2026年09月10日(木) [日帰り]
仕入沢入渓(7:30)-二俣(7:55)-稜線(9:05)-大鳥沢本流合流(11:05)-コウノキ沢出合(11:30)-赤い滝(13:55)-スキー場(16:35)-丸山山頂(16:50)-駐車場(17:50)
距離13.0km / 登り1,089m
メンバー : 2人(Waka , シュカ)
使用装備 : 50mロープ , ラバー靴 , たわし , ハーケン , カム
※念のため50mロープ持参したが懸垂下降はしなかった。
天気 : 曇り
山行記録
今週は1泊2日でシュカさんと沢登りの約束をしていたが、秋雨前線が本州に停滞している影響で天気予報がすこぶる悪い…。
毎日毎日、やるべきことを差し置いて、4時間おきに天気予報をチェックする生産性のない日々…。
9月10日も天気は微妙だったが、魚沼市周辺は何とか一日曇り予報だったので、シュカさんと2人で、私がかねてより気になっていた只見川大鳥沢支流の香ノ木沢へ行ってみることにした。
国土地理院地図と越後三山集成図では「かうのき沢」、越後三山・只見集成図では「香ノ木沢」、日本登山大系では「コウノキ沢」と記されている。
香ノ木沢は、登山大系でこの辺りの山域を執筆している永井(旧姓:家田さん)さんが、大鳥沢の中でのオススメ沢として教えてくれた沢だ。
奥只見スキー場の丸山に突き上げる沢だが、ここの沢だけだと距離が短いし物足りないかなぁなんて思っていたので、いつか機会があれば沢の遡下降でのクライマックスに立ち寄れたらいいなぁ
なんてぼんやり考えていた。
しかし沢登りは長期になればなるほど、天気含めた良いコンディションを狙うのは難しいというのを、今年はとてつもなく実感しているので
チャンスがあるなら日帰りでも行かなくてはと考えをあらためたところだった。
結局のところ、香ノ木沢は、今の私にとっては今年一番登り応えのある沢だった。日帰りの軽い荷物で駆け抜けることが出来て良かった!
そして、天気が微妙なのにもかかわらず、わざわざこちらまで足を運んでくれたシュカさんに大感謝である。
仕入沢支流 遡行
香ノ木沢を日帰りで登るためのアプローチは2通り思いついた。まずは大鳥ダムへ向かう管理用道路を歩いて、大鳥沢出合いからアプローチする方法。
2つ目は仕入沢の支流から山越えしてアプローチする方法。
前者の場合、国土地理院地図では大鳥沢出合いまで道がなく、もしかしたらダム湖を泳ぐか湖岸をへつらなければいけない可能性があり、状況が分からないのでやめておいた。
仕入沢からアプローチする場合は、累積標高差が1000m程度なので、日帰りでも何とか完遂出来るかなと思った。
朝6時に集合して、車のデポなどを済ませて歩き始めたのは7時半。
奥只見に車をデポした後、うっかり仕入沢出合いを車でスルーしてしまったことも重なり
意外と遅めの出発になってしまった。イメージとしてはあと1時間早めに出発しておきたいところだった。笑
仕入沢は7月に東北遡行同人ゴルオヂのメンバーと遡行した。約1ヶ月半ぶりの入渓だが、渓相は相変わらず素晴らしい。
この時には仕入沢を香ノ木沢のアプローチとして使いたいとは思っていたので、今回遡行予定の支流出合までの下調べはバッチリだ。

二俣まで問題無く進み、未知の支流へ進む。
花崗岩の滝がいくつか現れるがいずれも滝近くを直登できる。
最初の滝の左壁にトラロープが垂れているのには驚いた。釣り師だろうか…?
Co870mを越えてくると、沢はほぼ何もなくて、倒木とゴーロのボサい渓をひたすら登ってゆく。藪は薄く、9時には稜線へ到着。
大鳥沢Co690m右岸支流 下降
大鳥沢へ向けて下降開始。
地形図上だと崖マークが目立つ沢で、果たして何が出てくるだろうか。
一応50mロープと大量の捨て縄を用意してきたので準備は万端だ。
出だしは急斜面で足元はグズグズなので、沢地形を避けて灌木のつながっている場所を慎重に降りてゆく。
水流の出ている沢に行き当たり、沢床に降り立つがヌメリがひどいのでチェーンスパイクをつけたまま下降を続けた。
意外と何も無い沢で順調にくだってゆくが、そのうち目前に大きめの滝があらわれた。
右岸の灌木帯をつないで巻き下ったところ、すぐ下にも大きな滝が続いていたのでまとめて巻いてしまう。
まとめて巻き下ってしまった上、滝壺にドンピシャで出られなかったので2つの滝の景観を眺められなかったのは少し残念。

沢床に降り立つと、また大きな滝があったので、再び右岸へ登り返し巻き下った。
振り返ってみると10mの立派な滝だった。
しばらく下降するとまた滝。さてどうやって下ろうかシュカさんと会議する。
両岸とも急斜面で、怖くないラインで進もうとすると大高巻きになってしまいそうだ。これは懸垂下降か…?と思ったが
滝の真横、右岸にわずかにカモシカの踏み跡が伸びているように見えて、なんとか辿ることが出来そうだ。
数mは灌木のない急斜面のトラバースで緊張したがチェーンスパイクに助けられて無事にこなすことができた。シュカさんのナイスルーファイで良い感じに灌木を使いながら最短ルートで巻き下り成功!

