2023年11月21日(火) 8時間35分
桜坂駐車場 (3:15) – 避難小屋 (8:15) – 巻機山 (9:05) – 避難小屋 (9:35) – 桜坂駐車場 (11:50)
※桜坂駐車場は有料(500円/日)
メンバー : 2人(Waka, Kさん)
天気 : 晴れ
ある、晴れた日の平日。巻機山で山スキー初めをすることにした。
最近Kさんは単独で巻機山や越後駒ヶ岳に行っていて、毎回出発が午前2時。正直私からしたら辛いのでそんな朝っぱらから歩きたく無いのだが、今回もKさんは「2時発で!」と張り切っている。「朝出発すると雪が腐っちゃうから。」とのこと。かなり憂鬱だが了承。
結局当日の朝二度寝してしまったので出発は3時過ぎとなった。
登山道には溶けかけた積雪がちまちまと残っている。どろどろの登山道をスキーブーツで踏みしめながら登ってゆく。
出発前のエネルギー源として、「ミニッツメイド 朝バナナ」を食したが、それが仇となったのか。歩行中、頭痛、気持ち悪さに苛まれてペースが上がらない。深夜発の寝不足も相まっているのだろうか。
こんな真夜中に歩き始めていることにもモヤモヤ。そもそも東京から前夜発したのち、当日寝不足出発になるのが嫌で新潟に引っ越ししたのに…、出発時間を早めては引っ越した意味がないと思う!今回の山行も7時に起きて8時に出発するのが理想だ。
そのうちに気持ち悪さもようやく治まって、平常に歩けるようになった。
井戸の壁から雪が繋がるようになったので、スキーを履く。
とはいえ、あちこちに岩が露出しており、通常の長い板ならとてもじゃないがハイクアップできるコンディションではない。今回はショートスキーなのでどこでもゴリ押しでハイクアップできる。
…ここでトラブル発生。なんと、ビンディング長が合っていない!
ヒールリフターをあげられず、どんな急斜面でも頑張らなければいけない羽目に…。
運悪くメンテナンスキットを忘れてしまったので、修復不可能。
ビンディング長が合っていないとは、すなわち、スキー滑降もできないということ。
絶望的だ…。Kさんに「私帰ろっかな。」と打ち明けたら、「後少しで良い景色だから、もうちょい行ってみよう?」と言われた。
すっかり気持ちが落ち込んでいたが、とりあえず惰性で頑張ることにする。朝から良いことが無い!
ヒールリフターを全く使わないで登るのは、意外と身体にダメージが大きいことを知る。足首が痛くなってきて、あんまり無理すると、怪我するんじゃないか?って思う。
どうにかこうにか井戸の壁を越える。CO1564周辺で日の出を迎えた。
周囲には美しい山々が浮かび上がる。Kさんが綺麗だなぁと写真を撮っている。
私も「綺麗…。」とは思ったものの、あまり大きな感動はなかった。残念ながら今回は出発から積み重なるトラブルの方が優ってしまった…。
この辺りから尾根が広くなり、斜度が緩み、キックターンしなくてもある程度高度を稼げるようになった。それでも時折急傾斜を直登するとキュッと足首が痛む。
ニセ巻機まで登ってしまえば、山頂もようやく近い。ここに至るまで何度も「帰りたい」と思ったが、結局来てしまった…。
一度降って、また登り返し。
9:05巻機山到着!
さて、ここからお楽しみの滑降タイム…はKさんだけで、私はシール滑降&歩きで往路を戻る。
ニセ巻機山の登り返しで、スノーシューのパーティーとすれ違う。女性の1人が私の顔を見て、「もしかしてWakaさんですか?」と尋ねてきた。「えっ?!」と聞き返すと、なんと彼女はヤマレコユーザーでありインスタグラマーのchee2005さんだった!こちらこそびっくり嬉しい出会だった。
cheeさんは新潟の山を愛する岳人で、とにかく体力とモチベがすごい。スノーシューなのにスキーヤーより歩くのが早いのだ。そして写真がとっても綺麗。しばしの会話をしてお別れ。
いつかお会いしてみたかった人に会えて、嬉しかった!!
朝から失敗ばかりで凹んでいたが、癒しのひとときでした。
ニセ巻機山を少し降ったところから藪がうるさくなり、忠実に登山道を滑降する。シール滑降ではなかなかリスキーなので歩きで下山を試みるも、踏み抜きが酷く、しまいには太ももまで沈む始末に…。
再びシール滑降に切り替えるも、スキーのトップが雪に刺さり転ぶことしばしば。あーもう、気がおかしくなりそうだ。
先ほどKさんに「置いていかないでよ。」と言ったら、「待っているよ。」と答えてくれたが、行く先々でKさんが待ってくれていて、私がようやく追いついたら颯爽とスキーで滑っていく様子にイライラがおさまらない。「私の前で滑らないでくれる?」と伝えたら、「待っていて欲しいのか、そうで無いのかどっちなの?!」と返された。
確かに我ながら理不尽なお願いである。
でも置いてかれるのは嫌だし、目の前で颯爽と滑られるのもイラッとする。そこはうまい具合にKさんに対応していただきたいところである。笑
井戸の壁上部で露岩が増えてきて、いよいよKさんも板を外して歩くようになった。ここからは私の気持ちも紛れてお話ししながら楽しく下ることが出来た。
結局のところ、私が嫌だと思うのは。パーティーで同じ楽しみ、苦労を味わえないことだと思う。
単体にシール滑降も、踏み抜きも、別に嫌な訳ではないが、それを一人だけでやっていると虚しくなってくる。せっかく2人で来たのだから楽しさも苦難も一緒に味わいたい。まぁ今回の失敗は全て自業自得だけど。笑
正直、今回は「苦しい・つらい」が圧勝で、せっかくの綺麗な景色もあまり心に響かなかった。
でも、途中でcheeさんと会えたのはとても嬉しかった。
失敗ばかりのスキー初め(もはやまともに滑れなかったが)になってしまったが、次回からは気をつけようと思う。