私にとって初の山域、会越へ。
日 時 2020年5月30日 (土)〜31日(日)
山 域 会越 阿賀野川水系 室谷川
目 的 沢登り
コース 駒倉沢〜P1,005〜倉谷沢
人 数 4人(P1,005mまで)、その後は2人
天 気 初日、明け方は曇り。ガスに覆われているが朝7時頃には快晴に。午後に積乱雲が少々発達。
2日目は午前中は晴れていたが、午後には曇り。帰宅中、降雨始まる。
※新潟県阿賀町は、阿賀野川の影響で川霧や雲海が発達しやすいらしい。
明け方のガスはよく見られる光景とのこと。
上部は雪渓が現れる。
ブナの新緑が美しい
最後はスラブを登っていく
未踏の山域、会越へ。
下越地方の阿賀町、静岡に住んでた頃は、全く注目していなかった山域。
日本にこんなに良い場所があったのか、と衝撃を受けた。
山と高原地図はないし、ここらの山は「御神楽岳」を除き、登山道は存在しない。本当に山深い山域。
全体的に標高もそこまで高くない。
しかし、全ての自然が、とにかく素晴らしかった。
沢の水の色も、水に削られて作られた渓谷の形も、スラブのスケール感も、稜線から眺めた景色も、最高だった。
今回の山旅の最低標高は、約230m程だろうか。
そこからP1,005mに詰めあがるまでの約775mの標高差。
ここに山の魅力がギュッと凝縮されていた。
山の魅力は標高だけでは決して推し量れない。
そんな事実が分かった2日間だった。
今回は、山友達のKさんと2人での遡行予定だったが、なんと偶然にも駐車場でSさんとMちゃんに遭遇した。
私自身は、2人とは初対面だったが、インターネット上で2人の情報発信をよく読んでいたので、「すごい人がいるもんだ」という印象の元、存在は知っていた。
今回、まさかの本人達と会う事になるなんて、なんだか有名人に会ったような気分だ。
2人も駒倉沢を遡行するとの事だったので、P1,005mまで一緒に歩く事になった。
山友達のKさんも、類稀なる相当の山好きだが、この2人もたいがい凄い。
そして3人に共通するのは会越という山域を深く愛している事だ。
そんな自然愛好家3人に囲まれての山旅だったのだから、本当に、とても楽しかった。
私自身、沢の経験も登攀力もさして高くない。(というよりほぼゼロ。)
今回の沢も、あまり無理せず、行ける範囲で行こうと、事前に話し合っていた。
結局のところ、(私としては)しょっぱい場面では手を差し伸べてもらい、あとは時間かかりつつも、なんだかんだと頑張って登って、突破する事が出来た。
1つ、滝の水線上を突破した時は、私にマシンガンのように上部から水が降りかかってきた。時間が掛かればかかるほど、体が冷えていく・・・。
ここもなんとか頑張ったが、いやこれはやっぱり「登攀力」鍛えないとまずいな・・・。と思ったポイントだった。
ピーク1,005mで、SさんとMちゃんとはお別れし、Kさんと2人で倉谷沢の下降に取り掛かる。
ピーク南西のコルから下降。滝は巻いたり、いけるところは水線をクライムダウン、手ごろな場所でタープを張って幕営。
深夜1時頃、タープから顔を出して空を見上げる。満天の星に感動した。
翌日は6時15分に出発。
朝一の沢水は冷たくて「こんなの泳げないね」と話していたが、日中は多少気温が上がり、少々寒さを感じながらも泳いで突破。
沢のルートファインディングはやはり難しさを感じる。
私はまだまだ「沢勘」が未熟だ。
Kさんに頼りっきりになってしまったので、ここら辺の能力を今後は、少しずつ鍛えて行きたい。
後半は河原歩きが続く。
私は、足の裏が痛くなってしまい、大幅にペースダウン。
まだまだ、慣れが足りない事を痛感。
沢登り初心者丸出しで、相当ヤバイです。(汗)
色々と至らない点は鍛えます・・・。
最後、倉谷沢の支流から堰堤2つを越えて、林道に合流。
さてここから車まで5キロある。
色々と片付けて歩きはじめたところ、後ろから車の音が聞こえてくる。
隅っこに寄って通り過ぎるのを待っていたら、その車が私たちの隣で停車した。
そしてなんと、窓から顔を出して「乗ってく?」と声をかけてくれた。
普通に濡れているので、遠慮したのだが、濡れてても構わないよとまで言ってくれ、ありがたく乗せてもらった。
どうやら地元の人のようだ。車内では楽しく会話をした。
あっという間に駐車地点まで到着。
お礼を言ってお別れ。
12時ジャスト、今回の山旅終了。
今回の山は、私にとっては、本当に「目から鱗」の山旅だった。
2日間、素晴らしすぎて、こんな山域を教えてくれたKさんには感謝したい。
そして、遡行中も3人に何かとフォローしてもらい、とてもありがたかった。
私自身の今後の課題が色々明らかになった。
まだまだ、至らない点が多すぎる。
1つ1つ、徐々に克服して行けたらと思う。
飯豊連峰
最後のスラブから眺めた景色。
左の全体的に平らなピークが「御神楽岳(1,386m)」、右に辿り写真中心部の山が「日尊の倉山(1,262m)」。さらに右に辿りると「貉ヶ森山(1,315m)」。
「御神楽岳」と「日尊の倉山」アップ。
稜線まで上がると、「御神楽岳」と「日尊の倉山」の鞍部の向こうに「鍋倉山」が見える。
手前に広がっているスラブが「桃尻スラブ」
右に辿ると駒形山ピークに繋がっている。(ピーク、写真に写し忘れました・・・。)
右奥の雪のついたピークが浅草岳。その隣の雪のついた比較的平らな山が「※村杉半島」。
※村杉岳〜大川猿倉山〜猿倉山〜横山。只見町の田子倉湖に囲まれ、半島のように孤立した山々の事。
村杉半島と浅草岳の奥に未丈ヶ岳。村杉半島の左奥の高いピークが燧ヶ岳。
燧ヶ岳の左手前の雪のついた山塊が会津朝日岳など。
その左手前の三角ピークが蒲生岳(会津のマッターホルン)標高828m。
その手前に広がる緑のこんもりした場所はP922m。
そこから右側に降って、山肌が崖になっている場所が小金花山。標高846m(P922mより標高が低いという不思議!)
道中にはカタクリの花が。
キクザキイチゲ
ヒメサユリ
夕飯は「無限ソーメン」。なかなか美味しかった。
うっかり生肉を持ってきてしまったが、幸いな事に今回は食べても何事も起こらなかった。
ポットホール。沢床の穴に入った石ころが、水流で動き、穴を広げていく。
室谷の石は石灰岩?焚き火で石窯に使用したところ、爆ぜて破片が飛び散った。
とても危険だった。
今回、一緒に山旅を楽しんだSさんこと、しゅんぺいさんのブログです。↓