【日 時】2020年9月11日(金)〜12日(土)
【山 域】頸城
【目 的】縦走登山
【人 数】1人
【コース】
1日目:8:15笹ヶ峰〜10:25富士見平分岐〜11:05高谷池ヒュッテ(幕営)
2日目:4:40出発(テントデポ)〜6:00火打山6:25〜7:25高谷池ヒュッテ(撤収)7:55〜9:05大倉乗越〜10:25妙高山10:40〜12:05北地獄谷分岐〜12:50燕温泉
コースタイム×0.9〜0.7(基準:ヤマプラ)
【交 通】公共交通機関
行き:妙高高原駅ー直通バスー笹ヶ峰
帰り:燕温泉ー市営バスー5関山駅
【天 気】1日目、曇り。午後より時々にわか雨、夕立。2日目は早朝晴れ、日中はガスに巻かれる時間が多くなる。風が強い。
頸城山塊の主峰、妙高山(2,454m)。その西側にたおやかな山容を並べている火打山(2,462m)。よく見ると実は妙高山よりも少し標高が高い。
頸城の山々は私の家からもそれなりに近く、下界や近隣の山々からその姿を何度となく眺めていた。妙高山は北信五岳にも含まれている。いつかは登りに行かなければと考えていた。
全体を通して、雲量の多い天候だったが、一瞬一瞬の晴れ間に山々の眺望を眺めることができ、満足の山歩きとなった。
1日目:笹ヶ峰〜高谷池ヒュッテ
朝、電車で妙高高原駅へ向かう。駅から「笹ヶ峰行き直通バス」を利用する。
乗客は私一人だった。平日とはいえ、金曜日なのに珍しい。
8:15、笹ヶ峰から高谷池(こうやいけ)ヒュッテへ向かう。
今日は3時間半のノンビリ行程だ。
事前調査によると、高谷池ヒュッテのテント場は30張程。競争率が非常に高いらしい。
その事もあり、ノンビリにしたのだが。
朝のバスの様子を見ると、心配しなくても良さそうだ。
そして現在ヒュッテでは、渇水に悩まされている。
テント泊の登山客に対して、飲料水の持参をお願いしていた。
持っているプラティパスを総動員。行動水含めて計4.5ℓになった。
(ちなみに高谷池ヒュッテでは水がジャンジャン流れていた・・・。)
登山口で、自然環境保全協力金500円を支払う。記念品として雷鳥の姿がくり抜かれた木のストラップをいただく。
のんびりと、歩を進めていく。近くを流れる沢の音が心地良い。
太陽も雲隠れ、涼しく快適だ。
黒沢を横断する。橋から沢を見下ろすと、1匹のイワナがヒラヒラと泳いでいる姿が見えた。
標高1,670m付近から「十二曲がり」という急登地帯に差し掛かる。
時折木々の向こうに見える、戸隠の山々や黒姫山に癒されながら高度を稼いでいく。
急登といってもほんの少しの区間だ。250mも高度をあげれば、再び緩やかな傾斜に戻っていった。
黒沢岳をトラバースし、11:05高谷池ヒュッテ到着。
テント場の先客は、4張だった。
地面は泥っぽく、あちこちに水流の痕が。今日の夕方も雨天予報だ。
10分程時間をかけて、入念な地盤調査をしたのちに、テントを設営。
14時頃に、近くの湿原へ散策へ行った以外は、昼寝をしたり食事をしたり、ひたすらテントでゴロゴロと過ごした。
私以外のテント泊のお客さん達は、全員火打山へ登りに行っていた・・・。
私は最後までどうにもやる気が出ず、ただ有り余った時間ゴロゴロしただけだった。
時折にわか雨がチラつき、15時過ぎから本降りになった。
夕方には一時、土砂降りになり遠くで雷鳴も聞こえる。
ちらっと外を覗くと、テント場には小さな小川が出来ていた。
私は以前、剱岳の早月小屋でテントの浸水被害(20年前のテントを使っていて床布の耐水性が皆無だった)で酷い目に遭って学んだ。
今回は事前回避、成功。やっと失敗が生かされた。
2日目:火打山ピストン〜妙高山〜燕温泉
朝4:00起床、朝食を済ませ4:40テントを設置したまま火打山へ向かう。
あたりはガスに包まれており眺望がない。
雷鳥平の手前で夜明けを迎える。
上では風がそれなりに強い。ガスは滞ることなく、常に風に流されている。
瞬間的に展望が見えたり見えなかったりと目まぐるしく状況が変わっていく。
6:00火打山山頂。運よくすっきりとガスが晴れた瞬間に立ち会えた。
北アルプスの白馬三山や朝日岳。
手前に焼山、奥に昼闇山。
新潟方面には日本海が広がっている。火打山から繋がる大毛無山。
弥彦山と角田山も見えた。視線をもう少しずらせば・・・あれは守門や浅草岳も見えているのだろうか?
