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動物独り言

鶏を絞めていただきました。2回目

動物

2024年12月16日、6月に生まれた雄鶏のアラレを、絞めていただきました。

初めてニワトリを絞めたのは2024年4月29日でした。

※当記事にはセンシティブな文章や画像が含まれています

プリンスの事件

夏に、足を怪我した雄鶏のプリンスが襲われる事件がありました。

午前3時頃、「コケッコケッ!」という抵抗するような声で目が覚めました。
外へ飛び出すと、プリンスの姿はなく、地面には散乱した羽が残っていました。

羽は道路を越え、藪の中にまで続いていました。おそらく、イタチに襲われたのだと思います。

プリンスはすぐ息絶えずに、苦しみながらイタチに噛み殺されたことが想像つきました。

当時、私は「次にいただくならプリンス」と考えていましたが、絞める覚悟ができないまま過ごしていた矢先の出来事でした。
「こんなことなら、私たちが責任を持って命をいただけばよかった。」
すごく後悔しました。

それでもやっぱり、自分の手で殺すという行為には大きなエネルギーが必要です。半年以上の間、「命をいただく行為」について考え続けていました。

アラレを絞める覚悟

ようやく自分の中で覚悟というか、ある意味妥協のような気持ちがついた気がしたので、今回アラレを絞める決断をしました。

同じ日に生まれた三兄弟(オカキのみ女の子)
いつも仲良し
すくすく成長中
目の前がアラレ

前回の経験を踏まえて、よりシンプルで、「より苦しませないであろう方法」を試すことにしました。

前日は、解体時のフンの処理を楽にするために餌を与えないようにしました。また、ご近所さんが「雪上だと血の処理が楽だよ。」と教えてくれたので倣うことにしました。

当日

昼過ぎからいよいよ行います。

前回は「逆さ吊りにして、頭に血を上らせてから、失神させて頸動脈を切る」という方法を取りましたが、ニワトリの生命力は強く、失神させることすら上手くいかず逆に苦しめてしまった気がしていました。

今回は服部文祥さんのアーバンサバイバル入門や、さかもと農園さんのブログを参考にしました。前回のブログにいただいたコメントも参考にしています。

前回は夫がとどめを刺してくれたので、今回は、私がアラレの命を奪う役割を担当しました。

アラレの足をクローブヒッチで固定してから、左手で足を持ち、右手で首を思いっきり引っ張り、首の骨を折ります。足を固定した時はアラレが羽をバタバタさせていましたが、首を引っ張る段階では、暴れることもなく鳴くこともなく、かなり静かでした。

首がちゃんと外れているのか、息絶えているのか、正直よく分かりません。片側の頸動脈をすぐに切りにかかります。思い切って、かなり深く切り込みを入れました。

アラレはずっと鳴かないし、地面に押さえつけているためか暴れもしません。そのうちに首筋からボタボタと大量の血が溢れ出るようになったので、逆さ吊りにしました。

しかし、その時アラレと目が合いました。瞬きをしています…。
もう息絶えたと思っていたら、まだ生きているようです。この瞬間、「申し訳ない」と思ってしまったのですが、すぐに冷静になりました。とにかく、一刻も早くトドメをささないと。

吊るした状態で頸動脈を切ると、暴れた時に血が飛び散ると思ったので、もう一度地面に下ろし、押さえつけて、もう片側の首筋を切りました。今度こそ、アラレのまぶたが次第に閉じていきました。

すると、急にアラレがバタバタと暴れはじめたので離れて様子を見ます。おそらく脊椎反射で、これで本当にトドメをさせたと思いました。
アラレは最後まで鳴き声を上げることなく、静かに最期を終えました。

(前回、夫が絞めた時は、首を完全に落としていましたが、鶏の首の筋肉は頑丈で、私に切り落とすことは無理でした。)

