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PHガイド記録山歩き越後三山奥利根

平ヶ岳&越後駒ヶ岳 登山ツアー ガイド記録

PH

2024/10/6(日)〜10/8(火)

奥只見山荘2連泊で百名山の平ヶ岳と越後駒ヶ岳のツアーを開催しました。

初日は午後に集合し、奥只見山荘にチェックイン。新潟は秋で、ちょうどカメムシシーズンです。ログハウス内に大量発生しているカメムシに阿鼻叫喚の皆さま。備え付けのガムテープで駆除しますが無尽蔵にわいてくるカメたち…いったい彼らはどこから侵入しているのか。
のんびり温泉と美味しい夕食を満喫し、翌日に備えて就寝です。

2日目:平ヶ岳

いよいよ平ヶ岳登山の日。今回は、中ノ岐林道奥にある「中ノ岐ルート」の往復コースです。登山口は自家用車でアクセスできない場所にありますが、奥只見山荘をはじめとした銀山平の宿に泊まることで登山口まで送迎してくれるサービスがあります。
3:50、山荘の朝弁当を持ってバスに乗り込み出発です。くねくねの山道を約1時間半走り、空が明るくなってきた頃、登山口に到着しました。朝早いため、皆さんバスでウトウトしてしまい車内ではカーブのたびに頭をぶつけていたようです。私も同じくです(笑)

他の宿のバスも約4台ほど一斉に到着。どのバスもほぼ満車に近い状態で、登山者が一斉に降りてきます。登山口前の有料トイレ(100円)を済ませ、準備運動を経て出発です。

平ヶ岳、山奥に位置する秘峰ですが、登山口はかなり賑わっています。なんとなく皆さん急いでいる印象で、よーいドン!の感じで次々と出発していきます。平ヶ岳のコースタイムは約6時間。帰りのバスは12:30出発なので、コースタイム通りに歩いても余裕時間は1時間のみ。となかなかタイトなスケジュールです。山頂部でのお楽しみ時間を確保するために登りは頑張ります。

中ノ岐ルートは登り始めから急登が続きます。3:00起床の5:30出発と、朝からハードな運動です。こまめに皆さんの体調を気にしつつ着々と高度を上げてゆきます。所々に設置してある激励の文が書かれた看板に励まされながら上がっていきます。

今日は昼過ぎから天候が崩れる予報でしたが、今の所良い天気。展望が良く目を楽しませてくれます。

8:00頃、山頂台地に到着しました。一面に広がる草紅葉が見事です。木道になったので、他の登山者とのすれ違いに気をつけながら先へ進みます。

樹林帯を抜けた途端に吹き付ける強風。まさしく秋。10月を感じさせる装いです。寒い…!おちおち休憩もしていられず、まずは平ヶ岳の山頂を目指します。

9:00過ぎ、平ヶ岳三角点(2139.6m)に到着です。山頂標識のあるこの場所は展望はありません。写真撮影を済ませて、さらに奥の2141m地点まで歩いてみました。
吹き付ける風は寒いですが、展望は素晴らしい!絶え間なく流れる雲の間から、燧ヶ岳、至仏山、上州武尊山などが顔を出してくれました。

遠くに見えている至仏山から平ヶ岳までは1つの稜線でつながっているので驚きです。いつか歩いてみたい…そんな気にさせられますね。
途中に位置する大白沢山から、平ヶ岳、利根川の源流部である大水上山、巻機山、谷川連峰の朝日岳と稜線はつながっており、ちょうど新潟と群馬の県境に位置するので「上越国境稜線」と呼ばれています。平ヶ岳は地図上で見ても分かる通り、その中でも極めて山深い場所に位置しています。

平ヶ岳は、深田久弥にとって百名山を志した当初から「念願の山」だったそうです。当時は登山道がなく沢登りや藪漕ぎでしか山頂を目指せませんでした。平ヶ岳を知らない登山者は多かったとか。今は当時に比べると随分アクセスが容易くなりましたが、かつては本当に秘境の山だったんですね。

山頂でのんびりして、池ノ岳、玉子石に立ち寄り、10:30いよいよ下山を開始します。

女性2人パーティーに追いつきましたが、山頂に残っているのは私たちだけのようでした。

登山口から山頂台地までほぼ急登の続くルートですが、比較的踏まれているため下りやすい部類に入ると思います。快適に歩き12:00過ぎ下山!