懸垂下降は、ルートファインディングしないから精神的には楽だけど、意外と準備に手間取り、結局時間がかかってしまうのがネックだと思っている。
だから、懸垂下降は最終手段にしておいて、まずは巻き下れるか可能性を探ってみたほうが、時短になるのではと思っている。
まだまだ先が長い1日だ。私の歩行ペースが遅いのは仕方ないとして、その他の要素ではハマることなく今のところスムーズに進んでいるので良い感じだ!
下降の核心は無事に突破して、まもなく大鳥沢の本流に至る。
本流は河原で全く何もない。
それでも、渓相関係なく、長年行ってみたいと思っていたこの場所を歩けていることがとても嬉しかった。
しばらく悪天候が続き、気が滅入る日々だったが、そんな気持ちは吹き飛んだ。
本当に、一緒に歩いてくれるシュカさんに感謝である。
香ノ木沢 遡行
11時半、香ノ木沢遡行開始。
しばらくゴーロを歩いたのちに突如としてあらわれたのは3段の大滝!
突然の名瀑に思わず歓声を上げた。
今日は全体的に増水気味で迫力もある。
永井さんの記録だと「快適に直登した」と書いてあったけど、本当に登れる滝なのだろうか。
1段目は快適に登り、ちょっと高さのある2段目。
意外と立っていてヌメりがあり、うっすら小悪い感じ。
この界隈の沢は「黒又川 みかぐら沢(未丈ヶ岳へ詰める支流のほう)」と「只見川大熊沢一ノ沢」を遡行したことがある。
みかぐら沢は割と優しめの沢で、一ノ沢は小悪い小滝がひたすら続く沢だった。
この感じ、「一ノ沢」を思い出す…。
きっと、小悪い滝はこの後もひたすら続くのだろう。気を抜かず、集中して頑張るぞ!
3段目は瀑水に見えたが、右壁から直登出来た。
ワンポイント、私には難しくて頭を悩ませた。
先に登りきったシュカさんが「手に足するしか無い!」
と言っているけど、胸の位置まで、どうしても足が上がらんのよ。
シュカさんはハイステップがいつもうまい。どうやってやるん。笑
3段の大滝を頑張って突破した後は、息つく間もなく次の滝が現れる!
滝が密集してる。これぞ毛猛!笑
ボルダリングを楽しみながら進むと13mの滝。
瀑水で登る気になれないので右岸より巻き。
チェーンスパイク様々。
たまーにゴーロが現れて休憩できる。笑
側壁は発達していて見事。
たくさんの沢を遡行してきたシュカさんでも、この辺の山域特有の草ボーボーゴルジュは物珍しいみたい。
確かに、越後の沢っていうと、側壁はスラブとか岩盤が露出しているイメージがある。草ボーボーの緑色ではないかもしれない。