動かなくなってから、再び逆さ吊りにして血を抜きました。

雪に飛び散った血はスコップで埋めて、熱湯の準備に取り掛かります。

アラレ、ありがとう。
雪が血を吸ってくれる

夫と二人でお湯の入ったバケツにアラレを浸けて、再び吊るして羽を抜く作業の繰り返しでした。

バーナーで細かい毛を焼く

前回はここに至るまでに何時間も費やしたような気がしましたが、今回は1時間ほどで終えることが出来ました。

解体

台所で、解体の作業です。解体はアーバンサバイバル入門を参考にしています。絞めるのを私が担当してくれたからと、夫が率先して解体を行ってくれました。

肛門の処理を丁寧に行い、今回は腸からフンが飛び出すことなく取り除くことに成功しました。

食べられる部位と、食べられない部位を分けていきます。
肛門・腸・胃袋など食事やフンの通る場所、胆嚢、砂肝の黄色い袋、頭部は食用から除外しています。

肺(ドリ)は、前回は鶏ガラとして煮込んで、食べた記憶があるのですが、改めてネットで調べたところ
「鶏は食ってもドリ食うな」ということわざがあるように、美味しくないし、痛みやすく細菌が多い部位なので食用には適さないようです。ということで、今回からは肺も除外することにしました。

前回も今回も「あれ?」と思った時はこちらのサイトを確認しながら進めています。
イラストではなく実際の写真で、内容も詳しく、分かりやすいです。↓

全55種類!鶏の部位一覧!その全てを専門店が詳しく紹介・解説します。 | トリさばく男
鶏の可食部位や あまり食べる事が一般的ではない部位まで、 精肉店でもあり認定小規模食鳥処理場でもある 名古屋コーチンの店 鳥勝が全て詳しく解説! 部位によっては重複する箇所もありますが 今のところ全54種類、是非ご覧ください! 画像クリック...

内蔵系は一番最初に解体し、酒につけてすぐに冷蔵庫へ。(酒につけたのは失敗でした。後述します。)

その後も、解体しつつ終了したものからジップロックにまとめて冷凍庫へ入れてゆきます。
もも肉は、片足ずつカレー味と、唐揚げ用の味つけ。

前回よりも慣れたためか、この時点でどのお肉も「美味しそう」に見えてきます。

もも肉とむね肉はジップロックへ
肺(ドリ) 黄色いのは脂肪

大体、以下のように分類しました。

・内臓系
・もも肉
・むね肉、ササミ
・手羽先、手羽中、ぼんじり
・鶏皮
・焼肉用 (トサカ、セセリ、細かい部位)
・鶏ガラ

解体作業自体は、ど忘れしてしまい思い出しながらの作業になりましたが、肉の食べられる部位、食べられない部位に関しては意外と覚えていて、スムーズに切り分けることが出来ました。

絞める準備から、解体して、台所の片付けまで、今回は4時間かからずに済ませることが出来ました。
前回は1日がかりの作業だったと思います。2回目ということで少しスムーズに出来たのかなと思います。

作った料理

毎日、夜にアラレを少しずついただくことにしました。

今回作ったレシピで、調理が手抜きで美味しさを活かしきれなかったものもあり、後になって反省しています。せっかくのお肉に勿体無いことをしてしまいました。(正直、そう感じるのは自分達で鶏を絞め、苦労して解体したからこそだと思います。スーパーのお肉は、扱いやすく簡単に手に入り、よほど調理で失敗しない限りは美味しく頂けるのであまり悩んだことがありません。)

以下、実際に作った料理です。(トッピングが雑で美味しくなさそうに見えるのはお許しください…。)
より美味しく頂けるように試行錯誤中です。リピートしたいレシピには「◎」がついています。

砂肝チャーハン ◎

アラレを絞めた日の晩御飯は、夫が砂肝を使ってチャーハンを作ってくれました。卵もネギも自家製で、米も近所で育ったものです。食材全てに感謝しながらいただきました。

砂肝チャーハン!
唐揚げ ◎

下味冷凍したモモ肉(醤油味・カレーマヨ味)で2度いただきました。
カレーマヨの下味をつけたモモ肉は、マヨネーズ効果で肉が柔らかくなり一層美味しかったです。マヨネーズ最強です。

硬いので小さく刻みます
醤油味の唐揚げ
カレー味
【下味冷凍】タンドリーマヨチキン
マヨネーズでお手軽に!スパイシーなタンドリーチキンです。
鶏ガララーメン ◎

「鶏ガラ レシピ」で、検索しても鶏がらスープの素を使ったレシピが出てくるので、「骨」と加えます。(笑)
↓の最後で紹介されているように、塩胡椒を加えるだけで味が決まります。
ラーメンスープは「しょっぱい」くらいがちょうど良いですね。いつものクセで飲める濃度(薄味)に仕上げてしまい勿体無いことをしました。何も考えず、個人的好みの「太麺」チョイスでしたが、「細麺」の方があっさりスープが絡みやすくきっと美味しい。他にも卵スープなど作りました。