登山口では宿の方が獅子汁を振る舞ってくださりました。とてもおいしかったです。

14:30頃、宿に到着。帰宅すると、室内に増殖しているカメムシたち…。まずは部屋のお掃除からスタートです。警戒心からか?次第に床の木目が全てカメムシに見えてくるので不思議です。誤って踏んづけないように要注意です!
のんびり温泉に入ったりお茶をして過ごし、翌日に備えます。

◎余談

奥只見山荘では、当日分の「白銀の湯」無料入浴券を発行してくれます。
白銀の湯に立ち寄ったところ、なんと「越後三山・只見集成図」が販売していました。こちらは新潟の山の研究と紹介に尽力したパイオニア的存在である藤島玄が編集し、昭和38年に発刊された地図ですが、平成10年の湯之谷村発刊(現在は魚沼市と合併)を最後に絶版となっています。
今でいう「山と高原地図」のようなものです。今は存在しない、かつての登山道や地名が記された集成図はその山域の歴史を理解するためにも貴重な資料の1つです。気になる方はお立ち寄りの際にぜひご確認ください。(※在庫限りで残20部ほどでした。施設へのお問合せはご遠慮ください。)

3日目:越後駒ヶ岳

今日は越後駒ヶ岳登山の日。事前に何十回と天気予報を確認していましたが、丸一日雨予報に変化なし。既に奥只見山荘で前泊していることもあるので、様子を見ながら登ってみました。

朝4:00宿を出発し、自家用車で起点の枝折峠へ向かいます。駐車場には銀山平の宿のバスが停車していました。私たちの他にも登っている登山者がいるようです。

綺麗なトイレで支度を済ませて、4:30登山開始。まだ暗いのでヘッドライトをつけて歩き始めます。雨は降っていて止む気配はなし。枝折峠は「滝雲」のビュースポットですが、今日は生憎の天候で見えることはなさそうです。

5:30明神峠の分岐に差し掛かる辺りからついに明るくなってきました。雨は強まったり、弱まったり。ガスが少しだけ薄くなってきて、ぼんやりと荒沢岳が見えました。まだまだ遠くの眺望は望めず、目指す越後駒ヶ岳はガスの中。

10月の登山で雨予報、となかなか過酷な気象条件ではありますが、皆さん、装備を万全にされているおかげで歩行中に「寒い」と感じる方はおらずペースも順調です。体調を気にしつつこまめに立ち休みをしながら先へ進みます。

枝折峠からのルートは数ある越後駒ヶ岳の登路の中で最も標高差が少ないですが、歩く距離は最も多いルートです。明神峠、道行山、小倉山と数々のピークを越えて、いよいよ越後駒ヶ岳が迫ってきました。前駒を越えると岩場が現れるので、ヘルメットを装着。鎖場が一切ない場所なのでスリップ要注意です。

ちょうど最初の岩場で、下山してくる女性3人パーティーを見かけましたが、登山道ではなくルートを外れて滝ハナ沢へ向かって下っているではありませんか。下り続ければ待ち受けるのは急斜面と滝です。慌てて「そっち登山道じゃないですよ!」と声をかけたら気づいていただけました。登山道より距離にして50m程下の場所にいましたが、登るのが嫌なのでトラバースして復帰できますよね?とのこと。周りは、私としては草むらのやや急に見える斜面で危険を感じました。掴むものが一切ないため、もし滑り出したら止まらなそうです。説得して登り返してもらい、チシマザサの藪の薄い場所を教えて戻ってきてもらいました。(踏み跡っぽくなっていたので過去にも迷った人が復帰する際に歩いたのかもしれません。)
今日の登山者は私たちと女性3人のたった2パーティーだけでしたので、本当に幸運なところで出会うことができました。山の恐ろしさを改めて感じた出来事でした。

気を取り直して、岩場登り再開です。私たち自身も彼女たちと同じ場所で迷わないように気をつけなければいけません。ここの岩場は下降の途中で左にぐっと曲がらなければいけませんが、マークを見落として直進すると滝ハナ沢方面へ入り込んでしまいます。今日は視界が悪くてなおさら要注意ポイントになっているのだと思います。

10:00過ぎ、駒の小屋到着。ここまで来たら山頂はあと少しです。小休止を挟みいよいよ山頂アタックです。

直下まで登ると強い北風が強く吹き付けるようになりました。あまり長居したくないコンディションになってきました。
少し歩くと、ついに念願の越後駒ヶ岳到着です。皆さん本当によく頑張りました。

手早く記念撮影をして、そそくさと下山します。
まだまだ安心はできず下山も要注意です。岩場を慎重に下降し、前駒まで下りたら一安心。山頂部の少しの区間は北風が強く寒かったですが、ここまでくると山の陰になるのか無風で落ち着きます。もし終始風が強かったら山頂は目指せなかったので悪天の中の好天に恵まれて良かったです。

時折ガスが晴れて、眼下に百草の池と、山肌を彩る紅葉を楽しむことができました。昼が近くなり天気が少し回復したようです。

小倉山、道行山、明神峠と、下山も数多のピークを越えてゆきます。

15:20枝折峠無事下山!皆様お疲れ様でした。

魚沼市の「日帰り温泉 ゆ~パーク薬師」に直行し、あたたかい温泉に浸かりました。身も心もリフレッシュして浦佐駅で解散です。

平ヶ岳&越後駒ヶ岳ツアー、少しハードな面もありましたが、最後まで皆さんとご一緒できて良かったです。ご参加いただきありがとうございました。

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