2020年9月5日(土)〜6日(日)、会越の木ノ根沢に行ってきた。
初日、沢ではそれほど虫の気配はなかったが、源頭近くの幕営地には数匹のオロロと大量のヤブ蚊。
翌日も時折スズメバチがいたり、小さな羽虫に囲まれたりとなかなかの虫パラダイスだった。
肝心の毛虫に関しては、私自身はその姿を目撃することは少なかった。
一度だけ、藪を漕いで登山道に合流した直後に、私の左腕を散歩している毛虫(おそらくチャドクガの幼虫)を発見したので、枝ですくって藪に逃したぐらいだ。
しかし「たったそれだけ」の事でこんな目に遭うとは・・・。
結果的に左腕にひどい湿疹が出来ていた。
我慢ならずに、後日皮膚科を受診したところ「毛虫皮膚炎」との診断結果が。
登山において、虫刺されは仕方ないことであり、いちいち騒いでいてはキリがないだろう・・・。
しかしながら、私自身ここまで刺されたのは初めての経験だ。
今回は「忘備録」として記事にまとめておこうと思う。
2度とこんな目に遭わないように、今後はしっかりと対策を考えておきたい。
刺された当時の様子
服装
初日:ファイントラックのラピッドラッシュ着用
幕営〜2日目:半袖のTシャツに薄手のウィンドシェルジャケット
周りの環境
初日:入渓点はちょい藪漕ぎ。沢自体は藪漕ぎはしない。木漏れ日の沢登り。遡行中は虫の気配は特に感じず。
幕営地:源頭近く。幕営地のすぐ隣は藪。ヤブ蚊が大量、オロロ数匹、蛾も数匹飛んでいた。
2日目:詰めから登山道合流にかけては、軽い藪漕ぎ(笹・竹・細い木)雑草多め。小さな羽虫、ヤブ蚊、スズメバチ、毛虫・芋虫(いつの間にか服についていた)
湿疹に気づいた時
1箇所目:2日目の午前11時頃
2箇所目:2日目の夜
病院での診断
9月8日(火)の午後、皮膚科へ行った。
医者から様子を聞かれ、診断結果は「毛虫皮膚炎」
毛虫に直接触っていなくても、毛虫のいる木々から風に乗って毒毛が飛んできて身体に付着するだけでかぶれるそうだ。
私が症状に気づいたのが2日目だったので、実際に付着したのは1日前の土曜日ではないか?との話もされた。
処方された薬
(上から)
①ダイアコート軟膏
身体用。皮膚の炎症を抑える効果あり。ステロイド剤。1日1〜3回
②スピラゾン軟膏
顔用。他は上に同じ。
※顔は身体よりも、薬が浸透しやすいので、薬も効き目の優しいものを使用。身体用と使い分ける必要がある。
③オロパタジン塩酸
痒み止め。1日1回夕食後。
「夜痒くて眠れない。」と説明したら処方してくれた。
③はあくまでも「痒み止め」であり、毎日軟膏を塗る事が最も重要だと言われた。
3日もすれば湿疹も治るだろうとの事だ。
※診察料は1,100円、薬は550円程、出費は全体で約1,650円程だった。
患部の経過観察
最も湿疹の現れていた右腕の写真。(見苦しくてすみません・・・。)
9月8日(火)午後
寝苦しい程の痒みはなくなったが、部分的にピリッと強い痒み。
つい掻いてしまう事もしばしば。
9月10日(木)朝
大分湿疹が引いてきた。たまに痒みが発生し、ポリっと掻いてしまう。
塗り続けてれば、明日明後日には完全に引きそうだ。
山登りと虫刺されについて
今回の出来事をツイートしたら、やはり他の皆も被害に遭っているようだった。
山登り(沢登り)と毛虫は切っても切り離せない関係・・・。
湿疹が酷いから皮膚科行ったら毛虫皮膚炎だった🐛😱
風に乗って毛虫の毛がくっつくだけでダメらしい❗️
沢登りで虫は仕方ないのかもしれんけど、耐え兼ねる痒みや…🐛🐛🐛🐛— Waka (@3776_yamanchu) September 8, 2020
皆さんからリプライをいただいた。↓
