狩猟を始めるにあたり、猟銃・空気銃の所持許可の手続きと並行して狩猟免許(第一種銃猟免許)の取得を目指した。
狩猟免許は、猟銃の所持許可の手続きに比べるとシンプルで簡単だ。一つだけ診断書の調達のみが面倒だといえる。(ただし銃の所持許可があれば免除される。)
〈スケジュール〉
日程 | 内容 |
---|---|
7/13(土) | 銃による猟銃等の体験研修会(無料) |
9/28(土) | 狩猟免許取得希望者講習会(無料) |
11/22(金) | 狩猟免許試験 |
12/9(月) | 合格発表日 |
狩猟を目指したは良いものの、右も左も分からない。まずは県が開催している「銃による猟銃等の体験研修会」へ参加した。
狩猟の始め方や、射撃場での先輩ハンターたちの射撃の実演などを見せてもらった。こちらでは警察担当の猟銃の所持許可申請の流れについても少しだけ解説してくれた。
この研修会に参加することで、ますます狩猟をやりたい気持ちが高まった。
狩猟免許取得希望者講習会
次のステップとして、「狩猟免許取得希望者講習会」へ申し込んだ。新潟県では参加費は無料だ。
当日会場へ赴くと、「狩猟読本」を無料配布してくれる。
午前中は、筆記対策として座学が行われた。先生が試験に出やすいポイントを教えてくださるので、その都度、狩猟読本にマーカーを引いていく。
午後は実技対策にうつり、上下二連銃(模擬銃)の扱い方を教わった。銃を触るのは人生で初めてで緊張した。(試験本番では、距離の目測と鳥獣判定も行われるが、こちらは解説のみで実践的な練習は行われなかった。)
私の場合、この講習が試験本番前に銃を触る唯一の機会だった。
次に銃を手にするのは試験本番だったため、できるまで繰り返し練習した。
銃の扱いが不安な人は、この講習会を必ず受けるべきだ。動画や本だけでは覚えづらい操作も、実際に触れると分かりやすい。
※銃の所持許可が進んでいる場合は、「射撃教習」で銃を触る機会を先に作るのも良いと思った。ただ、射撃教習でも扱いを誤ると不合格となるため、要注意。
会場で、猟友会の方が問題集を販売していたので購入。価格は1,700円。
試験勉強
講習会が終わると、いよいよ試験本番に向けて勉強するのみ!
筆記試験
試験は配布された狩猟読本から出題される。講習会で重要箇所にマーカーを引いたものの、文章が多く、読みづらい。
私は市販の参考書「狩猟免許試験【第一種・二種銃猟】絶対合格テキスト&予想模試3回分」を購入。
試験の約2週間前から、毎日少しずつ全ページを読んでいき、過去問を解いて対策した。
実技試験
筆記試験の対策がすべて終わってから、実技試験の準備に取りかかった。
本格的に覚え始めたのは試験の前々日から。
銃の取り扱い対策
狩猟読本を読みつつ、YouTubeの動画を活用。
ただ、都道府県によって若干やり方が異なるような気もしたため、講習会での講師の実演をスマホで撮影しておけばよかったと思っている。
実際に銃に触れる機会がないので、イメージトレーニングを重ねるしかない。
鳥獣判別の対策
狩猟読本で基本を覚えた後は、ひたすらこちらのYouTube動画を繰り返し視聴した。音声を消せば外出先や試験会場でも勉強できるので、時間を有効活用できる。
おかげで、本番の鳥獣判別試験では手応え十分。おそらく満点だったかも。(※採点結果は不明。笑)
距離の目測対策
夫に協力してもらい、実際に家の外で練習をした。
iPhoneのユーティリティアプリ「計測」を使いながら夫に歩いてもらい、私が「10m」「30m」「50m」「300m」と思う地点で声を出して答える形だ。
10m…まだ分かりやすい。
30mと50m…距離が近いため判断が難しい。
300m…想像以上に遠い!
※試験本番では、2階屋内から窓の外を眺めて「外に見えるスーパーまでの距離は何m?」といった出題形式だった。
同じ目線で測定する練習と、2階など高い場所から目標物を見下ろして目測する練習の両方をやった方が良いかもしれない。
私の試験会場は比較的簡単だったが、都道府県によっては出題形式が異なり、難易度が高いところもあるようだ…。
試験当日!
いよいよ本番。
開場後、受付を済ませた人から順に適性検査が進められる。
筆記試験
座学会場に移動し、午前中は筆記試験に挑んだ。
試験の内容自体は難しくなく、早めに解き終わって見直しも終了。開始30分が経過すると退室が許可され、3分の1ほどの受験者が退席。私もそこで退席した。
実技試験
お昼を挟み、午後一番で筆記試験の合否が掲示された。無事合格を確認して次は実技試験に進む。
名前を呼ばれた者は実技試験の会場へ向かう形式で、私は最初のグループで呼ばれた。心の準備が整う間もなく、他の受験者2名と一緒に試験室へ向かう。
銃の取り扱い試験
まず行われたのは銃の取り扱い試験。
ところが、銃の組み立てがうまくいかない。ガチャガチャと時間をかけてしまう…。
試験官2人が様子を見に来るほどの状況になってしまった。
「厄介な銃だなぁ」という試験官の言葉に少し救われた気がしたが、結局、隣の受験者から銃を借りてようやく組み立て完了。悪目立ちしてしまい、ショックだった。
もしこの後のグループでこの銃に当たった人がスムーズに組み立ててしまったら、単順に私の能力不足が確定してしまう。
その後の団体行動の試験では、狭い部屋で「人に銃口を向けない」ことを意識しすぎた結果、団体行動の際に銃口をあちこち向ける妙な動きをしてしまった…。
「もっと落ち着いてやればよかった」と悔やまれる。
距離の目測試験
次に、距離の目測試験だ。狭い室内(2階)から、窓の外の建造物を指定され、「あそこまで何mですか?」という質問がされた。
気持ちを整え、「10m、30m、50m、300m」の4つの答えから選んでゆく。40m!とか謎回答をかまさないよう本気で気をつける。
ミスの自覚はなく、手応え十分だった。
鳥獣判別試験
その後、再び座学会場に戻り、しばし待機したのち鳥獣判別試験の部屋へ呼ばれた。
スクリーンに映し出される鳥や獣を判別し、回答を紙に記入する形式だが、動画が自動再生されるため、回答時間が非常に短い!書き間違いは命とりだ。
わずか2秒ほどで記入しなければならず、書くスピードが遅い人には不利だと感じた。
それでも、こちらは自信を持って解答できた。
試験を終えて
私は猟銃のみの受験だったため、複数免許受験の人よりも早く終わり帰ることができた。
銃の取り扱いでやらかしたことが心残りだ。不合格の可能性も頭にチラつく。
銃の所持許可の「考査」も、狩猟免許の「筆記試験」も当日合格発表だったので気楽だったが、今はただひたすらモヤモヤを抱えたまま生活するしかなさそうだ。
合格発表
試験の合格発表は約2週間後に、ホームページで告知される。
12/9(月)の午前9:00、ついに合格者の番号が掲載…。
無事合格!
翌日、封筒で狩猟免状も届いた。
免状と共に、免許更新の案内や、有害駆除協力のお願いの書類も同封されていた。
運転免許証と異なり、狩猟免許の更新は案内が来ないので自分で覚えていなければならないことに要注意だ。
最後に
狩猟免許試験を無事に合格し、残すは警察での銃の所持許可申請のみとなった。
諸々の準備に半年ほどかかり、ようやくここまで来た。狩猟デビューは来シーズンからになりそうだが、今から楽しみだ。