2022年4月17日(日)
2:30 明神トンネル – 4:30 枝折峠 – 6:20 道行山 – 8:05 百草ノ池 – 9:50 越後駒ヶ岳 10:30 – 10:50 百草ノ池 – 11:35 道行山 – 13:05 枝折峠 – 14:10 明神トンネル
メンバー : 2人(Waka, Kさん)
天気 : 晴れ
雪の状態 :昨日の降雨により明け方〜8時頃は硬い融解凍結クラスト。CO1,400m付近より上部は、硬い旧雪上にザラメもしくは湿雪が載っており局所的にアイゼンやクトーが噛みづらいコンディションだった。
10時過ぎになると全体的に緩いザラメ雪となり快適になった。
距離 : 19.0km , 累計標高差(+): 1,850m , 累計標高差(-) : 1,834m
銀山平開通前の静かな越後駒ヶ岳へ。前日のうちに出発地点まで移動して仮眠。
翌日は満月だったので、夜中2時半過ぎに出発。
ちょうど私たちの他にスプリットボーダーの単独の男性も出発準備をしていた。取り付きの尾根は雪がカチカチな上に急登だったので、早々にシートラーゲンをしてアイゼン装着。登り始めると早速ボーダーの男性に追い抜かれる。私たちはアイゼンなのに彼はスノーシューを履いてサクサク登ってゆく。
標高差200m程を慎重に登りきるとようやく尾根に乗り上げた。起き抜けから激しい運動を強いられて、私はちょっと具合悪くなってしまった。
空には満月。見回すと薄暗闇の中にぼんやりと山々のシルエット。久々のナイトハイク。美しい景色に感動。この感動を写真に納めたいけどなかなか上手く撮れない。
相変わらず雪面はカチカチなので引き続きシートラーゲンで進んでゆく。
尾根は広いがその分クラックも巨大。右に左にうっかり落ちてしまわないように進んでゆく。
そのうちに空全体が明るくなってゆく。次第に山々の色がはっきりとしてくる。
山のこの時間が好きだ。一瞬一瞬がとても美しい。
5:10明神峠を越えた辺りで日が昇ってきた。
青白い山々が次第に赤く染まってゆく。素晴らしい展望にしばらく目を奪われた。
ボーダーの男性はとっくに先に進んでしまったかと思いきや、あちらこちらで写真を撮影しているようで、追いついてしまった。「素晴らしい景色ですね。」と言葉を交わす。私たちはのんびりお先へ。男性は景色に見惚れてしばらくその場で撮影を楽しんでいた。
日が昇り、明るくなると遠くの山々が姿を見せる。頸城の妙高火打、弥彦角田、飯豊連峰。
目指す越後駒ヶ岳はまだ遠い。それでも素晴らしい展望を眺めながら歩いているだけでとても満たされる。やっぱり山は良い。
そのうち再びボーダーの男性に追いつかれる。さっきまでのんびり景色を眺めていたはずなのに、爆速すぎる。笑
6:20、道行山到着。ここで銀山平からのルートと合流するが、人の気配は無い。今のところ私たちの貸切のようだ。Kさんはここでアイゼンからシールハイクに切り替え。私はそのままシートラーゲン。
ここからのルートは山スキー212にも記載がある。「スキー向きのルート」ということだ。先ほどまでの果てしないアップダウンは姿を潜め、尾根はより広くなり快適な雪稜漫歩が始まる。
小倉山のトラバース道はカチカチだったけど、私はアイゼンで楽々。Kさんは途中まで私の後ろをついてきていたが、そのうち危険を察知し、別ルートでどうにかトラバース突破。「やばかった〜」と疲れ切った様子だった。私がスキーで行ったら間違いなくすっ転んでいただろう。Kさんナイス。
歩いていると、右手の佐梨川からバラバラとヘリの音が聞こえてきた。何してるんだろうね?とKさんと話あっていた。
(帰宅後にニュースを知り、昨日遭難事故があったことを知りました・・・。)
遠かった越後駒ヶ岳がようやく近くに迫ってきた。
駒の小屋直下はド急登。カチカチ雪の上にグサグサザラメ雪が載っており、キックステップで確実に蹴り込みながら登ってゆく。後ろのKさんはお気楽なもんで、「みてみて!フィルムクラストだよ!」なんて声をかけてくるが、私は「今集中してるから黙ってて!」と一言。笑
ようやく傾斜が緩み駒の小屋が見えたら一安心。ふくらはぎの消耗した登りだった。
抜きつ抜かれつで歩いていたボーダー男性も後から無事に登ってきた。さすがにスノーシューだとしんどい斜度のようで、ステップ作ってくれたおかげでどうにか登れたとお礼を言われた。でもスノーシューでこの壁を登ってきたのだからすごいと思う。
