2022年1月2日(日)
8:30 除雪終了点 – 9:25 尾根取付 – 11:55 CO1,950m – 14:20 岩菅山 16:20 – 17:05 CO1,905m
2022年1月3日(月)
9:35 CO1,905m – 10:15 尾根取付 – 11:10 除雪終了点
メンバー : 1人(単独)
天気 : 1日目:晴れのち降雪、2日目:曇り
雪の状態 : スキーを履いて足首〜スネ程度、傾斜が急な箇所は膝〜腿程度。
地形が埋まっておらず雪面の起伏が激しい。急斜面はツリーホールあり。初日はやや重めのパウダー。二日目はパウダーだが緩い斜面は潜水艦で滑れず。
イグルー泊の実践をするべく、年始の岩菅山へ。
本来岩菅山は日帰りも可能な山だが、今回はのんびりハイクアップして山頂でイグルー泊、翌朝下山の1泊2日のプランを考えた。
結果的には意外と積雪に手こずり、山頂へ到達するのに想像よりも時間がかかった。
イグルー泊も失敗してしまい、下山途中の樹林帯でツェルト泊をすることとなった。
8:30、除雪終了点へ車を停めさせてもらい出発。
しばらく林道を辿り、岩菅山への取り付きを目指す。
トレースは皆無で、ここ最近誰かが入山した気配はまるでない。
てっきり今日も誰かしら入山していると思っていたので嬉しい誤算だ。
林道の積雪は板を履いてスネくらい。ミシミシと雪を踏んで取り付きを目指す。
9:25尾根取付に到着。
取り付きの急斜面を巻き気味にハイクアップすると上部には穏やかな雪の尾根が続く。
ただただ静かで、雪深い。見上げると素晴らしい青空。
樹林がぽっかり無くなった場所で振り返ると、妙高や戸隠の山が見えた。
ちょろっと長野市に住んでいた時期もあり、眺めていて恋しい気持ちになる。
大好きな山域だ。
時折積雪深いところもあるが、ゆっくり確実に登ってゆく。
まだ1月だからなのか、雪面の起伏が激しく尾根上がボコボコしている。キックターンを刻まなければならずハイクアップしづらい。
隣の沢筋に降りてみると木もまばらで、平らな雪面が広がっていたので楽になった。
CO2,150m、山頂まで後わずかのところで、目前に急登が待ち構える。
かなりボコボコしているし、これはスキーで登るのは難易度が高そう・・・。
スノーシューでも胸ラッセルになりそうな感じ。
あわや撤退か?と思ったが、右手にトラバースをかけたら、そのうち傾斜が落ち着き、登りやすそうな疎林の斜面が現れてくれた。
トラバース中にズボッと片足が穴にハマってちょっと奮闘してしまった。
上部に行くにつれ風が強くなる。
風に転がされて細かくなった雪粒たちはシールに噛みづらく、横着して一気に登ろうとするとサラサラと蟻地獄のように戻される。
疲れも相まってついつい雪に怒りをぶつける。
落ち着け落ち着け、冷静にならなくては・・・。
14:20岩菅山到着。
もっと早く到着したかったが、予想よりも時間がかかってしまった。
西の空を見上げるとどんよりと黒い雲が広がっている。
今晩は気圧の谷の影響で雪が降る予報だ。
のんびりしている暇はないので早速イグルー作りに取り掛かる。
作成場所を決めて、スキーを外して雪に着地するとズボッと太ももあたりまで沈んだ。
柔らかい雪はどうにもならないので、掘り起こす。
新雪を掘っていたら、すぐに穴は私の胸の高さまで深くなった。
足元の雪は、踏めば足首まで沈み足型ができる程に柔らかいが、踏まずにスノーソーで切り出せばブロックを切り出すことも出来そうだ。
あまり深く掘りすぎるのもよくないかと思って、ここら辺からブロックの切り出しを始めてみる。
しかし私なりに慎重にブロックを切り出したつもりでも、ちょっとした衝撃でパキッと折れてしまう・・・。
周囲に乗っけようとすると、掘り起こした雪で雪面がボコボコなので、滑り落ちてしまう。
慎重に重ねて、絶妙なバランスでようやく停止してくれた。
いくつかブロックを切り出し、順調に重ねたと思ったら、ふとした拍子にダダダーとブロックが崩れてしまった・・・。
元々微妙なバランスだったから、やっぱり崩れやすいということだろうか。
そのうちに私の周囲、足元はボコボコの雪でめちゃくちゃに・・・。