【専門店】丸鶏のうまみが濃厚! 鶏ガラスープの簡単な作り方。手作りラーメンが格段においしくなります | 三越伊勢丹の食メディア | FOODIE(フーディー)
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塩ラーメン(野菜は家にあったもの…汗)
白子のポン酢漬け・焼肉

白子は、内臓と共に酒につけたものを茹でてポン酢でいただきました。せっかく食感は良かったものの、酒味になってしまった…。次回からは酒に漬けないように気をつけます。

内蔵やよくわからない部位の肉は塩胡椒で炒めて焼き肉に。内蔵は美味しかったけど、それ以外は、何を食べているのかよく分からない。
美味しく食べるためにも、解体の段階で、よく分からない肉は極力出さないようにしたいです。内臓もまた細かく切りすぎるとよく分からなくなるので、大きいサイズでじっくり焼きたいです。

今回は、全体的に調理が雑だったので、反省…。

白子と焼き肉
鶏ガラの肉片で鶏そぼろ

鶏ガラの肉片を削いで、鶏そぼろにしました。数時間煮込んだ後の肉なので、旨味が抜けており、調味料の味で楽しむ感じです。次回はふりかけ的なの作っても良さそう。ツナマヨならぬチキンマヨ(?)も良いかも。

肉片を削ぐ
鶏そぼろにしてみました
手羽先とぼんじりのトースター焼き

レモン汁やら塩胡椒やらオリーブオイルなどをふりかけて、トースターで焼きました。硬いですが、美味しい!!
夫と片羽づつ頂いたのであっという間に完食です。ぼんじりも安定の美味しさ。
今回はただ焼いただけなので、もっと色々なアレンジを模索したいところです。

シンプルにうまい
鶏皮焼き・鶏皮ポン酢

鶏皮は2度にわたり、「焼き」と「茹でポン酢」でいただきました。

「鶏皮焼き」は蓋をしてるものの、毎回油がはねて恐怖ですね…。あと焼き加減が地味に難しいです。美味しいアレンジを模索したいところです。

「鳥皮ポン酢」については、居酒屋の鳥皮ポン酢を意識してみました。居酒屋の鳥皮は、若鶏ではなく歯応えの良い親鳥の皮を使っているそうです。
思った通り、弾力・歯応えあり美味しかったです!成熟した鶏の皮だからこそ、より美味しい鳥皮ポン酢になったと思います。切り方やトッピングを工夫して、次回もリピートしたいです。

鶏皮焼き
鶏つくね ◎

鶏胸肉を美味しく食べるには…と考えて、鳥つくねを作ってみました。ちょっと勿体無いですがササミも一緒に使いました。
フードプロセッサーで鳥ミンチを作り、↓のレシピで作りました。うっかりタレに使う調味料(砂糖以外)まで肉に混ぜてしまいましたが、めちゃ美味しかったです!(生地がゆるくなった分はパン粉で調整しました。)
やはりマヨネーズ最強?(笑)

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美味しかった。リピート確定

命への向き合い方

前回、私は「情が湧いて殺せない」と感じていました。でもそれは命に優劣をつけているに過ぎず、命に対する失礼な考えではないかと思うようになりました。

しかし結局のところ、私が何を考えたとしても、それは人間側の勝手な憶測に過ぎません。「何が正しいのか」は永遠に分からないのかもしれません。

動物たちが何を感じ、どう考えているのか、私には知る術がありません。
ただ一つ確かなのは、自然界の弱肉強食の中で、彼らは「生きるために殺し、殺される」という現実を生きているということです。

だからこそ、私自身も余計な理屈を並べず、目の前の命に心から敬意を払い、大切にいただきたいと思いました。
私たちの血肉となってくれたアラレに感謝します。

もちろん、人間という感情のある生物である以上、相手のことを考えて「いかに苦しませないでトドメをさすか」という問題についてはこれからも、悩み考え続けていきます。
今回のやり方も、前回よりスムーズだったとはいえ、完璧ではありません。もっと早くトドメをさすことは出来ました。もし、次回があるならしっかりいかしていきたいです。

他の命を犠牲にして生きているという事実を忘れず、命の重みを感じながら過ごしていきたいと思います。

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