てか新潟岳人、スノーシュー履きこなしてる人多い傾向にあるのはなんなんだろう。しれっとヤバい斜面登降してる人を結構見かける。笑
駒の小屋の外で一休みして山頂へ向かう。オツルミズ沢左俣の源頭部分を横切って直接山頂を目指す。先行するボーダー男性の背中を追って私たちも山頂へ。
先週、越後駒で滑った記録も読んでいるが、ここに至るまでシュプールもトレースもすっかり消えていた。やっぱり昨日に降雪があったということだろう。
新雪で黄砂が隠れて綺麗な雪面が復活したのはラッキーだった。
源頭部分は湿雪の団子雪で数歩ごとにアイゼンにくっつく。丁寧に落としながら高度を稼ぐ。9:50越後駒ヶ岳到着。
八海山や中ノ岳、上越国境稜線の山々まですっきりと見える。美しい。しばらく景色を堪能しながら男性ボーダーと談笑。40分ほどのんびり過ごした後に滑降準備に取り掛かる。
今回、初めてショートスキーを使うので緊張。いざドロップ。雪質は最高だけど、板にちゃんと乗れていないのが原因なのかプルプル動く。どうにか転けずに駒の小屋まで。
先に滑ったボーダー男性が「最高ですね!」と声をかけてくれる。そうですね!と素直に答えたいところだが、今のダサい滑りを見られていたかと思うと恥ずかしい。まぁ普段からダサいので気にする必要ないんですが。
駒の小屋直下の急斜面もクラックを避けながら全員無事に通過。Kさんは2年ほど前に山スキーでここへ来た時、この斜面が怖くて横滑りで降りたそう。今日はしっかり滑れていたので、きっと成長したのだろう。嬉しそうだった。
滑降を始めると、続々と登ってくる方とすれ違う。ハイクアップの方を気にしつつ順調に高度を落としてゆく。朝はカチカチだった雪はすっかり緩んで快適そのもの。ショートスキーも慣れてきて滑るのが楽しくなってきた。
ボーダー男性がなんだかんだで前後にいてくれて、Kさんと3人で楽しく滑降した。道行山まで1時間程で到着。
この後はアップダウンがあるのでシール歩行に切り替え。私のスキー板は、先日貰ったばかりのお古のシールを使用している。そのままだと長いのでカットしてテールは貼り流し。貼り流しは今までやったことがなくて不安だったが、意外と好調で最後までトラブルなく使うことができた。
ショートスキーは、トラバースでのエッジの噛み具合がやや弱い気がするが、小回りが効いて何かと便利。どんな体勢でもキックターンが出来る。笑
日の出を迎えた明神峠を通過して13:05、枝折峠へ。ここからシールオフして滑降モードに切り替えるもしばらくするとまたアップダウン。ようやく最後のピーク921mへ。
朝はカチカチ斜面で難儀した急登も滑ってしまえば快適そのもの。ショートスキーは小回りが効いて、人生で初めてツリーランが楽しいと思った。普段の山スキーでは2〜3ターンごとに止まって休憩しており、「動体視力が追いつかなくて疲れる」と毎度言ってしまう。そんな私が今日はスイスイだったのでKさんがびっくりしていた。
例えるなら普通自動車を運転するか軽自動車を運転するか、みたいな感じかもしれない。笑
14:10 明神トンネル無事帰着。
最初から最後までなんだかんだでご一緒したボーダーの男性ともお別れ。朝2時半過ぎに出発して、約11時間ちょっとの長丁場となったが、美しい展望と楽しい滑降を充分に満喫し、大満足の1日となった。
帰りがけにKさんお気に入りの越後駒ヶ岳展望ポイントへ。下山後はいつも寄り道している。今日はあそこの山頂まで登ってきたのだ。私にとって初めての越後駒ヶ岳登山は素晴らしい思い出となった。
昨年もこの場所で写真を撮った。ずっと行きたかった越後駒ヶ岳に登れて本当によかった。
【ぷりずむ】
〒946-0043 新潟県魚沼市青島803−9
小出に行くと、蕎麦かカツを食べていたが、今回久々に新規開拓。ボリュームあり値段も手頃でオススメのお店です。地元マダムの憩いの場となっているようで、賑やかだったのが心地よかった。笑
【谷川PA(上り)のソフトクリーム】
雨が降っていて寒いのにKさんが「ソフトクリームが食べたい」と言い出した。たまたま寄った谷川PAにソフトクリームが売っており購入。食堂のおばちゃん、盛り良くないか?笑
ちょっと味見させてもらったが、濃厚で旨い!これで350円はかなり良いと思う。私も今度は購入したい。