2024/5/25(土)〜5/27(月)
5月末、谷川連峰の主稜線を縦走してきました。
1日目:土合〜西黒尾根〜谷川岳肩ノ小屋
初日は土合駅集合。なんとここでアクシデント発生。関越トンネルが通行止めとのこと。
解散場所の越後湯沢駅に車を駐車して出発地に向かう予定のお客様は、急遽水上ICで降りて土合駅へ直接向かうことでことなきをえました。
上り新幹線で越後湯沢へいらっしゃったお客様は、JR上越線の乗り換え時間が4分しかなく、列車のドアが閉まる0.5秒前にギリギリセーフ!多分私がドアの前でウロウロしていなかったら、もっと早く閉まっていたかもしれません。良かったです(笑)
バタバタでしたが、どうにか全員集合。4名+ガイドWakaで2泊3日の山旅へ出発です。
登りは日本三大急登と呼ばれる西黒尾根から登ります。距離は3.5kmと短いものの、標高差は1,200mとキュッと詰まっています。
今回のツアーのメインは2日目の谷川主稜縦走です。初日はロープウェイで上がってしまった方が楽ですが、登山たるもの自らの足で登るべし!という超個人的な思想の元、今回の行程を組みました。
ご参加の皆様にロープウェイで登りたい人?と最終確認をいたしましたが、西黒尾根を登る気満々でしたので、予定通りのルートでいざ出発です。
急登といえど、登山道は整備されており、出だしは葛折りでゆるやかに登ってゆきます。5月下旬の陽気は涼しく、虫もおらず快適です。
心地よい森には、タニウツギやオオカメノキが目立ちました。
時折振り返ると、白毛門、笠ヶ岳、朝日岳と3座並ぶ姿が望めます。高度を上げるほどに、上州武尊山、至仏山、燧ヶ岳、皇海山などが見えてきました。
標高1,500m程で森林限界を迎え展望が開けました。
この辺りから岩場・鎖場が現れます。谷川岳の稜線近くは蛇紋岩なので滑りやすいです。小柄な方にはちょっと大変なポイントはスリングでサポートしながら、岩場をクリアしてゆきます。
ラクダの背から、勇ましい谷川岳のピーク、トマの耳とオキの耳の眺望。
ラストスパートは急登です。えっちらおっちら頑張ります。道中、岩の割れ目に咲く花々が私たちを応援してくれているようです。
と、ホソバヒナウスユキソウ(細葉雛薄雪草)発見!谷川岳や至仏山にしか生えないお花。蛇紋岩帯にしか生育しない固有種のお花です。出会えてよかった!
西黒尾根のフィナーレは残雪歩き。といっても綺麗なステップが出来上がっていたので、チェーンスパイクは必要ありませんでした。ストックを雪に差しながら1歩1歩確実に登ってゆきます。
稜線上はやや冷たい風が吹いています。肩ノ小屋分岐に荷物をデポし、谷川岳のピークへ寄り道しました。道中お迎えしてくれる花々に心がほっこり。
オキの耳、その先の奥の院へ寄り道し、楽しんだ後に肩の小屋へチェックイン。
とても暖かく、居心地の良い小屋です。
17:30に夕食をいただきます。
19:00前、日没を眺めに外へ。主稜線にかかっていた雲は次第に晴れ、赤く染まる山脈を眺めることができました。
全員でその展望をいつまでも眺めます。
「泊まらなければ、みられない景色ですね。」1人がそう呟きました。
本当に、そうですね。私は山々が赤く染まるこの時間が最も大好きです。泊まりの登山が大好きです。山の素晴らしさを共感し合える皆様と、一緒に登山することができて、幸せだなぁとしみじみ感じました。
【メモ】
谷川岳肩の小屋
消灯:20時
寝具:枕、寝袋、ウレタンマット
トイレ:屋外に1つあり
お湯:無料、夜就寝までに食堂へ水筒を渡す
水:無料、煮沸して冷ました水を翌早朝ボトルから汲める
朝弁当:おにぎり二つ、ウィンナー、唐揚げ等(梅干し、昆布味のおむすび。大きくて美味しい!)
