スポンサーリンク
検定・講習独り言

【登山Ⅲ】第一関門・ロープワーク検定合格までの道のりと、産後のチャレンジ!

検定・講習

こんにちは☆
育児と仕事に追われ、気づけばブログが9本も下書きのまま溜まっているWakaです。

2025年9月29〜30日、登山ガイドステージⅢ取得に向けての第一関門、西穂高岳で行われた「ロープワーク技術・岩稜歩行技術検定」を受験してきました。
結果は無事、合格!

(残すは「無雪期ルートガイディング」と「積雪期ルートガイディング」。これらに合格すれば、いよいよ登山ガイドステージⅢとなります。)

今回の試験は、正直、受けるかどうかかなり迷いました。でも、これを逃すと次のチャンスは来年。
「出産のリハビリにもなるし、受けたら嫌でも頑張れるかも。」
そう思い、思い切って挑戦を決意しました。

受験料は66,000円。申し込んだら返金なし。もう後戻りはできません。

練習時間も満足に取れず、直前までプレッシャーに押し潰されそうでしたが、
終わってみれば、本当に受けてよかったと思える2日間でした。

忘れないうちに、自分への備忘録として「取り組んだこと」「感じたこと」「次に活かしたいこと」をまとめておこうと思います。

体力試験

上高地から西穂山荘まで、20kgの荷物を背負って規定コースタイム以内(一般CTの0.8倍くらい)に登りきる。
これができなければ体力不足として不合格になってしまいます。
最初に知ったときは「無理だー!」と思いましたが、結果的にはなんとかなりました。

産後、ゼロからの再スタート

2025年2月下旬に出産。
そこから約2ヶ月後の3月末、人生最低の筋力と体力の中で山に復帰しました。
5月には標高差1,500mの登山ができるようになり、6月中旬からは20kgの荷物を背負って歩荷トレーニングを開始。
近所の八海山で練習するも、死ぬほど重いリュック(笑)でコースタイム通りに登るのがやっとの状態……。
正直「先が思いやられる」と不安しかありませんでした。

20kg担いで八海山トレ
巻機山が美しい!

少しずつ積み重ねた夏

7月からガイド業に復帰。
泊まり山行にも慣れ、8月には練習がてら18kgほどの荷物を担いで3泊4日のガイドを行う余裕が出てきました。
そして本番を意識して、8月中に実際の受験地・西穂高で20kgを背負って2回登りました。

登ってみて感じたのは、
「登山道がとても歩きやすい!」ということ。
6月に練習した八海山の方がよっぽどきつく、これならいけるかも!と自信を持てました。

本番当日

「最初に急ぐとバテる」…これを肝に銘じ、
足の乳酸を溜めず、一定のリズムで登ることを意識しました。
その結果、23kgのザックを担いで制限時間の15分前にゴール!
体力的にもまだ余裕があり、狙い通りのペース配分ができました。

今回の気づき

出産後、最低の体力から半年かけてリハビリと筋力回復に取り組みました。
結果、今が人生で一番体力があるかもしれません(笑)
妊娠もしていない頃に「なんとなく」で過ごしていた自分に言いたいです…。「あの頃もっと頑張れたでしょ」と。

他の受験者の皆さんは本当に強く、女性ガイドの方で制限時間40分前にゴールする方も。
「やっぱりみんなすごいなぁ」と心底思いました。

今回あらためて実感したのは、ペース配分の大切さ。
焦って急ぐより、一定のリズムで着実に登る方が結局早い。
この歩き方を、今後のガイド活動にも活かしていきたいと思います。

ロープワーク技術試験

ロープワーク技術試験は、全部で20項目。
受験生は約1ヶ月前にその項目を確認できます。
JMGA(日本山岳ガイド協会)では「登山ガイドステージⅢ」に向けた事前講習も実施されており、そこで試験項目の確認も可能です。

ショートロープとの出会い

ショートロープの技術は、2023年11月27日に静岡山岳自然ガイド協会の研修で初めて教わりました。
その後、ガイド中に2回、お客様のサポートとして2回、実際に使用。

2024年4月9〜11日の「登山Ⅲロープワーク技術と岩稜歩行技術 事前講習会」で改めてしっかり学び、今回の受験はそれから約1年半後。
講習の名のとおり「試験前に受ける」人も多いのですが、実際に受けてみて思ったのは、直前ではなく、余裕を持って1年前から練習しておくべき!
ということ。
ショートロープは奥が深く、短期間での習熟は難しいと痛感しました。
私自身、試験直前まで仕事が忙しく、練習時間が取れずハラハラでした。

事前講習で得たもの

事前講習では、試験の「解答」を教えてもらえるわけではありません。
講師の先生方が、試験項目に沿って普段のガイディング技術を実演・解説してくださる形です。
情報量がとにかく多いので、「うんうん」と頷いているだけでは確実に忘れます。
しっかりメモを取ることが本当に大事!
ちょっとした所作や動きもすべて学びになります。
講習で得た基礎をもとに、今後の自主練習で技術を磨いていく感じでした。

下見と個人練習

試験の3ヶ月前になってようやく本腰を入れて練習開始。
今思えば、もっと早く始めておけばよかった…。人間とは怠惰な生き物です(反省)。

友人ガイドと沢登りに行った際には、1時間ほど、ガイド役をさせてもらいながら実践練習。
その後、試験地の西穂でも2回練習をしました。
そのうちの1回は、知り合いの先輩山岳ガイドに頼んでマンツーマン練習を実施しました。これが非常に身になりました。

