2021年5月1日(土)
4:50 登山口(ベルナティオ側) – 6:40 当間山 7:15 – 9:10 登山口 (合計時間 : 4h20m)
距離 : 6.4km 累計高度(+) : 451m 累計高度(-) : 453m
メンバー Waka、Kさん
天 気 4:50時点で晴れ。次第に雲量増えていく(午後から天候が崩れる予報だったので朝一のハイキングとした。)
雪 の 状 態
下部積雪無し。上部部分的に残雪あり。
※追記:私たちは当間山の山頂へ行っていなかった。
当間山山頂だと思っていたのは、当間山三角点(1,016m)だった。
本当の山頂は、三角点よりコル1つ挟んだ隣にあるピーク。地形図上では何の表記もないがこちらこそ当間山(1,028m)らしい。
そんなことも知らずに三角点まで歩いたら30分以上休憩したのち満足して引き返してしまった。
次回登る際は、忘れずにピークハントを目指したい。
当間山は、新潟県十日町市にある標高1,028mの里山だ。
辺り一面が美しいブナの森に覆われた、穏やかで優しい山である。
ブナ好きのKさんとの間では、当間山の話題がよく持ち上がっていた。
2021年の元旦に1度トライしたものの、蟻地獄のような新雪ラッセルに逃げ帰ってきた。
今回は2度目の入山である。
午後から天候が崩れる予報だったので、朝一番に登山口へ向かう。冷えた空気の中支度を済ませて出発。
まだ葉のついていない木々の下を潜るように歩いてゆくと、ブナの森に飛び出した。
まだ薄暗く夜の残る空間に新緑が青白く浮かんでいる。
天高く起立しているブナの木々がズラリと私達を見下ろしている。
登山開始早々、さっそく別の世界に迷い込んでしまった気分。
当間山では毎年3月15日に積雪量の測定をしているようだ。
今年2021年は、背の高さを越える程の積雪があったようだが、今はすっかり溶けてしまっている。
昨年はかなりの寡雪年だったが、やはり数センチしか積もらなかったようだ。
のんびりと、登山道を辿ってゆく。
そのうち、沢筋に残雪が現れた。登山道を外れて残雪を踏みに行く。
雪と、ブナ。この雰囲気が、私は大好きだ。
やがて東の空から太陽が顔を出し、辺り一面がほんのりと赤く染まる。
小鳥のさえずりが聞こえはじめ、森が暖かな色に変わってゆく。
白いはずの残雪は、なんだか茶色っぽい。
よく見てみると泥でも黄砂でもない。その正体は、ブナから剥がれ落ちた芽鱗だった。
新芽たちが脱ぎ捨てた御包みの数があまりに膨大で驚いた。
ブナの芽鱗は、気温が高く風の強い日に音を立てて一斉に剥がれ落ちるそうだ。
その様子は「ブナ嵐」とも呼ばれている。
きっと、かなり壮大な光景だろう。一度は立ち会ってみたいと思った。
当間山という山の中で、何万、何十万、一体どれほどの命が芽吹いたのだろう。
風で折れてしまったのだろうか、雪の上に落ちてしまったブナの新芽をじっくりと観察させてもらった。固い芽鱗を剥いた中にはフサフサの、可愛らしいブナの葉っぱが大事に包まれていた。
歩みを進めながら、何度も振り返る。
歩くほどに、後ろのブナたちが幾重にも重なって、新緑の色に覆われてゆく。
標高点860m付近。広大な尾根歩きから、少しだけ細い尾根歩きに変わる。
幹の上に雪が乗っかっていて、あちこちの木が登山道に寝そべっている。
起き上がらないよう静かに、木を跨ぐ。
うっかり気を抜いたら足下の残雪がピシリと割れて、木がムクリと起き上がった。
小さな木だったから良かったが、時折見かける大きな木、あれらを起こしたら怪我をしてしまいそうだ。
程なくして見晴台へ。
木々の向こうから鳥甲山や苗場山が見えた。
標高を上げる程に、足元の残雪は増えてゆく。新緑は徐々に姿を潜めた。
見上げる木々はまだ眠っている。
ブナの木と、スギの木が仲良く混生していて、なんだか微笑ましい。
6:40当間山山頂到着。
上越国境の山々、茂倉岳や一ノ倉岳、巻機山が見えた。
見晴台から見えた苗場山や鳥甲山は相変わらず木々の向こう側。
そんな藪っぽい展望もまた「当間山」らしさである。
のんびりと休憩をとり、いよいよ下山。
朝は逆光で見えなかった越後の山々も見えるようになった。
何枚も写真をとって心ゆくまでブナの森を満喫する。
9:10登山口無事帰着。
↓2021年元旦に当間山へ登ろうとした時の記録