景色を堪能している間も風は強く、あっというまに展望は雲隠れ。
再び晴れるのを待っていたが、一層濃いガスに覆われてしまったので、諦めて下山。
7:25高谷池ヒュッテ帰着。8時前にテントを撤収して妙高山へ向かう。
妙高山方面もガスがかかっていたが、大倉乗越についた時は、ガスが晴れてその山容を見せてくれた。
7月に大倉乗越から妙高山へ至るトラバース道の途中で崩落があったらしいが、実際にどこなのか分からなかった。高谷池スタッフの方がしっかり整備してくださったおかげだろう。ありがたい。
豪雪地帯の登山道は、全体的に歩きづらいイメージがある。
今回も、横断する沢と登山道の見分けがつかない部分があった。
おそらく雪崩の影響なのか、登山道にも岩がゴロゴロ転がっている。その為、沢と似たような見た目になっているのだろう。
以前歩いた御神楽岳〜室谷も、叶津の八十里越も、道が不明瞭であったり崩れていて悪い部分がある。(御神楽岳の栄太郎新道もヤバいらしい。)
そんな山ばかり登っているであろう新潟の地元ハイカーたちは、なかなかたくましいと思った。
トラバース道を抜けて、9:40長助池分岐。いよいよ妙高山のたもとへ。
ここから山頂に向けて急登が始まる。
息が上がり過ぎないように気をつけながら順調に高度を稼いでいく。
途中で休憩している山ガール1人・山兄ちゃん2人を追い越す。
すると同じタイミングで「僕らも20分もここで喋ってるからそろそろ行きましょうか。」って歩き始めたではないか。
山兄ちゃんは半ズボン履いててトレランぽいし、足速そうだ。
てっきり下りかと思ったら登りだし。
せめてもうちょい間隔空けて〜。と内心感じてしまう。
が、3人グループが絶妙に遅く(?)なかなか追い越してこない。
どうやら山ガールは単独で、山兄ちゃん2人と道中会って会話が盛り上がっているようだ。
悲しくも私とペースが近く、背後の賑やかな会話がなかなか遠ざからない。
仕方ないので少しスピードを上げる。
しばらくの間、苦痛の煽られ登山だったが、次第に声が遠ざかり、無事に静かな山歩きに戻った。
一時、私の心肺は窮地に追い込まれたが、必死に登ったおかげで案外すぐに急登地帯を突破することができた。結果的にはあの3人組に感謝。
10:25妙高山北峰到着。
山頂は非常に賑やかだった。人・人。こういう山頂も久々かもしれない。
さっきまではテント泊・縦走って感じだったが、山頂に着くと一気にハイキングの顔色になった。
日帰りハイカーが多く、泊まり装備は私ぐらいではないだろうか?
テントを担いでいる自分自身に違和感を感じるくらいだ。
続いて南峰へ。相変わらず風は強い。残念ながら遠くの眺望は見渡せず。時折ガスの切れ間から新潟の街を眺めて楽しんだ。
10:40燕温泉に向けて下山開始。
鎖場を経て、順調に降っていく。
北地獄谷より燕温泉へ。光明滝・称明滝が見事だった。
沢沿いの道なので、てっきり悪いかと思っていたが、分岐から麓まで素晴らしい舗装路が続いていた。
12:50燕温泉到着。
【食事処】大日屋商店(定食屋)
燕温泉登山口のすぐ隣。お土産屋さんであり、定食屋も兼ねている。
店内はこじんまり。
焼肉丼(1,000円)をいただいた。とても美味しい。
付け合わせのおかずも野菜も、全て美味しい。
失礼ながら、立地からして観光客・登山客向けの、割高飲食店だと思っていたが、全く違う。手作りの心温まる素晴らしいお店だった。
私好みだ。また利用したい。
【縦走中に見かけたお花たち】
オヤマリンドウ
イワイチョウ
イワショウブ。真っ赤に染まる実。
ネバリノギラン
アオノツガザクラ
オオツガザクラ。ツガザクラと異なり花の形が壺形。
シラタマノキ
イブキゼリモドキ
ミヤマセンキュウ
ミョウコウトリカブト
ウメバチソウ
トモエシオガマ
ダイモンジソウ
分からない
【参考書籍】
妙高・火打・高妻山の植物 (妙高市教育委員会)
定価1,500円。妙高市内の書店などで購入可能。
妙高の植物シリーズ(チラシPDF)