2倍の時間をかけてようやく山頂へ!
友達と交互に練習しました。

試験の採点は非公開のため、どこで点を落としたかは分かりません。
だからこそ、細部まで見てもらえる個人指導は本当に貴重だと思います。
先輩には厳しくも丁寧に指摘してもらい、
「ぎこちないけど、ガイドを任せても大丈夫なレベルにはなった。」
との言葉をもらえた時は、少し自信にもなりました。

ちなみに山岳ガイドは一人ひとり考え方ややり方が少しずつ違います。
いろいろな意見を聞きながら、自分なりに取捨選択していくのが大切だと感じました。

六百山でも練習。まずは藪漕ぎ
頼りになる先輩!

練習記録

2025/07/18 小川山で先輩とショートロープ練習(約1時間)

2025/07/29 友人ガイドと沢でガッツリ練習

2025/08/06 先輩と沢で練習(約1時間)

2025/08/18〜20 西穂で友人とガッツリ練習

2025/09/01 六百山を先輩と練習しながら登る

2025/09/02〜03 先輩と西穂でガッツリ練習

2025/09/08〜10 登山Ⅲの事前講習(沢登り)

2025/09/25 八海山・屏風道で1時間練習(悪場が長く難しい!)

このうち、しっかりショートロープを練習した日は約7日。
細かい練習を合わせても、実質8日分ほどです。

いざ本番!

試験では受験生同士がペアになり、交互にガイド役を担当しました。
「いつものお客様を案内しているつもりで、お客様の安全を最優先に」と意識。
同時に、自分自身の安全も大切にするよう心がけました。

そして、私自身の注意事項としてオドオドしない。「自信を持って取り組む」です。

手際の悪さや無駄な動きはありましたが、なんとか安全に案内できた…と思います。

試験中に感じた課題

悩んだのは「手の屈曲を使った確保」をどこまで行うかという点。
「女性だから無理できない」と思っていましたが、
7月に男性の友人ガイド(岩稜試験合格済)と体重を比べたら、悲しきかな、まさかの私の方が2kg重いことが判明!
「もう言い訳できないな」と腹をくくり、
本番では可能な範囲で屈曲での確保も取り入れました。

しかし、終了後、試験官の先生から
「女性の場合、確保しきれない場面もあるので、できるだけテレイン(岩を利用した確保)を活用した方がいい」
とのアドバイスをいただきました。
私のショートロープは、だいぶ男性ガイドぽかったようです(笑)。

体重が重いとはいえ筋力量には差があるし、結局のところ、より安全で確実な確保を行うための“判断力”を高めていく方が良いに越したことはありません。

しかも、この言葉をくださったのは尊敬する山岳ガイドの先輩。
アドバイスを受け入れないわけにはいきません!
これからも、自分の体格や特性に合ったスタイルを模索しながら、技術を磨いていきたいと思います。

また、ロアーダウン(お客様を安全に引き下ろす技術)などでは、
「現場の物を使ってどう安全に・効率的に行うか」を瞬時に判断する力が必要だと痛感しました。
できたとはいえ、もっとスムーズにこなしたかった項目も多く、やはりこのあたりは練習量と場数が私には圧倒的に足りてないと思いました。
次回はより改善していきたいと思います。

ザックについて

今回は、20kgの荷物を入れるメインザック(60L)でそのまま試験に挑みました。
他の受験生はロープワーク用にサブザックを用意していましたが、私は余裕がなく…。
中身がスカスカで出し入れしづらく、見た目もちょっと不格好でしたが(笑)、結果的に合格できたので良しとします!

試験を終えて

無事に合格できたものの、やはり反省点は“練習量の少なさ”でした。
モヤモヤせずに「やり切った!」と思えるくらい練習して臨めたら良かったなと感じます。
もっと時間に余裕をもって、ロープを触るだけでも良かったのかもしれません。

試験後、先輩ガイドから
「わざわざ西穂まで行かなくても、近場の岩場で移動時間を練習時間にあてた方がいい」
というアドバイスをもらいました。

確かに、西穂で数回練習して分かったのは、
毎回同じ岩を使えるわけではなく、混雑具合など状況によってロープの長さやテレインの位置も変わるということ。
特定の岩を覚えるより、どんな岩場・状況でも臨機応変に対応できる経験を積むことが大切だと実感しました。

そして改めて感じたのは、ショートロープは“ガイド特有の技術”だということです。
私は沢登りが好きですが、ただ沢登りに行っているだけではショートロープ技術は上達しません。
検定を受けると決めたら、遊びの山を少し我慢してでも、技術練習にしっかり時間を使うことが大事だと思いました。

今後の検定、そしてガイドとしての現場に向けて、
これからもショートロープ技術を磨いていきたいと思います!

・・・
最後まで読んでいただきありがとうございました。
内容がよかったらワンクリックお願いします。↓

・・・
最後まで読んでいただきありがとうございました。
内容がよかったらワンクリックお願いします。↓

コメント ☆お気軽にコメントください☆

登山ガイドWaka
タイトルとURLをコピーしました