2024年4月中旬のとある日。
今日もメンドリ達が産卵してくれそうな様子だったので、皆が産んだあとにまとめて卵を回収しようと思っていたら、最後に産卵箱に入ったミサキが1時間以上経過しても座り込んで出てこなくなりました。
まさかと思いお腹の中を探ったら、3つの卵を温めていることが確認できました。どうやら抱卵を始めたようです。
以前、同じ名古屋コーチンのリボンが抱卵を始めたことがありました。その時は無精卵しかなかったの、温めたら腐ってしまうため卵は取り除きました。リボンはお腹の下の卵が無くなっても、飲まず食わずで卵を温めるフリだけは1ヶ月ほど続けていました。
今回の卵は全て有精卵です。かねてより自然孵化に興味があったので、台所で保管していた卵4つをミサキのお腹の下に押し込んで、合計7個の卵を見守ってみることにしました。
リボンが抱卵していた時は飲まず食わずでほとんどの間産卵箱にいました。
ミサキもそうかと思いきや、翌日、さっそくお腹が空いたのか、朝の餌の時間に外に飛び出てきて他の皆んなと餌を食べはじめました。随分気が立っているようで、「オォォオオオ!」とまるでドラゴンのような雄叫びをあげ、羽をバサバサしながら歩いています。
食べ終わったら卵の元に戻るかと思いきや、砂浴びしたり土いじりして1時間以上、庭をウロウロしています…。そのうちようやく戻ってくれてホッとしました。
他のメンドリ達がミサキの隣で無理やり産卵したようで、いつの間にかミサキの温めている卵は10個まで増えました。
翌日以降も、朝はお腹が空くようで餌を食べに外へ出ますが、その後も謎に遊んでいるミサキ。見ているこっちがヤキモキしてしまいます。
私たちが孵化器で孵化を試みた時は、長時間卵を温めるのをやめてしまうと、中の雛が死んでしまうと情報があったので、卵の面倒は気を遣っていました。無事に卵が孵るのか心配になってきました。
いよいよ孵化予定日が明日に迫りましたが、ミサキの様子を見る限り雛は生まれないと思っていたので山に登りました。下山して様子を見ましたが、やはり生まれていませんでした。ミサキはまだ抱卵していたので、そのままにしておきました。
しかし、次の日ついに異変が。
ミサキの目の前に、割れた卵と、何かがいました。よく確認すると、くったりと動かなくなったヒナが2羽。ヒナはもう息絶えていました。姿を見た時は嬉しかったですが、もう動かないことにショックを隠せません。いったい何があったのかと動揺してしまいました。
しかし抱卵をサボっているように見えたミサキが、母親としての役目をちゃんと果たしていたことが分かったのは良かったです。
次の日は生まれた後の殻だけがありました。不思議に思って産卵箱からミサキをどかしますが、ヒナはいません。産卵箱の周りにもいません。すると鶏舎の奥でセンベイが息絶えたヒナをつついて遊んでいました…。
1つ、ヒビが入って腐っている卵を除き、孵るかもしれない卵は残り6個。ミサキに任せるか、卵を孵卵器にうつすか、悩みました。
生まれたとして、またセンベイにつつかれたり、ヒナがなくなってしまうのは可哀想だと思い、孵卵器に入れました。
しばらく見守りましたが、結局ヒナは生まれませんでした…。
亡くなった雛は合計3羽、残りの6つの卵も孵ることはありませんでした。
初の自然孵化で、母の顔になったミサキでしたが、環境が良くなかったのか、残念な結果になってしまいました。もし次があるなら他のニワトリとは隔離した方がいいのかと思いました。