電波:au有り(他は不明)
※その他縦走用のお弁当をお願いすることもできる。
2日目:肩ノ小屋〜谷川主脈〜平標山ノ家
翌朝、4:40登山開始。朝の天気は−2度、風あり、ホワイトアウト。
電波が入るので、天気予報を再度確認します。下界の天気は曇り、雨雲レーダーで雨雲もかかっておらず、どうやら谷川連峰のみに厚い雲がかかっているようです。
霧雨なので、レインウェアを着て出発です。視界が悪く、足元が濡れていて滑りやすいので慎重に進んでゆきます。谷川主稜は意外と切れ落ちている箇所があり、油断なりません。
普段よりコンディションが悪くハードですが、足元に咲く花々に癒されます。
ちょうどシラネアオイが見頃のようです。
風が強くなったり、弱くなったりする中、アップダウンをこえてゆきます。
オジカ沢ノ頭に到着し、すぐ近くにある避難小屋で小休止。暑い日は内部に熱がこもって灼熱ですが、今日は天国の空間。しっかり行動食を食べ、体力を回復させます。
歩いていると、とにかく可愛いお花たちが目に入ります。白やピンクのキクザキイチゲ、ハクサンイチゲ。こんなに厳しい環境の中、健気に可憐に咲く花々に勇気づけられます。
小障子ノ頭、大障子ノ頭を越えて、万太郎山に到着しました。
晴れ間が訪れ、雲の向こうに苗場山や、湯沢のまち、谷川岳から続く稜線の眺望が見えました。
ちょうど山頂で、吾策新道から登ってきたという登山者に会いました。彼はまた同ルートへと下ってゆきました。私も歩いたことがありますが、結構道が悪くてハードです。
ここまできてようやく半分ほど。まだ先は長いです。頑張りましょう!
道中の避難小屋で休憩しながら、じわじわ歩みを進めてゆきます。エビス大黒ノ頭を越え、いよいよ谷川連峰最高峰の仙ノ倉山が近づいてきます。
ここの登りは長く、頑張りどころです。
そしてついに!仙ノ倉山に到着です。
ここまで来れば、ゴールもあと少しです。
仙ノ倉山〜平標山の間はお花畑で有名ですが、果たして今はどんな様子か…。
「気の早い子たち、どれくらいいますかね。」「きっとたくさんいますよ!」
なんて、ワクワクしながら進みます。
お花畑は満開!とはいきませんでしたが、生まれたての花々をそこかしこに眺めることができました♪
お花は可愛いけれど、風がひときわ強くて歩くのが大変でした。煽られないように頑張って!
平標山到着!長かったですが、ついにここまで到着しました…!
平標山ノ家まであと少し。
小屋に到着すると、暖かい山口さんご夫婦がお出迎えしてくださりました。
ちょうどお風呂を沸かしている日だったそうで、特別に入れていただきました。
目前に山々の展望を眺めながら幸せな入浴の時間…。本当にありがとうございました。
夜はランプの灯りで山菜天ぷら夕飯をいただき、皆んな疲れたのか19:00には就寝しました。
【メモ】
平標山ノ家
消灯:20時
寝具:枕、毛布、敷布団
トイレ:素泊まり部屋(避難小屋)先にあり
お湯:無料、ポットで用意してくれる
水:水場あり
電波:au屋外で若干有り(他は不明)
※お弁当の提供あり
3日目:平標山ノ家〜大源太山〜浅貝
翌朝、5:30に美味しい朝食をいただき、6:10出発です。
しばし稜線を縦走し、大源太山のピークに寄り道しました。
こちらは「上越のマッターホルン」と呼ばれていないほうの、穏やかな大源太山です。
大源太山からのくだりはダケカンバ、ブナと、明るい広葉樹の森で楽しいです。
静かな登山道でとっても雰囲気が良い。
あれ?葉っぱが片側に2枚ついた、舞鶴じゃない舞鶴草がありました。
10:20、浅貝到着!
10:41越後湯沢駅行のバスに乗り、帰路につきました。
3日間、お疲れ様でした。ご参加くださりありがとうございました!