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東北沢登り

東北 南八甲田 黄瀬川

東北

日 時 2020年9月19日(土)〜20日(日)
山 域 東北 南八甲田
目 的 沢登り
コース 1日目:6:50
駐車地点〜9:10松見ノ滝上部〜9:25松見ノ滝9:40〜10:20入渓〜12:10長根沢出合〜13:10幕営地点(柱状節理の少し手前)
2日目:7:15出発〜8:40黄瀬松島〜11:30草付の台地〜12:15登山道合流〜13:10駒ヶ峯〜14:55猿倉温泉分岐〜16:50猿倉温泉
人 数 4人
天 気 曇り(1日目の深夜1時頃、降雨あり)

青森県の八甲田山。私の認識ではバックカントリー スキーで有名な山だった。
いつかスキーで訪れたいと思っていた場所。

まさか沢登りで一足早く訪れる事になろうとは。

人生初の東北での山歩き。
行ってよかった。とても良い場所だった。
日本の山の素晴らしさを再認識させられた山行となった。

アクセス

私の暮らす長野市から八甲田までは、片道約640km。運転すれば9時間半。
今回はバスを利用。長野駅→新宿駅、新宿駅→仙台駅と移動。
金曜夜22時過ぎに仙台在住のSさんと合流。Mちゃん、Kさんも集合。
4人でレンタカーに乗って八甲田へ向かった。

発荷峠展望台にて前泊。

1日目

奥入瀬川から橋を渡り黄瀬川沿いの林道へ。車止めゲート手前に駐車。
準備を済ませ、6:50出発。地元の釣り師っぽい人が数名いた。

黄瀬川沿いの林道を2時間少し歩くと、程なくして松見の滝分岐点へ。

松見の滝は「日本の滝100選」の1つ。Sさんによると、素晴らしい滝であるとの事。
せっかくなので上部コルに荷物をデポして見にいく。

水量多く、かなり勢いよく流れていた。壮観だ。

しばらく滝を堪能し、デポ地点へ登り返す。
コルから踏み跡を辿りつつ北西方向へ降り黄瀬川に降り立つ。

やはり前日の大雨が影響しているのか、水は濁り気味だ。
そこそこ水流も強い気がする・・・。
曇り空で気温も低く、厚着をして出発。

幅広6m

最初の滝、幅広6m。
水量多く、かなり威勢よく流れている・・・。

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左岸側をよじ登り突破。

気温が低く、泳ぐ気には到底ならない。
へつりながら進んでいく。
水面は濁っており、残念ながら沢底まで覗くことは出来ない。水深が分からず少し怖い。

続く4m滝もまた、素晴らしく威勢の良い水量・・・。
本来なら水線際を直登するのだろうが、今回は高巻きした。

6m滝。こちらもまた威勢よく流れている。幅広の水流はまるで堰堤のようだ。
濡れるのは避けたいのでまたまた高巻き。

水量が多く、歩き自体もなかなか疲れる。
私の中で黄瀬川は美しい「癒し」の沢なのだが。
確かに渓相は美しいが、「癒し」というよりかは「ハード」だ。

12:10、長根沢出合。
枝沢のように細い出合でうっかり見落としそうになる。比率は10:1か?

午前中は濁って見えた水が、深い場所はなんとなくブルーに見えてきた。
上流に移動して、濁りが少なくなってきたのだろうか?
この事を皆に説明したら「ついに幻を見るようになったのか。」と賛同を得られなかったが、次第に皆んなも、目が慣れてきたのか、「確かにブルーに見えるかも。」と言い始めた。

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ここら辺のへつりはヌメる箇所もあり、意外と気が抜けない。
先頭を行くKさんが滑り落ち、冷たい水に落下。その光景を目の当たりにした2番手以降はより一層慎重に進む。

ゴルジュ帯を抜けると、左右が樹林帯に囲まれた川原に出る。
左岸の高台に良い場所があったので、13:10ここで幕営とした。

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持ち寄った食材でプチ宴会。
Sさんの持ってきたシシャモやハンバーグ、Kさんのコンビーフやサバ缶などいただく。
どれも美味しく舌鼓。
唯一の失敗は、サバ缶のオリーブオイルでSさんのサムギョプサルを炒めた事だろうか。何故そうしてしまったのかは謎だが、非常にコッテリしたヘビーな食べ物になってしまった。

2日目

朝、Kさんが焚き火を起こし、Mちゃんがおもむろに鴨肉を取り出し、ナイフで切り始める。
茹でた蕎麦と合わせて、鴨肉蕎麦を振る舞ってくれた。
朝一番、冷えた身体に染みる、暖かい朝ごはんだった。
昨晩食べきれなかったウィンナー も食し、朝からガッツリと栄養補給。

7時過ぎ、幕場出発。

歩いて10分程で、黄瀬川の見所の1つである柱状節理。

奇妙な模様をした岩盤。お洒落な装飾。まるで人工物のようだ。
数年前の記録では写真が無かった。ここ最近新たに出現したものだろうか?
黄瀬川の新たな見所が1つ増えたのではないだろうか。

小滝を越えながら快適に進んで行くと、程なくして沢がグッと左に折れ曲がる。
ここら辺の景観もまた実に見事だった。
辺りを流れる滝の1つ1つのスケールが大きい。
パッと見て50mはあろう大滝が3本、樹林の向こうに流れているのが見えた。

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その後、左手にスラブを見上げながら美しいナメ床を歩いて行く。
開けていて明るい。雰囲気の良い場所だ。思わず感嘆の声を漏らす。

