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沢登り会越国境

会越 室谷川 前ノ沢左俣

沢登り

日 時 2020年8月22日(土)
山 域 会越国境
目 的 沢登り
コース 駐車地点〜
林道〜7:40入渓点〜7:55二俣分岐〜13:10登山道〜13:25御神楽岳13:55〜16:10室谷登山口〜林道〜駐車地点
人 数 4人(Waka、Kさん、Sさん、Mちゃん)
天 気 曇り(遡行中は時々太陽が見える。)

※ブログ最後に遡行図あります。

photo by Sさん
photo by Mちゃん
OLYMPUS DIGITAL CAMERA photo by Kさん
OLYMPUS DIGITAL CAMERA photo by Kさん
OLYMPUS DIGITAL CAMERA photo by Kさん

 私が初めて会越の沢に入ったのは、つい2ヶ月程前の話だ。室谷川支流駒倉沢〜倉谷沢の遡下降。人生初の経験。会越の渓相と稜線からの景色にとても感動した。

今回の沢は当時歩いた沢から少し下流に降ったところにある。名峰「御神楽岳」が北西に抱えている沢、前ノ沢である。

大沼(225m)付近、車で林道で入れるギリギリまで進入する。
駐車スペースには大量のメジロアブが。ドアを開けた瞬間に数匹が車内に進入してきた。見慣れない車に一目散に集った後は、「無機物」だと判定したのか、その後分散した。数十匹は飛んでいたが、幸いな事に噛まれる事はなかった。

準備を整え入渓。林道が大きくカーブする最初のポイントで脇の茂みに入る。踏み跡を辿ると程なくして前ノ沢に降り立った。

車を運転している間から、阿賀野川の水量の少なさに若干の不安を抱えていたが、やはり前ノ沢の水量も非常に少なかった。雲の隙間から顔を出す太陽に温められて、まるで温水プールのような水温だ。

元々水量の少ない沢なのだろうか、もはや流れの一切無い部分もある。水面に落ちた枯れ葉が漂うことなく浮かんでいる。

 二俣分岐を越えると、短調な渓相から一転、室谷らしい渓相に。白く輝く側壁。両サイドの幅がグッと縮まり、狭い水路を水が勢いよく流れる。釜に溜まる水は美しい色をしている。この色はなんと表現したら良いのだろうか。

駐車スペースであれほどいたアブも、沢ではかなり数が減った。数匹飛んでいるのみ。それでも好戦的なようで、時折噛まれる。

しばらく歩くと側壁も次第に低くなり、樹林帯に囲まれた沢歩きとなる。ナメも点々とあるが、標高330m辺りは再び短調な渓相。インゼルを1つ通過。小滝が沢山現れる。部分的にヌメる箇所あり、場所を選びながら慎重に登っていく。

地形図上では水線が消える場所、二俣分岐は右俣に進路を取る。その上で素晴らしいゴルジュ帯に突入。かなりミニマムなゴルジュだが、いくつもの連続した釜に水が段々と流れ落ちる。

釜に腰をおろすと、水流がかなり抑えられる。良い事を思いついて、その1段下の釜の水を全て掻き出したら、案の定、沢の流れがピタリと止まった!
再び腰を上げると、堰き止められていた水流が一気に流れ出す。
白く、勢いよく下流まで流れていく様はまるで「鉄砲水」だ。原理は全く同じなのだろう。
その事実に皆が興奮し、しばらく歓声を上げながら遊んだ。

標高600m辺りで次第に沢も開けてきて、登る背後には五剣谷岳など、魅力的な山々が見渡せた。

やはり水量が非常に少なく、悲しいかな「ワカシオグサ」が蔓延る小滝やナメもあった。

上部で再び、ミニゴルジュ帯に突入。水流で磨かれた滑らかな側壁。部分的に苔むしていて、メルヘンな世界が広がっている。まるで日本庭園のような芸術的な景観だ。メンバー全員、ワイワイはしゃぎながら楽しく遡行する。

全体的に樹林の中の遡行だった為、詰めの藪漕ぎはまだかまだかと覚悟しながらの遡行。意外な事に、かなり上部まで沢は続き、小さいながらも稜線近くまでナメ歩きを楽しむことができた。

いよいよ沢が終わる。沢筋が突然プッツリと切れ、正面には土壁が広がるのみ。進路を左方向にとり、笹藪、低木の藪を漕いでいくと、登山道に合流した。登山道は、尾根上の北側の斜面ギリギリに沿って存在していた。当初は中々現れないとヤキモキしたが、思い切り向こう側に出るつもりで進めば簡単に見つかるだろう。

登山道から見上げた空はどんよりと曇り空。遡行中に見えた太陽も隠れてしまっていた。目前には御神楽岳の抱える尾根の側面が見える。樹林が剥がれ落ち、アバランチシュートの存在する山容は実にいかつい。

雨乞峰を越え、待望の御神楽岳(1,386.5m)に到着。途中、何人かの登山者ともすれ違い、改めて御神楽岳が地元に愛される山である事も分かった。「会越の谷川岳」と呼ばれる本峰、素晴らしく魅力的な岩壁や沢を多数抱えている。今日は残念ながら展望が無いが、晴れていれば360度、山々が見渡せてさぞ圧巻だったことだろう。

今年の6月から沢登りを初めて、あちらこちらの稜線から御神楽岳のピークを眺めていた。今回、そのピークについに登頂することが出来たのが、とても嬉しい。

私はピークハントが好きだ。
好きな山、気になる山ににどんな手段で、どんなルートで登るのか考えるとワクワクする。御神楽岳は丸ごと魅力的な山だ。次はどんな方法で御神楽岳に訪れようか。難易度は高く、並大抵のことでは到達出来ないピークではあるが、必ずまた訪れたい。

登山道から室谷方面へ下る。
2時間程で登山口に到着。林道から駐車スペースに戻り、無事下山。

会越 室谷川 前ノ沢左俣 遡行図
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