これは日没までに作るのは不可能かもしれないと判断し、天井にストックやスキー板を渡して作ってみることにする。
それでも、なかなかフィットしないし、ストックに食い込んだ雪が割れるという事態に。
せっかく積み上げた屋根もふとしたタイミングで全て落っこちてしまった・・・。
屋根が1/3くらい出来ていた矢先だったので結構ショックだった。
時計を確認すると、もう16時を回っている。
しばし悩んだ結果、イグルー作りは諦めて下山することにした。
雪穴を掘ったので、天井代わりにツェルトを広げるのもアリかもしれないが、夜は悪天予報。
稜線がどれほど荒れるかも分からないし、一人だしで、今回は安全を一番に考えることにした。
もし日没を迎えたらヘッデンつけてでも下山しよう。
手早く後片付けをして、滑降準備に取り掛かる。
イグルーを作った後に、のんびりと山頂の景色を堪能するつもりだったが、慌ただしく山頂を去る羽目になってしまった。
本当は裏岩菅山まで縦走したかった。むしろそれがハイライトのはずなのに、それすら叶わなくてちょっと悔しい。
山を楽しむ余裕は無く、ただただイグルー作りでいっぱいいっぱいになってしまった。
16:20、滑降開始。
山頂直下はやや重めのパウダー。何ターンかすると、すぐに密林地帯に戻る。
焦りや疲労もあるのか、吹き溜りでコケたりして、滑降がなかなか捗らない。
次第に周囲が薄暗くなってきた。
思ったよりも滑降が捗らない。
林道まで降りるのに時間がかかりそうだ。
私自身のコンディションも考えると、ヘッデン下山はリスクがあったので、大人しくツェルト泊をすることにした。
平坦な土地で、周囲の積雪が均等で風の影響の無さそうな場所を選定する。
ツエルトは16mのフローティングロープで繋ぐ。細引きと枝をくくりつけたりしてどうにか寝床完成。
今日は、最近購入したアライのツェルト2ロングを持ってきている。
初めての使用だったが一人で使うには十分な広さで快適だった。
ツェルトの中は暖かくてほっとした。
非常に眠かったが、頑張って水を作る。テントと違ってツェルトは足元から雪を取り出せるのが便利。笑
ご飯を食べて、いよいよ就寝。
夜18時過ぎから降雪が始まり、止む気配は一向にない。
朝起きてツェルトが埋まっていたらどうしよう。
最悪、夜中に雪かきとかしなければな。
そんなことを考えながらうとうと眠りにつく。
既にツェルトは結露しまくって内側はバリバリに凍っている。
刺激を与えると雪が落ちてくるが、まぁ気になるほどではなかった。
整地もほどほどにツェルトに潜り込んだはずだったが、寝心地も良く、寒くも無く熟睡することが出来た。
朝、目が覚めると、降雪の影響で両サイドが狭くなっていたが、無事にツェルトはツェルトの形状を保っていた。
雪山でのツェルト泊は初めてだったので、成功して良かった。
のんびりと支度を済ませ、9:35下山開始。
一晩休んで元気になったら、滑降も捗った。
平坦地では昨日のトレースも全て埋没してしまったので、ラッセルし直し。
10:15林道合流。シールを再び貼り付ける。消えかけのトレースを辿って、改めて林道ラッセルしていると、前方からスノーシューの2人組がやってきた。挨拶を交わす。
もう11時も近い。2人は今日は行けるところまで行くとのことだった。
2人のトレースをお借りして、スピードアップ
11:10、無事帰着。
初めてのイグルー泊は失敗に終わってしまった。せっかく冬山に来たのに景色を楽しむ余裕もなかった。ちょっと悔しいが、初めての雪中ツェルト泊を経験したりと、学びのあった2日間だった。
イグルー泊はどうしても出来るようになりたいので、懲りずにまたリトライしたいと思う。
【追記】
今回の失敗談に対して、米山さんがコメント下さったり、イグラーの方に資料頂いたりとアドバイスいただきました。ありがとうございます・・・!
5月とは全然違う雪で勝手が違うと思うけど、写真見たところ、ブロックが小さすぎるようです。豆腐みたいな角の決まったブロックを作り出すのが、何よりポイントだよ、またやって見てね。
— イグルスキーヨネヤマ (@joneyama) January 4, 2022
【参考】
イグルスキー米山さんのブログ↓