小滝たちを登ってゆくと、目前に15mの大滝が現れた!
高巻きは大変そうだ。登るなら左壁かなーなんてシュカさんが言ってる。
シュカさんがロープなしで登りそうだったので、「ロープだそう!」と申し出た。笑
見た目、すっごい黒くて難しそうでロープ無しは絶対に嫌だし、リードすらしたくない気分1000%だったが
このままシュカさんにおんぶに抱っこでは良くない!私も一皮剥けなければとリードを申し出た。
左壁は意外とスタンスはあったが、高度感・たまにあるヌメリ・岩の脆さには緊張させられた。
水流はどうにもヌメリそうで勇気が出なかったので、ちょっと難しいけど左壁をひたすら直登した。
落ち口まで到着して一安心!
永井さんはここも「快適」と書いていたけど、私は快適じゃなかったです!
フォローのシュカさんはサクサク。シュカさんは快適なもよう。笑
私がビビって避けた、落ち口付近の水流沿いも直登してきた。え、そこヌメんないの?
「フォローはいかに早く登るかが大事だから。」
名言!
この滝のグレード聞いたら。Ⅲ+だって。
私的にはⅣ-の気分だった。笑
そういえばCAMPの「ユニバーサルピトン」を初めて使ってみたが、バチ効きっぽい感じで調子良かった。
シュカさん曰く回収も楽だったとのこと。今後も活用していきたい!
次の4m滝は快適に直登。
しばらく進むと
永井さんの記録の中でも印象深い「赤い滝」
こちらもシュカさんがロープ無しでいけるんじゃない?とのことだったが丁重にロープをお願いした。笑
いやなんだろ、なんで茶色とか黒い滝って見た目の威圧感すごいんだろ。
もしこれがキラキラの白い花崗岩だったら、まだ萎縮しないで済んだ可能性はある。
もうちょっと黒い沢へ沢山行って慣れていかなければいけないのだろうか。
シュカさんは左壁をサクサク登り、落ち口へ。シュカさんと永井さんは気が合うかもしれない。笑
フォローで登ったが、以外とスタンスは滑らないが、手は結構ヌメるし、斜度はあって怖い!
ロープ出してもらって良かった!
どうやら、ここはビレイ点構築が難しかったらしく、シュカさんが私のガチ落ちに備えてどうにかこうにか4箇所くらいから頑張って支点取ってくれてた。ありがとうシュカさん。めっちゃ信頼して登ってました!
ここもシュカさん的にⅢ+らしい。笑
いや本当か~?ここだけの話「シュカさんは自分が登れたら全部Ⅲ+にする説」アリ!
この直後の滝が曲者だった。
右壁から登るがけっこうシビアだった。
シュカさんがゆるい感じで「ガバまでもうちょいだ~!えいっ!」みたいな感じで登っていったものだから完全に油断した。
それに後ろへコロンと転がれば赤い滝の滝壺まで一直線なので余計緊張させられる。
洒落にならないかものなので、シュカさんにザックだけ上げてもらって、あとは頑張って登った。
今日イチ難しかった。ここはシュカさん的Ⅳ級でした!

私は、今日は遡行図書いてるのでせっかくだから滝の登攀グレードも書きたいなって思っていた。
シュカグレード辛めじゃね?って思ってたけど案外正しい気がしてきた。
今日私がリードした滝は、緊張はしたけどヌメりと岩の脆さを排除すればスタンスはちゃんとあって、あんま悩まず登れたのは確かだし。
ザック背負って登れるレベルならⅢ+でいいのかなと思い始めてきた。
でも遡行図にグレード書くとなると、そこまでは自信が持てないので、当面の間は無記載ということで。笑
その後も短いスパンで小滝が続く。
1つ小さく高巻いたが、距離短いにもかかわらずチェーンスパイク様々な感じだった。
越後~って感じ。
黒黒とした6m滝はWaka難儀。
スタンスはあるけど、斜度が立ってるしヌメるし!
仕方なしに空身で登って自分で荷揚げした。
その後、目前にわっと広がる岩壁。
ちょろちょろと水流が流れている。
沢は屈曲し、その後に登るのが大変そうな7m滝を右岸から巻いたらようやく渓相は穏やかになってきた。

斜度は緩み、ひたすら続く癒しのゴーロ。
いつもゴーロは退屈だと思っていたけど、今日は「これでもう終わったんだ…。」と安心を与えてくれる。
そのうち土嚢袋だとか、ブルーシートだとかゴミが目立つようになってきた。
おそらくスキー場から流れてきたのだろう。
少しずつ藪っぽくなってきて、ちょっと歩きづらいなぁと思ったところでマンホールのある草原に飛び出した。
16時35分、ここからは綺麗に刈払いされた踏み跡が続いておりそのままスキー場へ。
濃密な1日がようやく、無事に終わろうとしている。
行ったことのない丸山の山頂へ寄り道して下山した。

帰り道、仕入沢出合いの車の回収に向かったが
またまたおしゃべりに花を咲かせてしまってスルーしてしまった。笑
でもスルーしたことに気づいて戻れたので良かった!
・・・
毎日悪天続きで、精神が病みそうだったが、なんとか香ノ木沢へ行けて大満足です。
シュカさん、ほんとにほんとにありがとう!!
そしてこの沢を単独で遡行してる永井さん(家田さん)はすごすぎます。
最近、Kさんが非常にタイムリーなことに、ヤマケイオンラインに毛猛の沢のことを書いている。その中にこんな一文がある。
毛猛という山域を知り、かつての開拓者の凄みに触れ、もっとこの山域を歩いてみたいと思わせてくれた一本だった。
山と渓谷オンライン…黒又川中岩沢。パックラフトでダム湖を渡り、秘境「毛猛連山」の深淵を遡行する
この言葉はすごく共感できる。
香ノ木沢も、私にとってこんな一本だった。
今回の沢は登攀的には私にとっては今年一番難しかったです!
ようやく、少しは沢慣れしてきたところだと思っていたけど
まだまだだと実感させられました。
沢山の沢を楽しむために、引き続き経験値積んでいきます!