8:40、黄瀬松島に到着。
巨岩の上に樹木が生えている様は、まるで盆栽のような芸術品のように見えた。
小さな1つの世界がそこには存在していた。

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ナメ床を越えると、11:30左岸に広い草付き台地。
遡行図を見た時に、幕営地候補としてうっすら考えていた場所だ。
実際はかなりの高台にあり、よじ登るのは大変そうだ。草も思ったよりもボーボーなのでイマイチだった。
草付き台地の目前に広い河原が広がっており、カラカラに乾燥した流木があちらこちらに落ちていた。むしろこちらは幕営したら非常に快適そうな場所だった。

11:40黄瀬沼との二俣分岐。
沼に詰めた後の藪漕ぎを回避したいので、左俣に進路を取る。

温泉が近いからなのか?崩落した斜面の一部分では、鉄の味のする水が湧き出していた。

次第にあたりは源流の様相に。
小滝を越えつつ高度を稼ぐが、一向に水量が減る気配が無い。

12:15、登山道合流。
水流は最後まで消える事がなく、登山道が沢を横断している場所での合流となった。
藪漕ぎがゼロだったので快適だった。

せっかくなので、駒ヶ峯のピークを踏むこととする。

すぐに頂上分岐にたどり着くが、一瞬目を疑う。
両サイドにピンクテープがくくりつけられており登山道は「強調」されているが、その奥はどう考えても「藪」だ。
ここは山と高原地図では「破線ルート」となる場所だ。
こんな登山道、未だかつて見たことがないぞ・・・。

ヤマプラ

12:20意を決して藪に覆われた登山道に入る。
登山道は踏み跡が小さな沢型のようになっていた。足元はぬかるみで非常に滑りやすい。
左右は背の高い笹が覆っている。その穂先は全て、斜面の下側を向いている。
さすが雪国の笹は頑丈だ。へし折れた茎は鋭利になっており、もはや危険だ。
登って降りるまでに、額に2箇所の切り傷が出来てしまった。

頂上分岐から山頂までは標高差150m程。
その大半は藪で覆われており、想像以上の労力だ。
しばらく藪を漕いでいると、背後から奇妙な叫び声が聞こえてきた。
Sさんがとうとう発狂したようだ。
それを皮切りに皆で悲鳴を上げながらも一生懸命高度を稼いでいく。

山頂まで残り高度50m程のところで、藪が低くなり、展望が開ける。
振り返ると、青森の山々が見渡せる。右手には黄瀬沼や、前泊した十和田湖が見えた。

山頂付近で再び藪の中へ。
稜線付近には、積雪期のスキーツアーコースのものであろう看板が散見された。
足元には、猿倉岳・猿倉温泉方面を示す分岐看板が。
足元に置かれているということは、無雪期を対象にしているという事だろうが・・・。
分岐の示す先は、「猛烈な藪」だ。
こんなの、到底歩ける気がしない。猿倉温泉への下山で、稜線歩きを少し検討していたが、現状を目の当たりにしてその考えはすぐに消え失せた。

13:10駒ヶ峯山頂。分岐から約50分。
山頂らしい山頂ではなく、登山道の途中といった感じでつい見逃してしまいそうになる。
足元に古びた看板と、三角点があった。

山頂では景色を堪能できないので、少し引き返し道中の藪の低い場所で景色を堪能する。

左手、藪の向こう側には北八甲田の山々が見えた。

帰りの藪漕ぎは登りよりも遥かに楽だ。泥に何度か滑りながらも、スピーディーに下降する。それにしても、強烈な「登山道」だった。今まで経験した破線ルートの中でもトップレベルで困難だった・・・。
分岐まで戻り、疲れてしまったので、Sさんの持ってきたスパムを皆で食した。
私にとってはなかなか食べる機会の少ないスパムだが、疲れた体にガッツリと肉を補給。最高に美味しかった。

登った駒ヶ峯を振り返る

14:20、登山道を辿り、猿倉温泉へ下山開始。
湿原のある登山道は、やはり泥でぐちゃぐちゃだ。沢靴を履いていてちょうど良かった。すれ違った登山者で長靴を履いている人がいた。地元民だろうか。さすが分かっている。

乗鞍岳と猿倉温泉の分岐も地味で、つい見逃してしまいそうになる。

16:50猿倉温泉に下山。
本来乗る予定だったバスは15時頃が最終だった。

奥入瀬の林道に駐車した車をどう回収するか悩んでいたが、道中出会った心優しい青森県の方が、車デポ地点まで乗せていって下さった。お陰様で無事に車を回収する事ができた。本当にありがたい。心から感謝です。

日没を迎えると、あたりは一気に冷え込む。
もう季節は秋だ。寒いのでダウンを着込む。

天気の都合で本来は今回の沢1泊2日のみの予定だったが、改めて天気予報を調べると、明日と明後日も山域によってはイケそうだ。
皆と話し合って、明日からは八幡平の葛根田川へ1泊で行く事とした。

引き続き東北の山を満喫する事とする。

【食事処】隠れダイニングぽけっと(17:30〜22:00)
〒018ー5334 秋田県鹿角市十和田毛馬内下寄熊71

21:30頃、夕食場所を探していた。ここら辺の店は殆ど21時閉店の中、ぽけっとだけは22時までの営業。
「どこでも良いからとりあえず!」という気持ちでの入店だったが、、、素晴らしい店だった。
私はオムハヤシ(税抜980円)をオーダーしたが、味はもちろんボリュームもあり大満足だ。他の3人も満足のご様子。
手作りで愛情のこもった料理が出てくるが、その分注文してからの待ち時間はそこそこかかる。メニューは豊富。どれも美味しそうだ。また近くへ訪れた際は利用したい。

↓翌日の記録

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