右に辿ってゆくと本来私たちが詰めあげる予定だったP1270mが見える。もし向こう側から乗り上げた場合は風に吹き付けられながらひたすら尾根歩きをする必要があるのか。

今回歩いたルートは自分の経験上ではあまり候補になり得ないラインだったが、いざ辿ってみたら登れることが分かった。途中にオープンな急斜面があるものの条件次第ではアリなライン。一見すると登るのが大変そうな尾根でもルート取りが上手ければ登れることが分かった。おそらく先行者は経験があり尾根の状況がイメージ出来ていたのだと思う。
トレース付いてくおばさんになってしまったのは反省だが、ひょんな事から良いトレースを辿らせてもらえて良かった。私もこうやって安全と効率の兼ね合いを考えてその日その日で良いルート取りが出来るようになりたいと思った。そのためには色々な地形や斜度を知る、山スキー自体の経験値ももっと必要だと思った。

青と白の世界!
後ろに見えるのは巻機山

少し風は強いが、柄沢山までの稜線漫歩を満喫する。全てが白銀に覆われ、輝いている。心の底から美しい世界だと思った。

最後のひと登り
柄沢山は目前!
新潟は良い!

柄沢山まであと数十mのところで、嬉しい出会いが。
少し先行していたKさんが誰かと話しているのが見えた。あの人がトレースの人かなぁ?なんて話しながら私たちも近づいてゆく。するとKさんが「kawazakanaさんだよ。」と私たちに言ってきた。
なんと?!やっぱりkawazakanaさんだったか!あのトレースはやっぱりそうだったのか。だって神トレースだもの。笑

会話を交わし記念撮影をしてkawazakanaさんとはお別れ。
まさかのまさかで出会いがあって良かった。あのトレース、本当に勉強になりました。

kawazakanaさん!
私たち3人も撮ってくれた!!

11:00柄沢山到着。風が強いので、手早く準備を整えて滑降準備に入る。

Mei氏は日陰でパウダーがありそうな柄沢山直下にドロップしたそうだったが、部分的にクラックらしきものが目立ち、避けて滑るとしても遠目には上部にシュカブラ地帯もあり、今の私の技術では難しい斜度と状態な気がする。転がる未来が見える。下は確かにパウダーっぽいけど…!
申し訳ないがそう伝えて、巻機山方向に移動しP1809mの少し南側から落ちている沢筋を皆で滑降することになった。

いざお楽しみタイム!
Mei氏が先に滑降

トップバッターはMei氏。滑るの上手い!気持ちよさそうに滑降してゆく。

続いて私がMei氏の背中を追いかける。出だしは重い雪だったが、次第にパウダーに切り替わる。
つい、笑顔が溢れる。広々としていて気持ちが良い!!!

柄沢山の懐に飛び込みます

所々でピッチを切りながら順調に滑降してゆく。Mei氏が先に滑って待っていてくれると、なんだかすごい安心感がある。私とKさんが2人で来ていたら雰囲気はもっと違っていたと思う。笑

Kさん
Waka
Mei
パウダー

あっという間に取り付いた尾根の元まで戻ってきた。
Mei氏が、パウダーあって良かった!と喜んでいたので良かった。笑

楽しめたので結果オーライだったかな!もう少し(私が)レベルアップしたら今度は柄沢山直下からドロップしたい。

滑ってきた斜面を振り返る

その後、沢筋の傾斜はグッと緩むが、板はよく走る走る。あっという間に除雪終了点へ。

お疲れ様でした


12:10無事下山!

とても充実した1日でした。嬉しい出会いもあり、良い1日でした。
Mei氏ありがとー!楽しかった!また一緒に行こうね。

参考

※山行後にkawazakanaさんから連絡ありました。今回のルートは雪が落ち着いており好条件時の例外ルートとの事です。無難なルートは山スキー百山に掲載してます。

【小ネタ】
柄沢山は昔は「涸沢山」だったようです。

藤島玄 『越後三山・只見集成図』より

私が綺麗だと思うトレース

今回は、ひょんなことから美しいトレースを辿ることが出来て勉強になった。
美しいトレースの基準は人それぞれだと思うが、私が思う綺麗なトレースの特徴を書き出して見ました。(今後増えてゆく可能性あり笑)

①無駄がない。効率が良い
・キックターンが少ない
・余計なアップダウンをしない
・なるべく歩きやすい場所を歩いている
・変な方向転換(スキー板をちょっとずつズラして方向を変えるようなやつ)をしない

②急斜面を安全に楽に登れる
・無理やりな直登をしない
・絶妙なタイミングでのキックターン

③ボコボコしてない真っ直ぐなトレース

こんな感じでしょうか。皆様はどんなトレースが好きですか?(^○^)

立ち寄り

中華こしじ( 11:00〜15:00 )
〒949-6681 新潟県南魚沼市余川1861−7 (Google Map)

kawazakanaさんおすすめの中華料理屋。いついっても人が並ぶ人気店のよう。曰く何食べても美味しいとのことだったが。まずは定番らしい「スタミナセット1000円」をオーダーした。
麻婆豆腐は割とピリ辛。かなりボリューミーで満腹!とても美味しかったです!
隣の席の人が食べていたチャーシュー麺がかなり美味しそうで、今度はチャーシューを食べてみたいと思います!

スタミナセット

動画

タイトルとURLをコピーしました