主に常緑樹の葉の裏に潜んでいて
敵が来ると身体中の無数の刺毛を飛ばすとか。刺毛自体に毒があって、洗濯しても衣服に残ることもあるらしいでっせ。ワシも巻きでやられて10日間ほどブツブツですた。— 森乞食【Bosgeuzen】尿酸値高い系 (@HawkeyeTommy) September 8, 2020
あれは痒い💦
服についてたりするので着替えるときにも注意が必要です💦— むねち (@m_edge_0072) September 8, 2020
同じく皮膚科行きました💦自分も直に触れてない且つ長袖なのに脇下とか太ももまでやられましたー毛が触れるだけでダメとなると虫除けとかでもどうにもならないしで厄介ですね。— Rintaro (@takarinda) September 8, 2020
メールでも刺された後の対応を教えて頂いた。
熱で痒みは緩む。お灸やドライヤーの温風で熱する事で大分楽になるそうだ。
原因
今回の被害をもたらした毛虫は「チャドクガ」の幼虫
(私の服を歩いていたやつも、確かにこんな見た目をしていた。)
身体に「毒針毛(どくしんもう)」と呼ばれる、0.1mm程の目に見えない小さな毒毛を30万本〜50万本持っている。
直接毛虫に触れていなくても、風に乗って毛が飛んできたり、衣服についた毛に意図せず触れてしまうことで、いとも簡単にかぶれてしまう。
基本的に彼らは木の葉っぱの裏に潜んでいる。
「チャドクガ」の成虫も注意が必要。
幕営地で、私のマットの上をひらひら蛾が飛んでいた。
手で捕まえて逃してあげたが、それも危険な行為だったかもしれない。
予防策
ネットの情報を調べて出てきた予防策。
ガムテープではがす
毛がついたと思った段階で実行。直接肌から毒針毛を取り除く方法だ。
50度以上のお湯で洗う・アイロンがけをする
洗濯時の対策。高温で毒針毛を無効化出来る。少し面倒だが、ここまでやれば安心できるようだ。
ちなみに刺された時に着ていた衣類を他の服とまとめて洗濯すると、毒針毛が他の服に付着する可能性もあるらしいので要注意だ。
肌を露出しない
私は長袖を着用していたにも関わらず、今回の被害に遭ってしまった。
薄手の服では効果は薄いのだろう。
情報によれば、雨カッパを着用することが勧められていた。
その上で、手首・足首などの隙間を完全にガードすれば、とりあえず山中での被害は抑えられるかもしれない。
掻かない・さすらない
掻き毟ることで、毒針毛が広がってさらに症状が悪化してしまう。
今後の対応
正直なところ、今回被害に遭った沢では、全く「毛虫」について意識していなかった。
どちらかというと、ヤブ蚊やオロロに注意が向いており、まさか毛虫にここまでやられるとは思っていなかった。
「チャドクガ」、こいつはもしかしたらヤブ蚊やオロロと同等かそれ以上に厄介な存在かもしれない。
今後山に入る際は、服装に充分気を付けたい。なるべく肌を露出しない。
藪を漕ぐシーンでは雨がっぱを着用する。
毛虫の居そうな木には極力触らない・近寄らない。
チャドクガの毒針毛はかなり厄介な存在だが、それでも「毛虫」のことを少し意識しながら山を歩くことで、多少は被害を回避することが出来るのではないだろうか。
とにかく、こんな思いは今後は最小限に留めておきたい。
山登りで「虫が嫌」なんて、山に登るなという話になるが、それでも私は山が好きで、だけど虫は嫌いだ。(但し害虫に限る。カエル、蜘蛛、無害なモスラ、蛇などは好き)
より快適に山歩きを楽しめるように、色々と工夫していけたらと思う。
余談。私が山に関することで病院に行ったのは今回で2度目だ。
前回の怪我は靴ずれ。旧ブログですが参考までに。。。